以前、このブログで今回の選挙に対する感想を書くみたいなことを書いたけど、ここまで実行せずじまいでした・・・。選挙の結果は、自民党が296議席を獲得し、歴史的な大勝利を収めましたが、果たしてここから何を学び取るべきなのか、いろいろと考えてみたいと思います。
今回の選挙は従来の選挙の概念を打ち破る政策選挙という新しい形、郵政民営化に賛成なのか、反対なのかを問う国民選挙であったと思います。俺は、衆議院が解散されたときに行われた小泉さんの記者会見のテレビ中継を食い入るように見ていた、あの8月8日夜のことを思い出します。
「郵政民営化法案は参議院で否決された。しかし、私は国民は本当はどう思っているのかを聞いてみたい。この解散は、郵政民営化に賛成なのか、反対なのか、郵政民意化の是非を問う郵政解散である。」
あの会見の骨子はこのようなものであったと思います。参議院で郵政民営化法案が廃案となり、衆議院が解散され、この会見が直後に行われたのですが、俺はもうこの日の時点で潮の流れはほぼ決まってしまっていたのではないかと思っています。この日の前まで、郵政民営化反対派は参議院での否決に絶対の自信を持っていましたし、解散はないとまで言い切っていました。彼らはあの日まで郵政民営化法案を否決させることしか考えていなかったのだと思います。解散の後のヴィジョンなどまったく持っていなかった。すぐに地元に帰り、選挙活動を急ピッチで行った議員はまだよいものの、解散前のムードを完全に引きずり続けてしまった、例えば小林興起議員などは悠々と連日のテレビ出演を続けているほどでした。おそらく刺客が送られてくることなどまったく考えていなかったのでしょう。選挙まで1ヶ月もない、自民党の公認は受けられず、お金もない、どうやって戦えばいいのか、解散から数日経ち、彼らは明らかに焦り始めていました。
そして考えた急ごしらえの新党結成。国民新党と新党日本は解散前から準備していた新党などではなくご都合で作られた所詮はハリボテです。この二つの政党にカラーなどなく、結局は政党は作ったものの候補者個人ごとの戦いに帰着してしまい、まったく無意味なものに過ぎませんでした。国民新党のマニフェストは最初は「打倒小泉政権」としか書いてありませんでしたし、酷いものです。解散前はまとまっていた反対派も選挙では結局は無所属状態で個人個人の力で戦わざるをえなくなり、あえなく半数の候補は落選してしまう結果となりました。こうなることを予期していたのかどうかは分かりませんが、解散直後から地元の選挙区にこもり自分の選挙活動に専念した亀井静香はやはり強いですね。国民新党の代表にならなかったのも正解でした。綿貫さんは郵政以外はろくに政治理論を持っていないのにテレビ番組に出され続け、醜態をさらすのみで、ひどいものでした。
民主党に関しては今回の選挙で躍進するチャンスは大いにあったと思います。解散の時点で、俺は自民が勝つだろうとは思いましたが、民主党のやり方次第ではわからないと思っていました。ずばり、郵政反対の自民候補がいる選挙区での刺客と反対派の食いつぶしが起これば、民主は漁夫の利を得て躍進することが可能だったと思うからです。しかし、民主は郵政民営化に対する具体的な考えが党内でまとまっていなかったことが最後まで響いてしましました。今回の選挙が完全に郵政選挙になってしまったことは民主の誤算でしょう。
これについてはマスコミにも大きな責任があります。マスコミの世論調査では、今回の選挙で国民が焦点にして欲しいことの1位は年金問題であり、少子化対策でした。しかし、実際には違っていました。国民は年金・少子化を訴える民主党ではなく郵政一本の自民党を選択しました。民主は最後までマスコミにだまされ続けていたといえます。もっと郵政を語れる政党であったなら民主躍進は大いにありえました。選挙の焦点を見誤り、さらに最後まで執行部が国民の声に気づけなかったことにより、民主は自滅してしまいました。
(ちなみに、地方でうまく漁夫の利を得て勝った選挙区は4つだけです。)
結局のところ、国民はあくまで郵政民営化に賛成なのか、反対なのか、という小泉さんの質問に答えることをこの選挙の主点においていたということになりました。やはりあの記者会見にみられるような小泉首相の強い決意が民意を後押ししたといえるでしょう。1994年に小選挙区比例代表並立制が導入されてから10年が経ちますが、今回の選挙までは、あくまで政党を選ぶ選挙で、本当の意味での政策を選ぶ選挙ではなかったと思います。今回は焦点となる政策が郵政民営化とはっきりと国民に示され、国民が政策を選んで投票する初めての政策選挙でした。
しかし、この結果が、郵政民営化に国民が賛成であることをストレートに表しているかどうかといえば必ずしもそうではないと思います。俺は今回の選挙にはまだまだ不満足な点があります。確かに政策選挙ではあったけれども、はたして国民は郵政民営化の中身を知っているのか、これはかなりの疑問です。俺も含め、多数の国民は郵政民営化が行われたら私たちの生活はどうなるのか、ということを正確には知りません。次回の選挙では政党は、自身のマニフェストを作り、政策を訴えていることでだけで満足せずに、国民への伝達性、これを重視して、よりよい政策選挙にしてもらいたいと思います。
9・11選挙の話題に関してはこの後も機会があったらまた取り上げようと思います。以下にデータを示しておきます。
自民:296 (←212)小選挙区219 比例77
民主:113 (←177)小選挙区 52 比例61
公明: 31 (← 34)小選挙区 8 比例23
共産: 9 (← 9)小選挙区 0 比例 9
社民: 7 (← 5)小選挙区 1 比例 6
国民: 4 (← 4)小選挙区 2 比例 2
日本: 1 (← 3)小選挙区 0 比例 1
諸派: 1 (← 1)小選挙区 0 比例 1
無所属:18 (← 32)小選挙区 18 比例 ‐
※蛇足になりますが、小選挙区では負けた民主も比例ではかなりの票を集めています。国民が自民へのブレーキをかけていることが、比例で社民が解散以前より議席を伸ばしたことなどから見てとれます。このことは次回以降の選挙に向けて、実は大きなポイントになると俺は考えています。
今回の選挙は従来の選挙の概念を打ち破る政策選挙という新しい形、郵政民営化に賛成なのか、反対なのかを問う国民選挙であったと思います。俺は、衆議院が解散されたときに行われた小泉さんの記者会見のテレビ中継を食い入るように見ていた、あの8月8日夜のことを思い出します。
「郵政民営化法案は参議院で否決された。しかし、私は国民は本当はどう思っているのかを聞いてみたい。この解散は、郵政民営化に賛成なのか、反対なのか、郵政民意化の是非を問う郵政解散である。」
あの会見の骨子はこのようなものであったと思います。参議院で郵政民営化法案が廃案となり、衆議院が解散され、この会見が直後に行われたのですが、俺はもうこの日の時点で潮の流れはほぼ決まってしまっていたのではないかと思っています。この日の前まで、郵政民営化反対派は参議院での否決に絶対の自信を持っていましたし、解散はないとまで言い切っていました。彼らはあの日まで郵政民営化法案を否決させることしか考えていなかったのだと思います。解散の後のヴィジョンなどまったく持っていなかった。すぐに地元に帰り、選挙活動を急ピッチで行った議員はまだよいものの、解散前のムードを完全に引きずり続けてしまった、例えば小林興起議員などは悠々と連日のテレビ出演を続けているほどでした。おそらく刺客が送られてくることなどまったく考えていなかったのでしょう。選挙まで1ヶ月もない、自民党の公認は受けられず、お金もない、どうやって戦えばいいのか、解散から数日経ち、彼らは明らかに焦り始めていました。
そして考えた急ごしらえの新党結成。国民新党と新党日本は解散前から準備していた新党などではなくご都合で作られた所詮はハリボテです。この二つの政党にカラーなどなく、結局は政党は作ったものの候補者個人ごとの戦いに帰着してしまい、まったく無意味なものに過ぎませんでした。国民新党のマニフェストは最初は「打倒小泉政権」としか書いてありませんでしたし、酷いものです。解散前はまとまっていた反対派も選挙では結局は無所属状態で個人個人の力で戦わざるをえなくなり、あえなく半数の候補は落選してしまう結果となりました。こうなることを予期していたのかどうかは分かりませんが、解散直後から地元の選挙区にこもり自分の選挙活動に専念した亀井静香はやはり強いですね。国民新党の代表にならなかったのも正解でした。綿貫さんは郵政以外はろくに政治理論を持っていないのにテレビ番組に出され続け、醜態をさらすのみで、ひどいものでした。
民主党に関しては今回の選挙で躍進するチャンスは大いにあったと思います。解散の時点で、俺は自民が勝つだろうとは思いましたが、民主党のやり方次第ではわからないと思っていました。ずばり、郵政反対の自民候補がいる選挙区での刺客と反対派の食いつぶしが起これば、民主は漁夫の利を得て躍進することが可能だったと思うからです。しかし、民主は郵政民営化に対する具体的な考えが党内でまとまっていなかったことが最後まで響いてしましました。今回の選挙が完全に郵政選挙になってしまったことは民主の誤算でしょう。
これについてはマスコミにも大きな責任があります。マスコミの世論調査では、今回の選挙で国民が焦点にして欲しいことの1位は年金問題であり、少子化対策でした。しかし、実際には違っていました。国民は年金・少子化を訴える民主党ではなく郵政一本の自民党を選択しました。民主は最後までマスコミにだまされ続けていたといえます。もっと郵政を語れる政党であったなら民主躍進は大いにありえました。選挙の焦点を見誤り、さらに最後まで執行部が国民の声に気づけなかったことにより、民主は自滅してしまいました。
(ちなみに、地方でうまく漁夫の利を得て勝った選挙区は4つだけです。)
結局のところ、国民はあくまで郵政民営化に賛成なのか、反対なのか、という小泉さんの質問に答えることをこの選挙の主点においていたということになりました。やはりあの記者会見にみられるような小泉首相の強い決意が民意を後押ししたといえるでしょう。1994年に小選挙区比例代表並立制が導入されてから10年が経ちますが、今回の選挙までは、あくまで政党を選ぶ選挙で、本当の意味での政策を選ぶ選挙ではなかったと思います。今回は焦点となる政策が郵政民営化とはっきりと国民に示され、国民が政策を選んで投票する初めての政策選挙でした。
しかし、この結果が、郵政民営化に国民が賛成であることをストレートに表しているかどうかといえば必ずしもそうではないと思います。俺は今回の選挙にはまだまだ不満足な点があります。確かに政策選挙ではあったけれども、はたして国民は郵政民営化の中身を知っているのか、これはかなりの疑問です。俺も含め、多数の国民は郵政民営化が行われたら私たちの生活はどうなるのか、ということを正確には知りません。次回の選挙では政党は、自身のマニフェストを作り、政策を訴えていることでだけで満足せずに、国民への伝達性、これを重視して、よりよい政策選挙にしてもらいたいと思います。
9・11選挙の話題に関してはこの後も機会があったらまた取り上げようと思います。以下にデータを示しておきます。
自民:296 (←212)小選挙区219 比例77
民主:113 (←177)小選挙区 52 比例61
公明: 31 (← 34)小選挙区 8 比例23
共産: 9 (← 9)小選挙区 0 比例 9
社民: 7 (← 5)小選挙区 1 比例 6
国民: 4 (← 4)小選挙区 2 比例 2
日本: 1 (← 3)小選挙区 0 比例 1
諸派: 1 (← 1)小選挙区 0 比例 1
無所属:18 (← 32)小選挙区 18 比例 ‐
※蛇足になりますが、小選挙区では負けた民主も比例ではかなりの票を集めています。国民が自民へのブレーキをかけていることが、比例で社民が解散以前より議席を伸ばしたことなどから見てとれます。このことは次回以降の選挙に向けて、実は大きなポイントになると俺は考えています。