コピーライターを目指す人の日記

言葉と、人と、文章を書くことが、僕はきっと好きです。

写真家と批判の話

2014-06-16 22:49:04 | 日記
その時に僕は「書きたくない」と言った。
当然のように先生に怒られた。



高校生の頃にあったことある出来事を思い出した。
鮮明に覚えているわけじゃないけれど、
確か「総合的な学習」の時間だった気がする。

ある写真の載ったプリントが配られた。

戦地か、どこか。
栄養失調でやせ細った子供。
そして、その後ろにその子を狙うカラス。

衝撃的な写真だった。

その写真は世界中に知れ渡り、大々的な賞を受賞した。
けれど、その写真を撮った写真家を批判する人たちがいた。
「写真なんか撮る暇があるのなら子供を助けろ。」と。
世界中からその糾弾を受けた写真家は自殺した。

僕ら生徒に出された課題は
それについて意見を述べよ、とか、
確かそんな感じだった。

僕は書く気になれなかった。
結局、書けないままに「総合的な学習」の時間は終わった。
時間内に書けなかった人は後日提出するように、
ということだった。

僕はずっと書かなかった。
すると、担任の女の先生が
「あんた、早く出しなさい。」と言った。
当時、生意気だった僕は「書きたくない。」と言った。
当然のように先生に怒られた。


当時感じたことを
今はっきりと思い出せる。

僕は写真家も、批判した人たちも
批判するつもりはない。

ただ、批判した人たちは
クーラーの効いた部屋で、手紙だか、メールだか、電話だかで、
写真家本人だか、テレビ局だか、新聞社に自分の思いを伝えたんだろう。
そしてその直後には、
お腹いっぱいのご飯を食べ、酒を飲み、性行為にでも励み、
ふかふかの布団で安らかな眠りについた人も大勢いるだろう。

なんなんだよ、それは。

そう考えると何も書く気になれなかった。
批判した人を批判する文章すら書きたくなかった。

その時だって、今だって、
僕は毎日お腹いっぱいのご飯を食べて、
ふかふかの布団で眠っているから。


人を批判する時、
自分の「気持ちよさ」のために批判していないか、
ちゃんと考えるべきだと、
僕は改めて、そう思う。


明日の座右の銘は
「自分の気持ちよさのために批判してはいけません」。

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