平成27年10月26日,蔵王町立平沢小学校及び蔵王町立円田小学校の4年生計25名を対象に,学校近傍の農業水利施設等を見学する『仙南地域の農業農村めぐり』が開催されました。
農村地域に住んでいても農業に接する機会が少なくなってきている中、自分たちの住む地域の施設見学を通して、地域の農業等について広く知ってもらうために開催されたものです。
主催は水土里ネットせんなんで、宮城県大河原地方振興事務所や関係市町が協力し、毎年管内の小学校を持ち回りで開催し、今年で16回目となりました。
バスで小学校を出発後,すぐそばにあるほ場整備事業地区の『円田2期地区』を見学しました。ほ場は農作業の効率化のため、田んぼや道路、水路の区画を整理する工事が行われています。大区画化された田んぼを見学しながら用水や排水の仕組みなどの説明を受け、作業効率を上げるほ場整備がいかに大事かを学びました。また、ここでは工事の際に出土した実物の土器も見学しました。子ども達は壊れないよう慎重に土器を手にし、隅々まで興味深く観察していました。
その後、『円田2期地区』内にある『東根頭首工』や『円田揚水機場』などの水利施設を見学しました。どちらも川や水路から田んぼへ水を引くための米作りには欠かせない施設です。
その後、『蔵王ハートランド』へ向かいました。ここは様々な体験学習が行える牧場で、今回はバター作り体験を行いました。材料の入った容器を一生懸命に振り、出来上がったバターの味に目を輝かせていました。
『蔵王ハートランド』で昼休みをとった後、『澄川取水堰』を見学しました。ここでは水力発電に必要な水を川から発電所へ引いています。株式会社東北電力の職員の方から説明を受け、発電の仕組みに興味津々の様子で見学していました。水は米作りだけではなく,自分達の生活においても非常に重要な資源であることを改めて学んだようです。
最後に、『室野井果樹園』でリンゴの収穫体験を行いました。子ども達にとってリンゴはとても高い場所になっているため、収穫に苦労している様子でしたが、全員がりんごを3つ収穫し、うち1つをその場で試食しました。自分の力でもぎ取ったリンゴはことのほか美味しいようで、園内のあちらこちらで歓声が挙がっていました。
その後、円田小学校に向かい、解散となりました。
見学後のアンケートでは『ほ場整備で米作りが楽になると初めて知った。』、『りんご作りがどれだけ大変かを知った』、『バター作りが楽しかった、家族とまた来たい』など、楽しい思い出となったと共に、農業や農業用水利施設に対する理解を深めた農業農村めぐりとなりました。