愛犬耳袋

 コーギー犬・アーサーとの生活と喜怒哀楽

猫はたき

2006年08月29日 | 仔猫
俗に猫も食べない不味いものを「猫またぎ」と言うが、我が家では「猫はたき」もある。

正確には「猫はたき落とし」だが、本棚に入った猫が邪魔な本を叩き落とす行為を指す。
猫またぎの例にならうと、叩き落とされた本はかなり面白くないだろうと拾ってタイトルを調べてみた。

・三谷幸喜「オンリー・ミー ―私だけを 」
・群よう子「小美代姐さん花乱万丈」

かなり笑いのハードルの高い仔猫たちだ。しかも両氏とも愛猫家で知られているというのに。
まあ実際には薄くて手頃な文庫サイズだったから落とし易かったのだろうと思っていたら

・ハローページ(薄型)
・携帯電話取扱説明書

こんなものまではたき落としていた。
こんなでかいものと、厚いものを。やっぱりつまらないものを狙っているのか?
携帯の取説なんか、熱心に読むのは機種変更して帰る電車の中15分ぐらいのものだ。
この取説は妙に気に入ったのか、落としたあとお尻に敷いて寝たり、あごを乗せて枕にしたりと、便利に使っていた。
てことは、気に入ったのか? どっちやねん。


さて話は前後するが、今朝愛犬の散歩がてら、仔猫たちを保護した河川敷にいってきた。
里親決定の報告墓参りのためである。
もともと仔猫たちは4匹兄妹。保護した時、既に2匹は息絶えており、その子たちは発見場所の近くに埋葬した。
元々愛犬の散歩コースであることから、時おり通りかかってはちょっと瞑目したりしてきたが、今日はちゃんと手をあわせようと思ったのである。
埋葬場所は、保護から3週間の間に夏草がビッシリと生茂り、どこがそこかも分からないほど草深くなっていた。
仔猫たちの体は土に還り、そして新しい命を産んでいく。小さな体はこうして生命の輪の中にとけ込んでいくのか。
体だけでなく魂も、もし出来るなら、幸せな生涯が送れる場所へ生まれ変わってほしい。生き延びた兄妹は、君たちの分まで幸せにするから。
目を閉じそっと手をあわせながら、そんなことを考える。

しばしの瞑目の後、目をあけて
「行こうか」
と傍らの愛犬を振り返ると、犬は夏草をモシャモシャと食っていた。
お前が食うな!