紫苑の部屋      

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いま枕冊子、が面白い!

2009-05-27 22:20:58 | 源氏物語
枕草子第1回、

講師の先生の気合いが違ってます。
文字通りさーと講読するのでは、意味がない、とおっしゃいます。
言葉の使い方、当時そこからイメージされたこと、それらを深く読み取っていきます、
との有り難いことば。
テキスト選びにもそのこだわりが表れています。
笠間書院 田中重太郎著
これには「枕冊子」とあります。
巻子に対して綴じられた本、という意味での冊子、が正しい、とのこと。
草子、双紙などは当て字なのね。
当時紙は貴重なもの、中宮定子に献上された(兄の伊周)料紙に
あなたなら何を書きますかと問われた清 少納言(本名諾子なぎこ、との説ありとか)
帝(一条帝)は「史記」を書かせている、それを受けて
すかさず、それならば枕でございましょう、
(敷くものにー枕)
とまあ、有名な逸話ですが、駄洒落ですわね、
こういうことば遊びを楽しんだのが、貴族というものですね。

本文は下巻の最終段301段、から読みはじめました。
あとがき、なんですねー、
この冊子が世に出ることになったいきさつを綴ってあるのですが、
「はづかしき」評判をとってしまった、と悪びれもせず、言って退ける、
そうね、その知性あふれるものいい、
紫式部、に嫌われるのも(もっともこれもまゆつばものですが)頷けるかもー。
でも、冊子をさりげなく
  つれづれなる里居のほどに書き集めたる
と書き留めているのですが、
里詰めになるいきさつ、
彰子付きの女房たちと仲良くしたために同僚から疑われて実家に戻っていた、
というのですから、明るく、をかしと言ってる場合じゃなかったのね。
ですから、少納言は女にしておくには惜しい太っ腹の女性だったのです。

さて、初段に戻ります。
先生がこんなお菓子(箱)を見つけてきてくださった。
  春はあけぼの、
  夏は夜、月のころはさらなり、
  秋は夕暮れ
  冬はつとめて、雪の降りたる
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四面を開くと春夏秋冬、花月、あり。
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