団塊の世代の世間話

60年を生きてきた思いを綴った「ゼロマイナス1 団塊の世代の世間話」を上梓し、その延長でブログを発信。

特殊詐欺の電話が来た

2020-11-28 08:35:21 | Weblog
 久しぶりに固定電話が鳴った。電話に出た。いきなり葛飾警察の防犯課の者と名乗った。相手は逮捕した原田と高橋という人に心当たりはあるかと訊ねた。まったくないと答えると、この2人は銀行員で、私の銀行通帳とカードのコピーを作って、20万円を引き出したという。えっ、どういうことだとこちらはびっくりした。
 相手はあれこれとこちらの持っている銀行口座のことを聞く。近所の信用金庫、メガバンクの口座名をいい、被害にあったのは私の個人口座だった。他は会社の口座だった。
 犯人は二人だけでなく他にも逃げている者がいて、さらに被害が広がる恐れがあり、それで銀行口座を凍結し、被害金額を口座に戻すために、東京地方裁判所に行く必要があるともいい、このころから、なんとなくおかしいなあ、と思ったりもしてきた。
 犯人の顔を確認するために、あと20分ぐらいで私服警官がそちらに伺うという。来てもいいけど、まったく関係のない犯人だから分からない、というと、葛飾警察署に来られるか、という。それなら今すぐ行く、というと、被害者が60人以上いて忙しく、夕方にしてほしい、という。
 結局、45分程度電話で話していたか。とにかく被害があった口座の金額を戻してほしいのは当たり前で、何をしたらいいのか、と聞くと、なんとなく明確でなく、これまでのしゃべってきた会話の内容を繰り返すばかり。
 最後に葛飾警察署の防犯課まで来てほしい、という。担当の名前は浦川といった。それでしかたなく自転車で出かけた。その前に、銀行のATMによって、被害にあった口座の記帳を行った。
 慌てて通帳をみると、不審な出金はなかった。やっぱり詐欺か、と思ったが、本当に葛飾署に浦川という刑事がいたら待っているだろう、と思い、急いで向かった。
 受付で相手の名前を告げると、そういう刑事はいない、と答えられ、生活安全課でことの事情を話すことになった。相手の刑事は、同じような電話がこの地区で多くあり、被害が発生していると説明した。
 結局、警察を名乗る特殊詐欺だった。固定電話は留守録にしておくこと、と注意された。
 今あれこれと考えると、そもそも私の地区は亀有警察署の管轄である。また警察にしては、あまりに銀行口座のことを聞き過ぎたこと、被害額20万円いうのは、こちらの口座の残高の探りをいれたのだろう。警察とか裁判所の名前を出すのは、権威を利用して信用させるためか。葛飾警察署に行かせたのは、たぶん時間稼ぎであろう。
 しかし、警察からの電話と思えば、真剣に聞いてしまうし、すでに口座から引き出されているといわれれば、早く返金してほしい、と願い、言いなりになってしまう。
 特殊詐欺の電話は初体験だった。幸い引っかからなかったが、敵もさる者、最後まで辛抱強く無用な説明をしていた。このあと、亀有署からも警視庁特殊犯罪対策課からも電話があった。むろん本物だった。
 翌日の朝刊に特殊犯罪の被害記事はなかった。新聞にとっては些細なことではあるが、個人的な体験としては、忘れられない出来事になり、いい経験である。

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