MIYAGI VILLAGE

夏は雷、冬はからっ風、人は義理人情を重んじる・・・。

李香蘭

2007-02-11 22:34:38 | 政治・経済
今、テレ東で、李香蘭のドラマやってますね。

夏に満州を訪れた自分としては注目せざるをえない内容です。

李香蘭は、本名を山口淑子さんといい、撫順・奉天で育った、中国出身の日本人です。満州映画協会にスカウトされた後、歌手・女優としてデビューし、日中両国で多大な人気を集めました。戦後は一転して、漢奸として国民党によって処刑されそうになりますが、ロシア人の幼馴染リューバの手助けにより無罪放免となり日本へ帰国します。その後、再び女優として活躍し、結婚後はジャーナリスト、政治家へと転身、マルチな活躍を遂げました。ちなみに、現在87歳。歴史の生き証人として今はひっそりと暮らしておられるようです。

人々が、当時の満州を考えていく大きなきっかけとなればいいと思っています。このドラマは李香蘭の自伝をもとにつくられていることなどから事実性がかなり高いものなので、かなり参考になると思います。

俺も、満州国の掲げた、五族協和・王道楽土とは何だったのか、再び考えざるをえません。わずかに60年前の東アジアで何があったのか、現代を生きる人々はきちんと理解しなければならないと思います。歴史は語り継がなければいつかは風化する、そうならないために私たちができるのは歴史を考え語り継ぐこと、これを俺はやっていきたい。

李香蘭は戦後も華々しく生きましたが、甘粕正彦は敗戦後に服毒自殺し、川島芳子は国民党の手によって銃殺され、多くの満州国に関係した人々が処刑されました。戦前は日本が統治していた台湾においては、国民党の圧政にデモを行った本省人が大量に虐殺されています。多くの不要な犠牲の上に現代の社会は成り立っていることを思うと、悲しくなってきます。

満州、特に長春へはまた訪れたいと思っています。

あれほど歴史の重圧を感じた場所もなかったですから。
自分がそう遠くない当事者であるがゆえに、双肩にかかる重さはすごかったです。

今後もそういった場所に出会うことはあまりないと思います。

今度、台湾を訪れる予定ですが、そこでも、歴史の残り香に触れられればと思っています。

(上の写真は李香蘭や森繁久弥が所属し、甘粕正彦が服毒自殺した部屋の残る旧・満映)



(李香蘭がリサイタルを行った奉天ヤマトホテルには実際に宿泊した)


(多くの日本人が住んだ大連駅前の旧市街は今もその姿をとどめる)

最新の画像もっと見る