セルフマネジメントの技法

仕事を進める上で必要なリソースを管理する技法についてまとめていきます。いわゆるLife Hacks/GTD

タイピングのイメージトレーニングと『二十四の瞳』

2013年09月17日 | 親指シフト

タイピングの練習効果を高めるためにイメージトレーニングも並行して行なう。

タッチタイピングを体得するような、身体トレーニングには、身体を動かさなければ話にならない。
畳水練で泳ぎをマスターした人がいないように、文字面を眺めるだけでタッチタイピングをマスターできる人はいない。

しかし、脳の記憶にたたき込もうと意識せず、ただ闇雲にキーを打っているだけでは、いつまで経っても体得はおぼつかない。「えーっと、あのキーはどこだったっけ」と、ついついキーボードを確認してしまったり、「もう、いつまで経っても憶えられないから、もう練習やめた」と、三日坊主で挫折してしまったりする。

こうした事態を防ぎ、タイピングの練習効果を高めるにはイメージトレーニングが有効である。
伝統的に行なわれているのは、フォネティックコード[phonetic code:通話表]を唱和しながら、そのイメージと身体動作を結びつけるという方法である。
たとえば、「Foxtrot - F」「Juliet - J」や、「葉書のハ」「東京のト」などと言いながら、そのイメージを思い浮かべ、キーを打つようにする。すると、後からイメージを手がかりにしてキーボードの配列を思い起こすことができるのである。

『二十四の瞳』という映画がある。
そのクライマックスで、大人になったみんなが再び集まり、子どもの頃に撮影した集合写真を見る。
戦争で傷を負い、目が見えなくなった元児童もその写真に誰がどう並んでいるかを思い出せる…という名シーンを憶えている方も多いだろう。



フォネティックコードのイメージでキーボードの配列を記憶しながらタイピングの練習をすれば、効果は抜群である。

 以下は、フォネティックコードのアルファベット順の一覧である。詳しくは、各キーを練習する際に述べる。

文字 コード単語
A Alfa
B Bravo
C Charlie
D Delta
E Echo
F Foxtrot
G Golf
H Hotel
I India
J Juliett
K Kilo
L Lima
M Mike
N November
O Oscar
P Papa
Q Quebec
R Romeo
S Sierra
T Tango
U Uniform
V Victor
W Whiskey
X X-ray
Y Yankee
Z Zulu

タッチタイピングを体得する7つのステップ

2013年09月16日 | 親指シフト
入力方法の英文タイプ・親指シフトの違いにかかわらず、タッチタイピングを体得するには、一定の順序がある。
それが以下の7つのステップである。

1.ホームポジション
2.人差し指(上下)
3.人差し指(内側)
4.中指(上下)
5.薬指(上下)
6.小指(上下)
7.記号数字

一度に全てのキーを覚えるのは難しい。
しかし、一回一回を4~8つのキーに分けて少しずつ覚えていけば、難なくタッチタイピングを体得できる。
毎回24文字を覚えようとするのを7日間繰り返すのではなく、一日数文字ずつ覚えることを7日間続けて練習する方が、結果的に確実に習得できるのである。

そして、一度、タッチタイピングを体得する7つのステップを経験し、英文タイプをマスターすれば、親指シフトも難なく体得できる。
今の段階では、アルファベット24文字分のキー配列を記憶するだけでも大変なのに、あいうえお50文字分のキー配列を覚えられるだろうかと、不安に思うかもしれない。
しかし、「体得」すなわち「身体で覚える」力というのは、想像している以上に強い。
一度、泳げるようになった人が一年経っても泳ぎを忘れないように、自転車に乗れるようになった人が簡単にバイクにも乗れるように、体得は記憶力・応用力とも強固なのだ。

タイピング練習の鉄則3つ

2013年09月15日 | 親指シフト
入力方法の英文タイプ・親指シフトの違いにかかわらず、タイピングを練習する際の鉄則が3つある。
1.ホームポジション、2.視線、3.リズムの3つである。

1.ホームポジション
練習する際には、『ホームポジション』に絶対に指を置いておく、絶対に。
左手のホームポジションは「ASDF」キー、右手のホームポジションは「JKL;」キーである。ここに、人差し指~小指の4本をそれぞれ置く。
ホームポジションから指を離してはいけない。別の段にあるキーを押すために離しても必ず、元に戻すようにする。
ホームポジションの鉄則を守ることによって、正確な入力ができるようになるからである。

2.視線
練習する際には、『視線』は絶対に画面を見る、絶対に。
手元に視線を落としてはいけない。間違ったキーを押して、指を置き直すような場合でも、手元は見ない。
大概のキーボードは、「F/D」キーか、「D/K」キーにポッチが付いていて、感覚でわかるようになっている。
最初の内は、キーボードに置いた手の上に、タオルを掛けて手元が見えないようにしてしまう。
視線の鉄則を守ることによって、練習の効果を確実にするとともに、入力の疲労を抑えることができるようになるからである。

3.リズム
練習する際には、『リズム』を絶対に一定に保つ、絶対に。
わかるから、覚えたからといって、早いリズムでキーを打ってはいけない。
一番、自信のない、うろ覚えのキーを打つリズムと、同じリズムで、わかる、覚えているキーを打つようにする。
リズムの鉄則を守ることによって、覚えているキーの記憶を確実なものにし、総合的な入力スピードを向上できるようになるからである。

英文タイプから練習すべき2つの理由

2013年09月13日 | 親指シフト
さて、親指シフト入力をマスターするために、遠回りなようだが、まずは英文タイプから練習する。

ここでいう、英文タイプとは、英語で書かれた原稿を見たとおりに入力する技術のことである。
端的に言えば、This is a pen.という原稿を見て、見たとおりに入力するのだが、The act or process of obfuscating, or obscuring the perception of something; 云々のように、知らない/見慣れない単語が文章に紛れ込んでいたとしても、テンポを落とさずに、見たとおりに入力できるようになるというのが、到達の目標だ。

なぜ、英文タイプから練習するかという理由は2つある。
1つめの理由は、運指の練習である。
英文タイプと親指シフトは、ホームポジションと言われる、打ちやすいキーボードの中央部分が主に使われる。英文タイプの「ASDF/JKL;」のキーの運指に慣れておくと、親指シフトの「うしてけ/ときいん」のキーの運指にもすんなりと移行できるからである。
最初から、ローマ字入力の練習をすると、小指・薬指・中指というマイナーな指や、キーボードの外れの方のキーに使用頻度が偏ってしまい、運指の練習にならないのだ。

2つめの理由は、タッチタイピングの気持ちよさの体感である。
英文タイプは、習得すると、入力するのに頭の中での音声化を伴わない。慣れてくると、視覚の情報が直接、指の運動へと結びつく。体感していない人に説明しても理解はしてもらえないかもしれない。文字を入力するというより、書道や絵画に近い。あるいは、演劇の「鏡のエチュード」をやる面白さというか…。ある種の無我の境地、ゾーンに入るのを体感でき、気持ちが落ち着いてリラックスすらできるのである。
一度、この気持ちよさを味わってから、ローマ字入力をすると、その思考への負担、入力効率の悪さは耐えがたく思えるはずだからだ。

もし、3つめの理由を付け足すとすれば、上記2つの要素を通じて、理系の人に親指シフト入力の理解者を増やしたいということである。
理系の人は、英字を入力する頻度が高いだろうと思う。少なくとも、社会科学系や人文芸術系の人よりは、プログラミングなどで、使うはずだ。
一本指打法で満足をしてしまうと、「ローマ字入力でいいや」「どうせ使わないのにキーボードに【かな】が刻印してあるのはダサい」などという方向に行ってしまう。
できれば、若い理系の人に親指シフトへの理解を深めてもらい、機器やプログラムなど環境の充実に力を貸してもらえれば…と思うのだ。
さもなければ、ワープロ時代・昭和(笑)に親指シフトの薫陶を受けた理系の人が一線を退くとともに、機器やプログラムの更新・開発が止まるという事態に陥ってしまうのではないか…。それだけは避けたいのだ。

ローマ字入力が身体に染みついていると親指シフト入力は覚えられない、というのは本当か

2013年09月12日 | 親指シフト
「ローマ字入力が身体に染みついちゃってるから、今更、ほかの入力方法を覚えるのは無理~」というヒトがいる。

ある入力方法に慣れてしまうと、ほかの入力方法は覚えられないのだろうか。
そんなことはない。
実際、私は、最初に英文タイプを覚え、次に日本語のローマ字入力を覚え、その後で親指シフト入力を覚えた。
普段、親指シフトで入力している今でもローマ字入力をすれば、「ローマ字入力が身体に染みついちゃっている」と言っているたいていの人より、ずっと速く入力できる自信がある。
ローマ字入力の習得が親指シフトの習得の障害になるということは絶対にない、とこの身をもって証明できる。

だから、そういう人たちの実態がタイピングの基礎がきちんと身についていないこと、本音が苦しい練習を避けたいことであることが、私には手に取るようにわかる。

その実態・本音の元を辿れば、英文タイプ・ローマ字入力をきちんとトレーニングしていないこと、我流でやってしまっていることに行き着く。伝統的、正統な方法で、英文タイプをトレーニングすれば、タッチタイピングは容易に身につく。そこをなるべく多くのヒトに理解してもらいたい。それが、ひいては、親指シフトの習得も簡単だという理解に繋がると思うからだ。

まずは英文タイプのタッチタイピングの普及を

2013年09月11日 | 親指シフト
逆説的かもしれないが、親指シフトを普及させるためには、そもそも英文タイプのタッチタイピングを普及させなければならない。

日本語をローマ字入力するのには、母音のAIUEOの5つと、子音のうちSDHKTあたりのおおよその位置を覚えておけば、ほとんど間に合ってしまう。それ以外については、キーボードや手元を見れば良い。入力するのに一本指打法でも、なんとなくこなれた入力ができるような感覚になってしまう。

なるべく子供のうち、できれば英語を学ぶ中学生ぐらいまでに、英文タイプのタッチタイピングができるように、制度なり教育なりを変えられないものだろうか。

一本指打法の人がそれで満足している限り、タッチタイピングを身につけようというインセンティブは働かない。
いったん、英文タイプのタッチタイピングができるようになれば、一本指打法がばかばかしく思えるのだが…。

その感覚がわからない一本指打法の人に、どれだけ親指シフトの効用を説いても、実感できない。
だから、親指シフトを普及させるためには、まずは英文タイプのタッチタイピングを普及させなければならないのだ。


親指シフト入力を勧める相手を選ぶ

2013年09月10日 | 親指シフト
私は親指シフト入力のヘビーユーザーであり、信奉者である。

しかし、だからといって、他人(特にPC初心者)に親指シフト入力を勧めたりはしない。
親指シフト入力を勧めるのは、英文タイプのタッチタイピングができて、なおかつ、文章入力の生産性を気にする人に対してだけである。

なぜなら、そういう人でなければ、親指シフト入力の効用を理解できないからだ。
もう不毛な議論は疲れた。

まずは、英文タイプのタッチタイピングができるようになって欲しい。
正当な練習法なら、1日15分で2週間程度続ければ習得できる。

そして、「ローマ字入力で十分」と思えるほど、十分速く入力できるようになって、「俺は、入力が速い方」と自負するような段階の人であれば、「親指シフト入力の方が良いよ」という実証が説得力を持つ。
たとえば、「都道府県名をドイツ語に直訳してみた」のを入力してもらう。

北海道:ノートメアシュトラーセ
青森:ブラウヴァルト
岩手:フェルゼンハント
宮城:パラストブルク
秋田:ヘァブストフェルト
山形:ベルクフォルム
福島:グリュックスインゼル

英文タイプでは、見たままを思考を介さずに入力ができるのに対して、日本語入力には漢字変換が伴うため、どうしても思考が介在する。
それでも親指シフトは、見る→仮名→漢字と、思考はシンプルだが、
ローマ字入力は、見る→仮名→ローマ字→仮名→漢字と、思考は一層複雑になる。
初見の単語をno-tomeasyutora-seとすんなり打てる人はごく少数だろう。変換キーを押してみて、誤入力に気付く人が大半のはず。削除・再入力の作業が頻発して、ただでさえ遅いローマ字入力は、惨憺たる状況に陥る。

同じものを自分が親指シフト入力でやってみせれば、円滑さの違いは一目瞭然である。

文章入力の生産性を気にする人であれば、自分が英文タイプのタッチタイピングを習得するのに要した「1日15分で2週間」と同程度の時間で親指シフト入力が習得できるのは、有益な自己投資だと理解できるはずだ。

親指シフト入力

2013年09月09日 | 親指シフト
親指シフト入力(別名NICOLA)は、能率的に入力ができる。

昔は富士通製のキーボードなど特定のキーボードでなければダメだった。
あるいは、Japanistという日本語入力システムを使うか。

ノートパソコンやスマホなど、モバイルの時代にそれでは困る。
Japanistも最新バージョンは2003である。ATOKなんかは毎年のようにバージョンアップしているし、Google日本語入力なんていう便利なものもあるのに…。

しかし、今は、キーリマッパーがあるため、さまざまな環境で親指シフト入力が可能である。
Windowsなら「やまぶき」
http://yamakey.seesaa.net/
Macなら「KeyRemap4Mackbook」
https://pqrs.org/macosx/keyremap4macbook/index.html.ja
スマホだって、Android用に「OyaWnn」がある。
http://www.inworks.jp/download/oyawnn

これで、ケータイでも、メール・原稿が書き放題である。