「来年」を失わないために。

……来年があるってことは、ものすごく幸せなことやねんで。

「2年目」のビジター

2006年05月16日 | ノーモア2004年
 「大阪ドーム」が私のホームではなくなってまる1年以上経過して、2年目に入りました。
 今年の大阪ドームの「鷲ファンとしての私」にとってのゲームは(今年は1カードしかない為)3試合だけで終わりました。

 ふと、青いレフト側の通路やトイレや看板に慣れてしまっている自分に気付きます。
 レフトから眺めるグラウンドの風景にもすっかり慣れてしまいました。

 Bsの応援団は、今年も試合開始前の1-9で自軍の選手の前に現在鷲にいる元近鉄の選手の「近鉄時代のHM」をやっていました。
 去年はあれほど聞く度に鉛でも飲まされているような重い気持ちにさせられたのに、今年はちょっと皮肉に笑ってスルーすることが出来るようになりました。タオルマフラーのチャンステーマにしてもそう。
 ただ、でてくる感慨といえば───
「山村が投げていてブランボーでタオルマフラーをやるような人たちに、礒部や吉岡やケンシたちのHMなど我が物顔でやられたくない」
 ということくらいです。
 元Buファンじゃない現在のオリファンの人たちはあの1-9前の鷲選手のHMをどのように感じているんでしょう?むしろそれが知りたい。
 タオルマフラー踊り用のタオルは球団のグッズとしてちゃあんと販売され、応援ガイドにもちゃあんと振り付けが掲載されている。どうやら応援団と球団はちゃんと和解しているようです。合併を受け入れたと言われても仕方ないと思います。
 では彼らが礒部たちのHMをやるのは何故?
「元Buファンでイーグルスへ流れた人たちに対するいやがらせ」
 くらいの意味しか感じません。

 礒部たちのHMをあちらの応援団が演奏している間、何も知らないリプシーがそれに合わせて踊っていました。
 彼女はあれが元Buの、現在は鷲の選手のHMとは知らないのでしょう。皮肉な光景に写りました。


 去年は、レフト外野下段席の通路には
「ここはビジター応援席です。ホームチームの応援の方はご遠慮願います」
 という張り紙がありました。警備員による拡声器でのアナウンスも度々ありました。
ビジター席でのトラブル防止という名目で、Buのユニを着ている人がそれを脱がされる人がいるということもありました。
 今年は、あの張り紙も無くなっています。
 Buユニの人も何も言われなくなりました。
 それどころか、Bsユニを着た集団がレフト下段の真ん中近くに堂々と座っていても、誰もなんの注意も与えません。
 Buユニを着てる人がどれだけいても何の不快も感じませんが、Bsユニの連中に座られるとやはり不快です。客が入るならビジターの客が不快な思いをすることなどもうおかまいなし。
 最初からやってなくて「そんなもの」だったのならここまで言いませんが、「トラブル防止の為に元々やっていたはずのホームとビジターの棲み分け」を、この球場とこの球団は放棄したのです。

 去年のあれは何だったんでしょうか?


 すっかりイーグルスファンとなった私。礒部や吉岡や高須や藤井にも新しいイーグルスのHMが出来て、それにも馴染みました。

 こうして月日が過ぎていくごとに、Buの存在は遠い思い出になっていくんでしょうか。
 私の中ですら、合併は「風化」していくんでしょうか。

 でも、私はやっぱり大阪ドームのライトスタンドには足を踏み入れることが出来ません。まるで結界でもあるように。



 SMAP×SMAPに清原とノリが出演していたのを見てしまいました。
 ノリが、「キャンプで宮内オーナーが来た時に若いのが一発芸とかやるんですよー。めっちゃオモロイですよー」などと楽しげに話しているのを見て、吐きそうになりました。
 清原はいいです。宮内に何の恨みもないでしょうから。
 でもノリがそうやって宮内の前でご機嫌取りをする若い選手たちの話を楽しそうにするのが心底許せなかった。
 もう、悲しいとか悔しいとか腹が立つとかいう具体的な言葉で表現できない感覚でした。とにかく吐き気がした。

 そして、その時あらためて確認したのです。
 やっぱり、何年経っても、どれほどイーグルスファンとしてのめりこんでいっても、その1点だけは絶対に譲れないのだということ。
 「オリックス」という会社が何を奪っていったのか。何を踏みにじってくれたのか。そして今も踏みにじりつづけているのか。それは絶対に忘れることは出来ないのだということ。

 オリックス・バファローズ側に座って応援するくらいなら、30年来アンチを続けたジャイアンツ側に座る方がまだいい。

 むしろその感覚は去年より強くなっている気がします。
 多分ね、友達とかに手を引っ張られて無理やりあっちに連れていかれそうになったら、泣いて抵抗すると思う。多分本気で泣くと思う。


 わだかまりなく大阪ドームのライトに行けるようになった時、私の中で合併は「風化」したんだと思ったこの3日間だったのでした。 


 ごめん。
 あんな騒動があったのに、いや、あれがあったからこそ、
 12球団皆仲間、等しくリスペクトし合いましょう───なんて奇麗事を私が言ってはいけないのだということを痛感しています。

 どうしても、何があっても、何をやっても、選手に罪はないとどんなに胸に言い聞かせても、絶対に愛せない、認められない球団がひとつだけあるのです。