「上体を起こす7,8,9」参照の上で
介助して上体を起こすだけで
腕は自然と伸びますが、下図のように
介助者の手で伸ばした腕を体の後ろ側に誘導し
手のひらを外側に向けるように手伝います
この姿勢で一息ついたら
自力で腹筋と腕の力を使って
徐々に長座位になれるでしょう
手首が曲がらずに
手のひらがつけない人多いですから注意です
「上体を起こす7,8,9」参照の上で
介助して上体を起こすだけで
腕は自然と伸びますが、下図のように
介助者の手で伸ばした腕を体の後ろ側に誘導し
手のひらを外側に向けるように手伝います
この姿勢で一息ついたら
自力で腹筋と腕の力を使って
徐々に長座位になれるでしょう
手首が曲がらずに
手のひらがつけない人多いですから注意です
さらに筋力がなくて、もっと介助が必要な時は
「上体を起こす7,8,9」をふまえた上で
下図のように
肩をねじりながら起こすだけでなく、
同時に介助者の反対の手で
介助される人の後頭部あたりに手を添え、
頭の持ち上げを補ってあげます
次に下図のように
「ひじを曲げますよ」と声をかけながら、
後頭部に添えた手を離して、すかさず
ひじを引くことを手伝ってあげます
深く後ろに引いたほうが安定しますよ
ただし、「上体を起こす5」に示したように
必要なだけひじが曲がること、
肩などの関節がゆるくないこと、
痛がらないこと
などが条件となります。
安定すれば、ここで一息ついて
しばらくこの姿勢で休むことができます
これからいよいよ介助者が起こしますが
息が合えばほとんど力が要りません
ただし、コツがあります
声かけ誘導と
起こす方向です
7.介助者とは反対側の肩を
ねじりながら手前に引きます
8.ほぼ同時に
「ひじを後ろに引いてください」と
声かけ誘導します
9.その曲げたひじの上に
介助される人の全体重をのせるように
介助者が手前に引きます
10.一息ついて、さらに起こしながら
「ひじを伸ばして下さい」と
声かけ誘導します
11.手のひらの上に
介助される人の全体重をのせるように
介助者が手前に引きます
この動作はその後
起き上がって座る動作につながっていきます
前回の「上体を起こす7~介助のヒント」を参考に
‘自然な起き上がり’の軌道を意識しながら介助します
1.介助人は片肘のつくほうに立ちます
2.「これから起き上がります」とかけ声をかけ、
心と体の準備をうながします
3.「こっちの肘をつきますよ」と予告します
4.介助人は片肘のつくほうとは
反対の肩・肩甲骨を
包むように手を当てます
5.「せーの」といい、介助者は
自力で起き上がるタイミングに合わせるようにします
6.この瞬間、介助者は腰痛に注意です
話し変わりますが、
卓球日本代表がんばりました
元泣き虫‘愛ちゃん’の勝った時の
「サー」だか「ター」の声が
耳に残ります
自分で仰向けになって一番ラクな方法で
上半身を起こしてみてください。
その体の動きがそのまま介助に使えます
仰向けになってつきたい片肘(ひじ)の方に
上半身をねじりながら
腹に力を入れて起き上がりますが、
同時に片肘になる方と同側の
肩を後ろに引きつつ
肘を90度以上に曲げて
その肘に上半身のすべての体重をのせます
その時反対の腕は
天井に向かって伸びています
つぎに腕の伸展力を使って起き上がりますが、
やや腹筋を使って起き上がりながら
手のひらに全体重をのせますその時に
手のひらをやや外側に開きながら
腕を伸ばします
そして長座位になります(=足を伸ばして座ります)
上半身をねじりながら起き上がる時に
少し腹筋に力が入りますね
それが大変な時は上半身をねじる時に
同時に下半身もねじります
つまり横向きになる感じです
そうすると腰に負担がかからずに片肘になれます
もっとラクに起き上がりたい時はどうするか
腰痛になった時や妊婦さんの起き上がり方が
もっとも腹筋を使わず、
腰を痛めないやり方です
これは同時に
腹筋が弱い人、腰痛になりやすい人に
最適な方法だといえます
すべての介助法のヒントは
自分自身が普段行っている
日常動作に隠れています
そして、
実際に相手の立場に立って
考える癖をつけましょう
そうすればあなたも介護のプロになれる
(かもしれません)
健康な人でも腹筋が弱い人は
仰向けの状態から
なかなか真っ直ぐ起きられません
(‘ゾンビ’や‘キョンシー’みたいにね)
仰向けから上体を起こすのに
皆さんは次のような介助をしていませんか?
A.介助される人の両手を引っ張っる
B.介助人が介助される人の頭のほうに回りこんで
後頭部を手で押し上げる
C.介助する人の首に腕を巻きつかせて
二人で抱き合って起き上がる
・・・A.B.C.どれも大変な労力が必要です
まず片肘をついて起き上がることを考えましょう
私達が日頃ふとんから起き上がる時に
不便を感じないのは
無意識に片肘をついているからです
だから、介助する時も
介助される人が片ひじをつけば
ちょっと手を貸しただけで
意外とあっさり起き上がれますよ
是非試してみてくださいね
話し変わりますけど、
NHK、立花隆の
「プレミアム10 サイボーグの衝撃」には
衝撃受けました
‘現代人はもう既にサイボーグ’だと
2/17~2/22の間に4回にわたって
「上体を起こす」を書きました
その4回では電動ベッドで上体を起こし、
一番いい形で長座位を保持し、
廃用症候群を予防するというものでした
その続きを書きます
これから片肘(ひじ)をついて、
その肘を伸ばし、
起き上がる方法を書きます
起き上がる条件ですが
先ずは「上体を起こす2」をご覧下さい
それに加え、腕を使って起きるだけの
関節の柔軟性と筋力が必要です
すなわち
肩が後ろに引けて、
肘をまっすぐに伸ばせて、
手首は体重を支えられるだけの
関節可動域と上肢の筋力が必要です
次に起き上がる時に多少体をひねるので
胴体(=体幹部)をひねれる柔軟性と
ひねった時痛がらないこと、が条件になります
お尻に体重がかかりますが、
左右バランス良く体重をかけるように
バスタオル等で
骨盤のゆがみを矯正します
矯正前
矯正後
(おへそと脚の位置に注目)
骨盤のゆがみ矯正
背骨・胴体のゆがみ矯正
四肢の筋緊張を緩め、拘縮予防
「楽ですか」などと聞いて
一番いいクッションの位置を決めましょう
骨盤のゆがみを矯正するときは
お尻の褥そうに注意してください
ある程度上体を起こしたら
その姿勢を保持します
図のように
倒れないよう、
ずり落ちないよう
枕と両脇と太ももの下に
クッション等を入れます
上体を起こすには次のことに注意してください
ある程度股関節が曲がる必要があります
・・・股関節が全然曲がらない時はやめましょう
関節が固まっている場合(「廃用症候群」参照)とか
筋肉の緊張が強くて曲がりづらい場合などです
仙骨下部褥瘡(お尻の床ずれ)のある時は
やめておきましょう
・・・その床ずれを圧迫してしまうからです
電動ベッドで上体を起こすことをお勧めします
・・・介護保険を使ってレンタルすれば格安で借りられます
顔色を伺いながら、
徐々に上体をあげていきます
・・・顔色が蒼白くなって冷や汗をかいたり
めまいがしたり
息が荒くなったら
上体を元に戻してください
そうならないように
徐々に上げていけばいいです
病状が安定していて
意識が不明瞭で
寝返りもできない人は
まずは上体を起こすことを考えてみましょう
上体を起こすだけで
体に有益な変化が生じます
上体を起こすと
足の血管が縮むと同時に頭の血管が開くようになり
起立性低血圧が防げます
すると腸や肺の働きが活発になり
肺炎や便秘になりにくくなるといわれています
血のめぐりが良くなることによって
末梢血管に当たる細胞組織が活性化し、
褥創、浮腫、筋萎縮など
様々な廃用症候群の予防に有効です。
(カテゴリーに「廃用症候群」あるよ
)