三位一体主日
〇新札幌礼拝堂のお庭にあるライラックです。いろんなカラーバリエーションがありますが
この薄紫色がもっともポピュラーでやさしい気持ちにさせてくれるように思います。
花言葉には「初恋」をイメージしたものが多いのは、太宰治の小説の影響でしょうか。いや
いや、太宰よりライラックの方が、きっとずーっと古い昔から根付いていたのでしょうから、
太宰の小説がこのライラックからインスピレーションをもらったに違いありません。
「愛の芽生え」「初恋の感動」「無邪気」などなど・・・この季節にふさわしい花言葉がたくさん
あります。お花を活けた人・NAさん。
〇今日は特にプログラムのない週なので、コーヒーとお菓子で楽しいおしゃべりタイムの日
です。今日の礼拝には近隣の高校生が17名も出席して、珍しく讃美歌も大きな声で歌って
くれて力強い礼拝でした。残念なことに今日は聖餐式のない主日でしたが、この高校生み
んなに神さまの祝福が出来たらいいのになぁ・・と思いました。
〇誰からともなく、讃美歌を歌いたいねぇ・・ということになって、急遽、讃美の時間となりま
した。リクエストに応じて3曲歌いました。こんなに明るく暖かい春の日に、決められたプロ
グラムに従ってというのではなく、みんなの気持ちが一つに纏まって讃美の時間をもつ。
あぁ・・素敵だな・・と心の底から嬉しいひと時を過ごしました。
5月30日 三位一体主日礼拝説教 岡田薫牧師(週報掲載の説教要旨)
使徒言行録を読んでいくと、約束の聖霊を受けた弟子たちが戸惑いながらも、聖霊の導き
によって福音宣教に携わっている姿を見ることができます。
しかし、彼らの働きが広がれば広がるほど、また信じる者たちが増えるに従って教会の中
に新たな問題が起こり始めます。
それは、ヘブライ語を話す人々(ヘブライオイ)と、ギリシャ語を話す人々(ヘレニスタイ)の
宗教的あるいは文化的背景の違いによる摩擦でもありました。
使徒たちは、エルサレムに集まって話し合い、問題解決を図っています。次第に迫害も起
こり、初代教会は厳しい時代を迎えることになります。
公に信仰を表明することができない時代には、暗号をもって互いに信仰を現していたらしい
のですが、その代表的なものが魚のマークです。
迫害のない時代に生まれた私たちは、礼拝の中で使徒信条あるいはニケア信条を用いて
当たり前のように信仰告白をしています。しかし、これらの信仰告白文や、ここに記されて
いる三位一体の教理は、教会の歴史の中から生み出された財産なのです。
「三位一体」という言葉は、聖書のどこを捜しても見当たりません。なぜなら、父、御子、聖
霊なる神という三位一体の教理が確定したのが、325年のニケや公会議の時だからです。
この唯一の神は、父、御子、聖霊という三つの言葉で表されても一体ですという信仰告白
は長い間キリスト教の土壌であったユダヤ教との決別を決定的なものにしました。しかし、
見方を変えれば、文化的にも宗教的にも違う背景を持っていたとしても、信仰によって誰も
が一致することができる、ということを明確にしたと思います。
福音の日課において主は「真理の霊」は、自ら語るのではなく、「聞いたことを語り、また、
これから起こることをあなたがたに告げる」と言われています。つまり聖霊は、常に私たち
の周囲で、また内に働き続けてくださっているのです。
この真理の霊の導きによって、私たちは主イエスと出会い教会に連なる者とされました。
信仰という恵みのバトンを渡された私たちは、しっかりと次へと繋いでいきましょう。