聖霊降臨後第15主日
「今週の祈り:主なる神さま。怒りの日の訪れる時、み恵みだけがわたしたちの望みです。わたしたちにきぼうの成就である終わりのいを絶え須待ち望ませ、ついには花婿、イエス・キリストの婚宴の喜びに与らせてください。御子、水イエス・キリストによって祈ります。」
〇聖霊降臨後第15主日説教 日笠山吉之牧師説教集(週報掲載説教要旨)
ルカによる福音書14:7-14
「誇る者は知れ」
イエスさまが、あるファリサイ派の議員の家に食事に招かれた時のことです。招待を受けた人々が上席を選ぶ様子を見て、言われました。「婚宴に招待されたら、上席に着いてはならない。あなたよりも身分の高い人が招かれており、あなたやその人を招いた人が来て、『この方に席を譲ってください』と言うかもしれない。そのとき、あなたは恥をかいて末席に着くことになる。招待を受けたら、むしろ末席に行って座りなさい。そうすると、あなたを招いた人が来て、『さあ、もっと上席に進んでください』と言うだろう。そのときは、同席の人みんなの前で面目を施すことになる。だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる」と。これは、謙譲の美徳という言葉のある日本では何の違和感もなくすんなりと理解できるような気がします。しかし、イエスさまは改めて私たちに謙譲の美徳を奨励するためにこの話をされたのでしょうか?
「高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる」という御言葉には、実は「神」という主語が隠されています。ですから、この御言葉はこの世における人間関係のことではなく、私たちと神さまとの関係の中で言われているのです。神の御前でうぬぼれ、己の力を過信し、あたかも神なしで自分は生きていける!と自負している罪人に対して、イエスさまはこのように話されたのです。旧約の預言者エレミヤも、次のような主の御言葉を取り次いでくれました。「知恵ある者は、その知恵を誇るな。力ある者は、その力を誇るな。富ある者は、その富を誇るな。むしろ、誇る者は、この事を誇るがよい、目覚めてわたしを知ることを」(エレミヤ9章22〜23節)。私たちは、自身が持っている何物をも誇ってはならないのです。なぜなら、それらはすべて神が私たちに賜物として与えてくださったものばかりだからです。
私たちが何も誇ることがないように、イエスさまは私たちが他者に対して何も見返りを求めずに与えること、受け入れること、仕えることを勧められます。ですから、たとえ私たちが誰かを招き入れる場合でも、お返しができない人をこそ招きなさい!と言われます。私たちの「誇り」と「誇り」の応酬からは、赦しと愛は生まれないからです。「宴会を催すときには、むしろ、貧しい人、体の不自由な人、足の不自由な人、目の見えない人を招きなさい。そうすれば、その人たちはお返しができないから、あなたは幸いだ。正しい者たちが復活するとき、あなたは報われる。」イエス・キリストの十字架を前にしては、なんのお返しもできない私たちです。そんな私たちを、主イエスは愛ゆえに受け入れ、ゆるし、愛してくださいました。そのキリストの愛さえ見失わなければ、自ずと私たちの他者に対する向き合い方も変わってくることを主は期待しておられるのです。
〇今日も心にしみる神さまの愛が、抵抗なく自然に私たちの心の傷を癒してくれました。私たちは今、恵まれた環境の中で、ほんとに恵まれた教会生活を送っていることを、全身全霊で感謝をしましょう。
〇9月4日(日)午前11時 聖霊降臨後第16主日
〇司式:野口和音神学生
〇説教:野口和音神学生
〇奏楽:滝田裕美姉
〇聖書朗読:蔵谷俊夫兄
〇礼拝当番:出口輝子姉
滝田裕美姉
〇聖書」申命記29:1-8・フェレモンの手紙1-25・ルカによる福音書14:25-33
〇讃美歌:175(1,3,4、)・412・367・
〇恵み野教会の宣教30周年記念礼拝がもたれます。礼拝からご参列を希望なさる方は恵み野教会のほうへお出かけください。新札幌では通常通りの礼拝があります。野口神学生の説教でビューの日なので、たくさんのひとでその門出を祝いたいとおもいます。
〇31日(水)9月2日(金)オープンチャーチがあります。どうぞご自由にご参加ください。