社会保険労務士酒井嘉孝ブログ

東京都武蔵野市で社労士事務所を開業している酒井嘉孝のブログです。
(ブログの内容は書かれた時点のものとご理解ください)

自由診療と保険診療

2018年09月16日 12時31分53秒 | 社会保険・労働保険
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

健康保険証をたまたま持って出ていない時や、会社を転職したばかりで健康保険証がまだ手許に届いていないというタイミングで医療機関にかからなくてはならなくなったという場合、医療機関では健康保険証を持っていない場合の医療費の請求がされます。
この場合、「自由診療」と「保険診療による10割負担」という二つの選択肢があります。

たまに健康保険証を持っていないと全て「自由診療」になる、あるいは前述の「保険診療による10割負担」を自由診療と同じ意味と勘違いがいらっしゃいますが、その時たまたま健康保険証を持っていないからという理由で自由診療としてしまうとたいへんな負担になることがあるので注意が必要です。

自由診療はその医療機関が文字通り自由に診療方針を決めて自由に処置、投薬を行うものです。従って乱暴に言ってしまえばいくら請求しても医療機関の自由になります。

一方保険診療による10割負担は健康保険に入っていることを前提に本来自己負担3割であるところを健康保険証を見せられないことを理由に7割部分も自己負担しておくというものです。
保険診療では病気や怪我の内容によって治療内容や投薬できるものも決まっているので医療機関の自由になんでもできるというものではありません。

もともと健康保険証を持っていて、あるいは近々健康保険証を受け取れる場合は健康保険の被保険者ですので「保険診療」を本来受けられる方となります。
したがって「保険診療で受診する」ことを伝えなくてはなりません。
たまに「健康保険証を見せないと自由診療になる」と思っている方がいますがそれは厳密には間違いになります。
保険診療で10割負担した場合、健康保険組合へ療養費の請求を行えば、7割部分はかえってきます。

ただ、健康保険証を持っていないという一つをもってして何も確認せずに保険診療ではなく自由診療とする医療機関もそうないでしょうからゴリゴリ言うことはないと思いますが
あまり自由診療という言葉を医療機関で遣わない方が良いかと思います。