<数学> さくら教育研究所(SKREDU)

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考えない習慣

2016-07-01 | 日記

幼児期の学習でスピードを付けることほど危険なことはありません。

単純作業を速くするには何も考えないで作業に没頭する必要があります。また、速い作業をしている時に何かを考えようとしても考えられません。つまり、速い作業は考えることを妨害する作用があるということです。

速い作業(高速計算)をしている時には頭の中では「考えるな」という指令が出ているということです。ですから、幼児期に一番注意しなければいけないのは高速学習なのです。高速学習は、条件反射的に処理することを要求していると同時に「考えるな」という指示を出しているのです。

反射とは自動化するということです。自動化は放置すると固定化します。固定化すると何も受け付けなくなります。これを反射式プリントで考えると「単純計算の高速化(強制反復)→考えるなという指令の繰り返し(自動化による反射形成)→頭の硬直化→硬直化した頭の固定化→考えることを受け付けない拒絶化(人為的学習障害:ALD)→性格形成や人格形成に影響」となります。

小学校低学年の時にしなければいけないことは「考える力」と「正しい家庭学習の習慣」を身につけることです。そして「考える力」を養成するためには、できるだけ条件反射の養成となる高速の機械的反復作業はしてはいけないのです。具体的には計算等でスピードを競うことは最もいけないことです。子ども達は、面白がってやろうとしますが、害になるばかりです。ここで、いかにスピード競争から思考訓練に移行させることが出来るかが教師の力量なのです。なぜならば、単純計算のスピードをつけることはいつでもできますが、ゆっくりジックリ丁寧に考えるという習慣はなかなかつかないからです。さらに、考える力のない子は小4からの抽象概念の世界を理解すること自体が難しくなりますので、全教科で落ちこぼれる可能性が出て来ます。

「基礎学力」とは基礎計算を速くしたり漢字を暗記することではありません。基礎学力とは、先生(他人)の話をよく聞くことが出来る力、先生(他人)の言葉を理解することが出来る力、抽象的な事柄をイメージ化出来る力、つまり「考える力」のことです。