風の澪

春から夏、そして秋、冬。
時の流れと共に気の向くままに綴られる、ひとつのブログ

misty night

2008-05-26 00:23:38 | 道端風景録


それは、金曜日の帰りのこと。

バスに乗って、しばらく行くと
対向車のヘッドライトが筋になって浮かび上がって見えてきた。

化学的にはチンダル現象と言う。
人の名前らしいけど、なんて情緒のない言葉。
個人的には幼き日に覚えたチンタオサウルスが一緒に出てくるのもいけない。
最初の3文字しかあってないけど。

霧、靄、霞と言うべし。
日本の言葉は綺麗なのだ。

家に近付くに従って、霧は深くなり、不思議な気分。どこか知らない場所に連れて行かれそうな感覚。
バスを降り、バスを見送るとあっという間に見えなくなった。
面白かったので、ちょっと遠回りして帰った。
よく撮る、夜が綺麗なあの建物を目当てに。

がしかし、こういう日に限ってライトは灯っていなかったりする。
むしろ、真っ暗闇で怖いくらいだったので諦めて帰ってきた。




次の日ある人が、その夜のことを「停電かと思ったら霧だった」と言っていた。
彼はマンション住まいである。家に帰って窓の外を見下ろしたら街並みの灯りが見えなかった、とのこと。
あの夜はそれだけ深い霧が降っていた。

それで、この記事のタイトルはmisty nightになった。
押尾コータローさんに同名の曲があって、そのライナーノーツと彼の見た景色のイメージが同じだった。
あんな夜から生まれた曲があるということだ。


それは、静かで幻想的な夜のこと・・・


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