坂本 龍一の「音楽は自由にする」と「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」を読みました。考えてみると、YMOやForbidden colorsでとても感動をもらい、音楽図鑑あたりまではとてもよく聞いていたのですが、その後あまり聞かなくなって、「ラストエンペラー」でアカデミー賞をとった時には、ああすごいなあという程度でしたが、今思うと改めて龍一さんには影響を受けてきたなあと思います。
それが昨年3月28日亡くなられた。それに先立つて、YMOのメンバーでもある髙橋幸宏も亡くなった。今改めて喪失の深さを感じています。2023年はそういう年でした。
後述筆記したものながらこうやって自伝を読んでみると、知らなかったことやぼんやりとしか知らなかったことを知ることができました。反原発や東北震災からの復興にこれほどまでに取り組んでいたことも全く知りませんでした。
ベルトルッチとの出会いが彼の人生を変えたのだなあということもよく理解していませんでしたし、本当に世界中の色々な方と交流し、愛されたのだなと本を読んで龍一さんを改めて誇りに思いました。
彼が気にいった若手のミュージシャンたちにも触れていて、Spotifyで追っかけて聞いているだけで楽しいですね。例えば、Se So Neonとか私も気に入りました。
Spotifyといえば、龍一さんがNew Yorkで行きつけのレストランKajitusのBGMのリスト(The Kajitsu Playlist by Ruichi Sakamoto 6 NYTimes)も載せていて、興味深いです。料理は美味しいのにBGMが彼に言わせると「トランプタワーなみ」の酷さだということで、お節介で作ってしまったらしいのです。こちらは珠玉のambient musicであるように思います。これがNew York Timesで取り上げられて、一時話題になったそうなのです。
また、龍一さんは浅田彰、柄谷行人などと行った現代哲学にも通じておられるのが何故かと思っていたのですが、これはお父様が河出書房の編集者だったということで納得がいきました。
とにかく、社会活動、音楽、現代哲学などあらゆることに興味を持ち、刺激を与えてくれたことに感謝します。