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しろくまハリきゅう院 しろくまリハビリマッサージ (旧‘しろくま治療院’)

しろくまハリきゅうとしろくまリハビリマッサージの院長のブログ

立ち上がりの心理的メリット

2006-10-26 00:09:53 | 立ち上がり

地球の重力に対抗するかのように

地面から背筋を伸ばして立ち上がることが

自ら立つこと=「自立」に他なりません

 

自立とは人間本来に備わっている

本能のようなものではないでしょうか

 

座れた時もそうですが、立てた時のよろこび

健康な人には推し量れないものがあります

 

普通の人の目線に立てるということは

普通の人と対等の立場になれること

単に爽快感や喜びだけでなく

自立心自信が芽生えてくるものです

そしてそれがさらなる自立に向けての

頑張ろうという意欲につながります

 

寝たきりから脱却し、

起きて、さらに立ち上がるということに

心理面ではこんなプラス効果があります

 

肉体だけを介護・リハビリしているのではなく

心を介護・リハビリしていること

この初心は決して忘れないで欲しい

 

それさえ忘れなければ

介助される人の立場で考えることは

ごく自然とできるようになるでしょう


床・畳からの立ち上がり3~介助のポイント

2006-10-25 00:03:24 | 立ち上がり

 これから介助のポイントだけ示しますが、

そこだけ介助して

あとは体に触れないで見守っててください

寝返りしてから

左肘をつっぱって起き上がるのですが 

これができない人は

カテゴリー「上体を起こす」クリック)をご参照ください

床・畳から立ち上がれない人は

まずこの動作ができない場合が多いです

介助は赤い矢印のところを持って腰を引き上げます

(お腹から見た図)

つまり赤丸のあたりの腰骨の凸

ここを持って後ろから引き上げます

すると簡単に四つ這いになれますよ

両膝立ちから 

この写真の場合、右足は立てられますが

左足が立てられない場合が多い

そういう時は

腰のベルト(図中の矢印)のあたりをつかんで

上に引き上げるといいでしょう

 

介助する場面は2ヶ所で十分でしょう


床・畳からの立ち上がり2

2006-10-24 00:04:15 | 立ち上がり

これから普通の床・畳からの立ち上がりを見てみましょう

 

このおばあちゃん体もある程度ひねれて

手足の関節も正常近く曲がる状態

肘や膝を伸ばす力もまあまあある人なので

結局一人でできました

 

立ち上がりを補助する黒いもの(=足置き)の位置は

体から少し離した横の位置に置きます

画面向かって少し右、上方に移動してもいいでしょう

寝返りをうちます

(足置きが少し近いようです 

この角度では見えませんが、左肘をつっぱって

うまく上体を起こせました

つっぱった肘にそのまま体重をのせて

左膝を畳につけて四つ這いになろうとしています 

違う画像ですが、

四つ這いから膝立ちになりました

膝立ちから両腕に体重をのせて

立ち上がろうとするところです

 

こんな風に一人でうまく立ち上がれるとは限りませんね

そんな時、どう介助すればいいのでしょうか


床・畳からの立ち上がり1

2006-10-22 00:10:07 | 立ち上がり

畳の生活ではないし、ベッドに寝ている人は

この立ち上がり方は関係ない、と思うでしょう

しかし、床に転倒した時

この立ち上がり方が必要になってきます

しっかり覚えておきましょう

 

高齢になると、胴体が硬く、

手足の関節も曲がりずらくなってきますし、

さらに筋力もなくなってきます

すると一人で床・畳から立てなくなる…

低いテーブルや椅子があれば立てることが多いので

その立ち上がり方と介助の仕方を解説します

 

介助の原則はここでも同じです

 

自力でできそうならば

体には触らず近くで見守ります

 

危ない場面、例えば転びそうな場面は

いつ倒れてきてもいいように

倒れる方向に先回りして

体を盾(たて)にして待っています

 

動作ができそうもない時は

理解力のある人ならば言葉で指示を与え

先ず動作の誘導を行います

 

ほんとうにダメならはじめてそこで体を支えます

最初は支えるだけにして

立ち直るのは自力でしてもらいます

 

それもだめなら少しだけ力を貸します 

 

できないところだけ介助し、

余計な介助はしません

 

床・畳からの立ち上がり動作で

できないところはだいたい決まっています


片麻痺の立ち上がり4~麻痺側を使って立つ

2006-10-19 00:29:11 | 立ち上がり

前回のように介助姿勢を整えながら

立ち上がる瞬間、麻痺側に十分体重をのせて立ちます

麻痺側に体重をのせないと必ずこうなります

 

介助で立つ際、脳梗塞が発症してすぐから

不自由な麻痺側を使って立つようにすれば

リハビリ効果で麻痺側が徐々に使えるようになります

 

しかし麻痺側を意識して使わない限り

必ず健康な脚だけで立ってしまいます

 

そうなると

「自力で片足だけで立てるならばいいじゃないか」

となり、麻痺側の手足を切り捨てたい」

と考えるようになるでしょう

 

大変でもはじめから麻痺側を使って立つ癖をつければ

両足を使って偏らない立ち方をするようになります

 

そのほうが体にいいですし、

介助する方もされる方もラクなのです

 

だからこそ‘片足で立つ’という

偏った癖が出ないよう、また安易な道を選ばずに

最初から麻痺した脚を使って立ちましょう

 

片麻痺の介助の仕方は原則、

健康な半身は介助しません

 

以下は左片麻痺の人の場合で、片手片足介助です

右には麻痺がないし、介助者にはやや力があるので

片手片足介助ができます

しかし力がない人は左手も使って介助します

 

この人の場合は自然な立ち上がりはやや難しいので

介助者の首を使って引っぱり立ちで立ちました

介助者の右手は脇の下、右膝は膝の外側に当てます

右側が全く健康な人は

左側を少し介助しただけで

意外な程簡単に立てますよ

 

どんな時でも、できる限り忠実に

自然な立ち上がりに沿って介助してくださいね


片麻痺の立ち上がり3~膝の外側から支える

2006-10-18 00:02:13 | 立ち上がり

前回のようにセッティングしても

いざ、立ち上がろうとすると

脳梗塞後遺症による異常な筋緊張や反

脚がピーンと伸びたり、

膝が外に逃げようとするので

何気なく介助するとこの姿勢クリックになりがち

ぶら下がっているだけなので異常に重いわけです

 

そうならないように次のように介助します

介助される人の膝の外側に

介助する人の膝の内側を当てます

しかも介助する人の足で

介助される人の足を押さえて止めています

親指を持ち上げ踏んづけないようにしています

続きは次回


片麻痺の立ち上がり2~膝・足首をセットし体重をのせる

2006-10-16 06:53:48 | 立ち上がり

片麻痺の人は普段立つ時に

麻痺していない方の脚で立つ癖があります

 

その普段の癖を是正するために

正常側よりやや麻痺側の脚に

余計に体重をかけて立つといいでしょう

 

そのため介助体勢に入る時に介助者ははじめから

少し麻痺側寄りに向き合って立つといいでしょう

 

さて、介助される人は浅く座りなおします

 

足関節が曲がったまま固まっていますので、

足裏全体、

特に足裏の内側まで床・畳につくようにします

 

介助者は膝が外側に開いて股が開き気味の状態

膝を正常な位置に戻し、

さらに上から軽く押さえます

 

足裏を床・畳に押し付けることで

足首が元に戻らないようにするためです

 

ベッドからずり落ちない程度まで十分に膝を曲げ

介助される人自身の体重を足裏にのせます

(股・膝・足の関節が90度以上曲がることが条件)

 

ついでに足の曲がった指も伸ばしておきます

 

立ち上がる時に麻痺した足裏のほうに

体重を余計にかけるぐらいがいいでしょう

 

そうすることで何かの拍子に足が勝手に動き出した時

足裏が滑ることを防ぎます

 

しかし確実に滑らせないためには

ここでコツが必要です


片麻痺の立ち上がり1~麻痺した脚をどう使うか

2006-10-14 00:32:02 | 立ち上がり

脳梗塞などの後遺症でなる

痙性(=手足がグニャグニャでない)片麻痺の場合は

麻痺した脚を使って立ち上がれます

 

少しでも麻痺側の力を使えれば

2人とも意外なほどラクに立ち上がれますし、

この動作がいいリハビリになり、

自立につながる立ち上がりになります

是非、麻痺した脚を使うようにしてください

 

関節は座ると開く(外旋外転)場合が多いです

こんな感じです

足関節も曲がって固まっていて

足の裏全体が自力ではまともに床につきません

 

その他に異常な筋緊張や反

すなわち立ち上がる時に

脚がピーンと伸びたり、

膝が外に逃げようとしますから

足や膝を押さえて介助します

 

関節が固まって動く範囲が極端に少ない人や

脚がグニャグニャで全く動かない人は

麻痺した脚を使った立ち上がりは困難ですね

 

それから脳梗塞の後遺症で意外と厄介な問題が

「麻痺した側に怖くて体重をかけられない」こと

また、認知症で理解力がない人や

麻痺側が存在しないかのように振舞う人も

立ち上がりは難しいでしょう


立った状態から座る2

2006-10-12 00:02:53 | 立ち上がり

 

膝裏が座る所に触れた状態立ちます

座った時に

尻がギリギリベッドにかかる所目指して

膝を曲げ、おじぎ動作をします

 

介助される人が前へ‘つんのめる’位

おじぎ動作を誘導するためには

介助者は腰や背中をつかんだまま

目一杯、中腰にならなくてはいけません

 

膝折れの心配が少ない人ならば

十分なおじぎ動作を誘導するために介助者は

片足を一歩引いて両膝を曲げます

 

膝折れの心配がほとんどない人ならば

片膝を床・畳につけるだけ

音を立てずにキレイに座れる人もいます

 

十分に膝が曲がるまで

座るのを我慢してもらいます

十分に曲がったら「座って」と言い、

そうすると静かに座れます

 

膝折れの心配がある人

膝が十分曲がった時に

介助者の両膝頭と介助される人の両膝頭を合わせて

膝折れを防ぐこともあります

 

イスに深く座れるように

介助される人の両方の膝頭を

介助者の両膝頭か手のひらで

そっと押して深く座ってもらいます

 

重いし、面倒だからといって

ナナメ前方に腰掛けさせないように

 

自立につながる座り方はこれです


立った状態から座る1

2006-10-11 00:04:15 | 立ち上がり

ドスンと座っただけで

背骨を圧迫骨折する可能性は十分あります

 

サッサと座ろうとする気持ちが強いためか

立ち上がりの時よりも座る時のほうが

適当に介助してしまうようです

あたかも共倒れするかのように

イスやベッドになだれ込んで座ってしまう参考

 

では、静かに深く腰掛けるにはどうするか

 

それは立ち上がり動作と

まったく逆のことをすればいいのです

 

まず座るところ(イスやベッド)が

低すぎ、あるいは高すぎないか確認します

電動ベッドなら高さを調節します

 

立った状態から両肩に手をやってもらいます

胸は密着させてはいけません

 

突然の膝折れが心配なので

腰のベルトの位置をつかむ

あるいは肩甲骨の下あたりに手を回します

 

介助される人は膝を曲げると同時に

おじぎする様に上半身を前に曲げます

介助者はその動きを妨げないように

ゆっくりとおじぎ動作を誘導します


立ち上がり 19~中腰で介助する5~まとめ

2006-10-09 00:06:04 | 立ち上がり

立ち上がる瞬間異常に重かったり

なかなか立ち上がらない時は

足の裏が滑っていることが多いです

座らせてもう一度見直してみましょう

 

立ち上がったら介助される人は

先ず呼吸をしましょう

呼吸を止めて一生懸命に動作していて

息苦しいことも気付いていないことが多いです

 

最後にまとめます

 

先ずできるまで手は出さずに待ってみる

だめなら「誘導」

だめなら動きを妨げない介助をする

 =自然の動きに沿った介助をする

 

筋力や関節可動域の条件を満たしていれば

自然の動きに沿った立ち上がりができます

 

首に巻きついてぶら下がっているより

自力を使って立ったほうが

介助される人もラクなのです

 

「立ちあがる」ということは

おじぎ動作をして頭の軌道は曲線を描きながら

体重が前後平等になった瞬間

真上に向かって脚を伸ばすということ

 

介護は介護される人の事情に合わせるのが原則

自然な立ち上がりに沿った介助は

介助される人の事情で介助しなければ

いつまで経ってもできません

 

コツや条件はもう一度読んでくださいね


立ち上がり 18~中腰で介助する4~例2

2006-10-07 00:30:28 | 立ち上がり

脳梗塞、左片麻痺で左脚は少ししか動かない人です

(片麻痺ステージⅡに近いⅢ、左身体失認あり

浅めに座り、膝を曲げて足を引いています

(なぜかカメラ目線です

介助者はかなり深々と中腰の姿勢になっています

介助される人は介助者の背中に片手を回しています

「これから立つよ」と言い

立つことに集中してもらいます

介助者はまさに後ろに倒れることで

(…ちょっとコツと勇気が要りますね

おばあちゃんを手前に引いています 

斜め上に引き上げては×

我慢して手前に引いて○

ベッドからずり落ちるギリギリのところで

前後のバランスが取れる瞬間)の図 

ここまではいっさい上には持ち上げません

介助者は手前に引くだけです

足が滑ることなく足裏に全体重がかかっています

この瞬間に「立って!」と指示します

一生懸命立ち上がろうとしている最中の図

一瞬、介助者の腕にズシッと重さを感じたので

すかさず真上に向かって引き上げます

介助者の腕は硬く固定したまま

介助者の膝を伸ばす力で

「真っ直ぐ上に向かって一緒に立つ」

という感じです

 

膝が直角に曲がっている時が一番脚に力が入らない時

ほんの少しだけ真上に引き上げて

膝の角度がなくなって脚が真っ直ぐに近くなると

途中からは介助者の力は必要ないものです

この位から介助者は重さを感じなくなってきます

そうしたら介助者は徐々に力を抜き、

介助される人に自力で立ってもらいます

こうなればひと安心

膝折れの心配がないようなので

介助者はほんの少しだけ手前に引いて

つま先の方まで体重がかかるように微調整します


立ち上がり 17~中腰で介助する3~例1

2006-10-06 00:22:47 | 立ち上がり

 

中腰で精一杯腰を沈めた状態から始めます。

上半身を引き寄せておじぎ動作を誘導しているところ

 

介護される人は背中に手を回します

 片手だけでも結構です

 

次に「肩にもたれて」と言いいます。

場合によっては

アゴのあたりを介助者の肩にのせます

 

しかし胸は密着させてはいけません

せいぜい頬を寄せるぐらいです

 

膝がガクッと膝折れする危険のある人は

腰のベルトの所を手でつかみます

ベルトがないので

代わりにお尻を下から支えています

手前(矢印の方向)に引きます

決して上には上げません、

介助者は上げたいのを我慢します

引くとこうなります

この人は小さな体なのでおじぎ動作を誘導するために

介助者は片膝をついてしまいましたが、

それで正解です

介助者は下にもぐりこむ感じです

前後のバランスがとれた瞬間

「ハイ、立って」と言い

踏ん張ったなーと感じたら

ここではじめて真上に引き上げます

この人は腕の力で引き上げなくとも

介助者が立ち上がるだけで膝を伸ばせました

へっぴり腰の場合、介助者が後ろに下がって

膝折れの心配がないから後ろにさがれます)

つま先に体重がのるようにします

 

脇の下を押さえて持ち上げる場合、

膝折れした時に支えきれません

ベルトの位置でつかむのは

膝折れした時命綱の意味もあります

ベルトの位置でつかんでいるところ


立ち上がり 16~中腰で介助する2~足が滑らない工夫

2006-10-03 00:57:50 | 立ち上がり

 

介助される人の足裏が滑らないように

つま先同士を接して滑りを防ぎます

足が滑らなければ足に力が入ります

足が滑ると足に力が入らず手でぶら下がります

 

介助される人の足の指・爪に異状がなくて

足の指を強く踏まない自信があれば

次のように

介助する人の足の指介助される人の足の指

軽く押さえて足の滑りを防いでもいいです

 

強く踏んづけてはいけませんよ

 

足の指の上に足の指を軽く重ねる感じで

介助者の親指は常に上げている状態です

足の裏で踏んづけては絶対ダメです

せいぜいこの位までです

これ以上深く踏んづけては×

 

フローリングで靴下を履いていると滑りやすいし、

畳の目がタテだと滑りやすいですね

 

介助者は腕のほうに集中していて、

「今日はやたらに重いと思ったら

足が滑っていることに気付かなかった」

なんてことはよくありますよ

 

足元には十分ご注意を…


立ち上がり 15~中腰で介助する1~それでも自然の流れに沿って

2006-10-02 00:11:19 | 立ち上がり

忠実に自然の流れの通りに介助するのは

実際、実用的ではないでしょう

 

寝たきりになるような人はだいたい

疾患や後遺症があってそれが原因

‘自然の流れに沿って介助する’ことが

なかなか難しくなってくるものです

 

しかし、それでもできる限り

自然の流れに沿って介助することが重要です

介助する人も介助される人もラク

一番自立しやすい介助法だからです

 

今までずーと‘自然な立ち上がり’を

解説してきたのはこのためなんです

 

これから解説する介助の仕方は

疾患や後遺症があるが比較的軽度で

しかし介助しないと立てない人向きです

この方法が実用的、一般的といえます

 

これから立ち上がる準備をしますが

今まで解説してきたのと同じで

自分でできない分、介助します

 

できる限り浅く座るため

介助される人の腰の下あたりに両手を当て

怖がらせないようお尻を手前に引きます

 

介助者は介助される人の

膝を直角以上曲げ、足を十分に引きます

 

両膝は開いていないか、

足首は曲がっていないか、

足の裏全体が下についているか確認します

 

ベッドの高さをちょうどいい高さに調整します