藤枝宇宙開発事業団ブログ出張所

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屋代線廃線に関して

2011-02-05 17:08:18 | 日常
http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=608176
いすみ鉄道社長様のブログより

「乗って残そう」で残った試しはないと屋代線についてなかなか的確かつ辛口のご意見をなさっております。

かつての第3セクター転換問題では「乗車密度」なる指数により「一定ライン以下の路線は廃止か3セク転換」という指標があってそれ以外の要素は見られてませんでしたから「乗車実績」を稼ぐ「乗って残そう」は意味がありました。
とにかく「乗りさえすればよい」「乗らなければ意味がない」のですから

が、その後の第3セクターや今回のような民鉄の廃線問題では指標が違います。

「経営が成り立つかどうか」

それが指標となります。


と、なると損益計算書的な見方をするならば方法は
・売上を増やす
・コストを下げる
・営業外利益を増やす
・特別利益を増やす

営業外損失および特別損失については除外しますが、コストについては相当特殊な路線でもなければ「廃線」が話題になる前に削りつくしてしまうのが大半でしょう。
なにより利益が出なければコストを削減しても限界があります。


そこで「乗って残そう」はダイレクトに売り上げ増にはなりますが、鉄道の特殊性として線路がある方向への移動は(少なくとも鉄道同士では)他社の参入を阻める反面(高額な投資をして並行路線を作らない限り独占できるわけです)路線のある方向以外の需要を取り込むことが出来ないという難点があります。

屋代線しかり現在の人口流動に沿っていない路線だと「乗って残そう」といっても「必要もないのに電車にのってあさっての方向へ行こう」なんてしたがる人は廃線狙いのヲタ以外はそうそう出ません。


と、なると方向としては
・利益の出る副業で稼いで赤字を埋める
・営業外利益、特別利益などのイレギュラーでとにかく利益を出す

と、なります。
経営としては極めていびつな方法ではありますが、廃線が取りざたされる路線への即効薬としては有効になります

銚子電鉄の濡れ煎餅などが好例で、「乗って残そう」では不可能な利益を全国マーケットの通販による「濡れ煎餅」で稼ぎ出して廃線の危機を脱しました。


ただ、この手の問題は利益を出すのが難しいことと、もうひとつ

・副業で利益でてるならなぜ赤字の鉄道部門を維持しなければいけないの?

の問いにぶち当たることがあります。


結局ちょっとした改善で乗客が大幅に増えるようなアイデアでもある路線でない限りはいすみ鉄道の社長が言うごとく
「乗らないけど残したい」
という熱意がないとどんな努力も水泡に帰すしかないのかもしれません。