おそらく光線の加減だったのだろう。
まるで初めての街だった。
どこにでもある町並み、それでいて見知らぬ街。
交差点の真ん中に立って、一人当惑している自分に気づく。
「ここは、どこだったろうか?」
朝日の生まれたての光。
赤ん坊の、あの強烈とも言える新鮮さ。
どこまでも若々しい光に包まれて輝いている。
が、それはほんの一瞬でしかなかった。
見失ったいつもの町並みが戻ってきた。
・・・いつもの電柱、いつもの通り、いつものポスト。
「ウム・・・。」
脈絡もなく、ふっと、高校時代を思い出す。
柔道の試合だった。
明らかに力の違う相手・・・。
送り襟締めにとられ、突然周囲の音が消え、時計が止まった。
姿三四郎だったらどうする・・・?
そうだ!! ここは巴投げしかない。
そんな事を考えていた。
いくらでも考え続ける事が出来、何でも出来そうな気がした。
そのくせ、何もせず、何も出来ずに、気が付けば試合は終わっていた。
そう、いつだって、何だって、そうだった。
ひょっとしたら、私はいつも、進まない時計の針先でもがき続けて、いや、もがこうとしていただけだったのかも知れない。
見上げれば、朝の街角、朝の空。
そうか、逆なのだ。
見る方向がいつもと反対なのだ。
出掛ける目。
・・・そして、戻っていく目。
日曜日、朝帰りの風景。
まるで初めての街だった。
どこにでもある町並み、それでいて見知らぬ街。
交差点の真ん中に立って、一人当惑している自分に気づく。
「ここは、どこだったろうか?」
朝日の生まれたての光。
赤ん坊の、あの強烈とも言える新鮮さ。
どこまでも若々しい光に包まれて輝いている。
が、それはほんの一瞬でしかなかった。
見失ったいつもの町並みが戻ってきた。
・・・いつもの電柱、いつもの通り、いつものポスト。
「ウム・・・。」
脈絡もなく、ふっと、高校時代を思い出す。
柔道の試合だった。
明らかに力の違う相手・・・。
送り襟締めにとられ、突然周囲の音が消え、時計が止まった。
姿三四郎だったらどうする・・・?
そうだ!! ここは巴投げしかない。
そんな事を考えていた。
いくらでも考え続ける事が出来、何でも出来そうな気がした。
そのくせ、何もせず、何も出来ずに、気が付けば試合は終わっていた。
そう、いつだって、何だって、そうだった。
ひょっとしたら、私はいつも、進まない時計の針先でもがき続けて、いや、もがこうとしていただけだったのかも知れない。
見上げれば、朝の街角、朝の空。
そうか、逆なのだ。
見る方向がいつもと反対なのだ。
出掛ける目。
・・・そして、戻っていく目。
日曜日、朝帰りの風景。