Bread of Life

ディボーションタイムを助ける聖書講解

逆説の神学No2「暗く考えるのは悪いことか」

2019-11-11 13:45:25 | Weblog
クリスチャンは物事を暗く考えないようにしましょうと勧められてきたと思います。
「暗く考えることはよくない」という前提があるからです。
ところが聖書はむしろ徹底的に人生を暗く考えることを勧めている節があります。
たとえば人間の死についても「どうぞ天国で安らかにお休みください」と安易な楽観主義ではなく「人が死ぬことと神のまえでさばかれることは定められている」と教え黙示録では最後の審判で永遠の御国と永遠の裁きのどちらかに定められると警告しています。
その事実に向き合い生きている間に永遠に備えるよう強く勧めているのです。
漫画作家の里中満智子さんは小学生のころから物事を暗く、くらく考えてしまう子供だったそうです。
学校帰りに友達と別れるとき「さようなら」というと本当に永久に会えないかもしれないと恐ろしくなるので「また、あしたね」と声がけしないではおれなかったそうです。
彼女は一晩で人が亡くなってしまうことがありうると知っていたのです。
明くる日おともだちと顔を合わせたとき「お友達も自分も元気で生きている」と思うと、とても幸せな気分になったのです。
彼女は「私は暗く考えるのもそんなに悪くない、むしろ徹底的に暗く考え抜くならそこから光に向かうことが出来るのではないか」と思えるようになったと語ります。
 もし死後、闇と光とどちらかにいくのなら、光の国に行けるよう、偽りや報復心などの心の暗闇を留めないように今日を終わろうと心がけてきたと語られていました。
将来の不安と向き合うのはある意味でとても恐ろしいことでが、それを回避し続けるなら本当の希望は育たないでしょう。
貴方が暗くなりがちなら、むしろそれも神の恵みであると受け止め、心を暗くする不安に勇気をもってつきあいそれ以上は暗くなりようがないという地点に到着したなら案外現実はそれほど暗くないことが多いので、一息入れて揺るぎない光にむかう階段をゆっくり登り始めることができるのです。
その足どりを主イエスは貴方の手をとって助けてくださるからです。

●あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている。(ヨハ16:33)

しばし苦痛を覚えても自分の弱さ不安に徹底的につき合い主の名を呼んで一つずつ暗闇を取り除いていただくなら揺るぎない希望を生きる事が出来るのではないでしょうか。