写真を撮りに自然の多い公園とか山、川の土手などを歩いていると、心琴に触れる光景に出会うことがある。
自分の場合、その中でも共通して出てくるキーワードがある。それは小道だ。森や林の中では小径と書くかもしれない。
中学か高校の頃、市内の画廊で絵を買ったことがある。本当の絵ではなくレプリカだ。数ヶ月の小遣いを貯めて買った。縦80cm、横70cm位の大きさの額縁に入っていた。
絵の内容は確か左側に白樺のような木のある林があり、その林に沿って両脇が草に覆われた道がある。そのほとりには小川が流れている。ヨーロッパの田舎を描いたような風景画だ。画家の名前や絵のタイトルも覚えていない。
その絵も上京の時にはわざわざ東京に持ってきて、部屋に飾っていた。しかし、引越しを繰り返すうちに捨ててしまったようだ。
その絵を買った時、見た瞬間は懐かしさを感じた。10代半ば過ぎまで田舎に住んでいて、そのような光景に目が止まるということはどういう事なのだろうか。
この写真は水元公園で、いつの季節も歩いている場所だ。葦の緑が林に続く一本の道を際立たせ、雲もなくどこまでも天高い青い空が遠い昔の夏の日を思い出させてくれた。
頭には麦わら帽子をかぶり、しゃつはランニングシャツ。網と虫かごを持って蝉捕りをした小学校時代の夏休みを連想したのかもしれない。
写真とは面白い。撮っている時に感動する光景もあれば、現像してみて感動する場面もある。この写真は両方だ。じっと見ていても飽きない写真。光景、情景。カメラを持って歩きまわるからこそ出会える感動だ。
僕も去年の冬に初めてこの公園にいってから毎月のように通ってますが、もっと早くこの公園と出会ったならもっと違った人生送っていたんじゃないかなぁと思ったりしてます