HAPPY MERRY CHRISTMAS♪
イヴいかがお過ごしでしたでしょうか?
クリスマスまで来ると年内残り一週間。
映画「恋人たち」観てきました。
平日の昼間、いつも空いてる映画館が満席でした。
都内でも観れる劇場が限られてるし
ミニシアター系映画のランキングで首位だったりと
話題になっている映画だからね。
橋口亮輔監督の作品。
普段、あまりミニシアター系の映画って観に行かないし
樋口監督のファンというわけでもないんだけど
上映開始前に取り上げられてた番組でこの作品を知って
観に行きたいなって思ってて
チケプレゼントしていただきました☆
ありがとうございます(^^♪
ネタバレあり。
「恋人たち」っていうタイトルだけど
甘い恋愛話ではなくて、静かな人間ドラマ。
誰もが苦しみや痛みを感じ
消せない過去を背負い生きていく。
そういうのって表からは見えないモノも多くて
本人にしかわからない傷がある。
抜け出したいけどその突破口が見つからなくて
もがき苦しみ、それでもその日その日をなんとか生きていく。
傍から見たら、
それは甘えているだけなのかもしれない、
努力が足りないのかもしれない。
でもその感覚は本人にしかわからない。
みんな違うから。
感じ方も、進み方も、その速度も。
殻に閉じこもって、自分を消そうとする中で
そっとその傷に寄り添ってくれる優しさ。
3年前に通り魔に奥さんを殺された主人公。
犯人は裁判の結果、病院送りになってしまう。
弁護士に裁判を起こしたいと相談するが取り入ってもらえない。
犯人を「殺したい」という主人公に
「殺しちゃダメだよ、
だって殺しちゃったらこうやって話しできなくなる」
「僕はもっと君と話がしたいんだ」
って職場の先輩が言葉をかけてくれる。
1人でも
その痛みを知ろうとしてくれる人、
寄り添ってくれる人がいれば、進んでいけるんだよね。
「美味しいものを食べて、笑ってれば
それだけでなんとか生きていけるもんだよ」
っていう最後のセリフもすっごく好き。
生きづらい世の中なのかもしれないね。
オリンピックの話題も出てくるけど、主人公は
「こんな国でオリンピックなんてしてなんの意味があるんだ」
みたいなセリフがある。
こんな自分をも助けてくれない、こんな国、それが日本。
もう一人の女性の主人公は
どこにでもいるような主婦で
まんねりなその日々を抜け出す甘い誘惑がやってくる。
男の人に女性扱いされたことを喜び
新しい仕事を始めたいから一緒に来ないか?と誘われる。
いくら出せる?と。
外から見れば明らかに騙されているその誘惑も
きっと本人にしたら「この生活」を抜け出す新しい道で
きっとキラキラな未来に見えるんだろうな。
家を出てその男のもとへ行くんだけど
結局は男の正体に気づき、元の生活に戻っていく。
パートへ行って、お姑さんの面倒を見て
家事をして、夫の帰りを待つ。
大きな変化もない、普通な毎日へ。
もう一人の主人公は同性愛者の男性弁護士。
最初にその弁護士さんの元へ相談へやってくる
女子アナ役を私の大好きな女優さん、内田慈さんが演じている。
今年は「エッグ」でもちかさんを観られたし
ドラマにも何本か出られていたり
最近だとWOWOWのドラマ「5人のジュンコ」とか
とても魅力的な役をやられている女優さんです。
物語の最初と最後に相談へやってくるんだけど
その間の映像では出ていない時間の流れの中で、
彼女の考え方が180度変わった姿が描かれている。
その姿に弁護士も気持ちが動かされていく。
特別なものを取り上げたというよりは
どこにでもあるような
人々の日常を切り取ったような物語。
それだけなはずなのに、観ていてツライ場面もあったりして
人が生きていくっていう事は、それだけでそれがドラマなんだなって。
「それでも人は生きていく」
というキャッチコピーが付けられているけど
まさに、そのままだった。
映画好きな方たちが今年見た名作に
この作品を挙げている人が多くて
この、観終わってからジンワリとやってくる感情。
そして、映画館を出てから思わず青空を見上げてしまう。
色んなものをすべて背負って
辛くても、未来が見えなくても
それでも「生きていこう」っていう
それを青空が後押ししてくれるような。
沢山の人に見て欲しい作品だなって思いました。
メインキャストに有名な役者さんを使わずに
無名の役者さんを使っているのもすっごく良かった。
先入観なく見れたから。
上映館は少なめですが
公開から1カ月、話題になっていることもあって
年内は上演続行みたい。
年明けも少ない館数でも上演が続いてくれたらいいな。
年内最後に良い作品に出会えました。
恋人たち
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