関とおるの鶴岡・山形県政通信

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ゴミ問題の質問をおこないましたーその1

2008年03月10日 | 原発・自然エネルギー・環境

10日(月)、一般質問をおこないました。質疑の全文をご報告します。

 日本の一般ゴミ総排出量は1990年度に5千万トンの大台を超えると、2006年度には5273万トンに達し、処理経費も年間1兆9千億円にのぼっています。
 国は、2000年に「循環型社会形成推進基本法」を制定して「資源循環の基本原則」を定め、各種のリサイクル関連法も制定されましたが、ゴミを減らすことはできていません。
 大きな問題は、製品の生産者が廃棄・処理・リサイクルまで責任を負うという拡大生産者責任が不明確であることです。
 例えばペットボトルは、容器包装リサイクル法によって、逆に製造者にとってはリターナブル容器よりペットボトルの方が安くあがる仕組みとされたことから、法成立前の1993年に12万トンだった生産量が、2004年には50万トンと4倍以上に急増、その回収費用を押しつけられた自治体の処理費用を増加させています。
 もう一つの問題は、ゴミ処理は焼却が中心で、焼却炉の大型化・最新鋭化が進められ、一般廃棄物の約8割が焼却されているということです。発電なども併せておこなうことが奨励され、大型焼却炉を効果的に使うために、「ゴミが足りない」などという現象すら生まれています。
 ヨーロッパなど環境先進国では当たり前の拡大生産者責任を明確にすることを始めとして、循環型社会をつくっていく政治への転換は時代の要請と考えます。
 本市では、H8年に一般廃棄物処理基本計画が制定され、指定袋による分別回収、新聞紙・段ボール等古紙資源物回収で減量・RSなどが取り組まれましたが、ゴミの増加は止まっていません。
 基本計画を策定したH8年度からH18年度にかけての、収集されたゴミと集団資源回収で集められたものを合わせた廃棄物排出量は、43057tから47558tへ4501t・10.5%の増加となりました。
  これは本市の市民プールで計ると、縦50m×横25mのプールに深さ1.1mで水が張ってあったとしますと一年間に約115杯分、10年前と比べた増加量は、3.3杯分こういうことになるのであります。
 処理費用も、H18年度の清掃費で約16億9千万円に上っています。近年やや減少傾向もみられるとはいうものの、ごみ問題は、本市でも重要な課題として、緊急の対処が求められていると考えます。
 そうした中で市は、H18年4月に、H27年までの新たな10カ年計画として、一般廃棄物処理基本計画を策定しました。計画では、H16年度を排出量を基礎数値としたゴミ減量目標を、生活系ゴミでは、一人当たり600gをH27年度には500gにする、事業系ゴミでは、16000tから1600t・10%の削減、リサイクル目標は、資源回収量の10%増、施設資源化率10%増、そしてそれぞれの目標には、H22年度に半分まで到達するという中間目標が設定されています。
 そして、これらの達成のための方策として、ゴミの減量化、リサイクル運動の推進、分別の徹底、資源回収の推進、生ゴミ減量の推進、廃食用油の活用を地域と連携を図りながら推進していくとしています。
 ごみ対策は多岐に渡り、論点も膨大ですが、今回は、生ゴミ資源化の問題と、市民に不安を広げているゴミ処理費用有料化の問題について質問します。
 生ゴミ資源化は、生ゴミの中に含まれる、窒素・リン・カリ・その他、植物の育成に必要な要素を活用することが、基本計画が謳う「環境にやさしい資源循環型社会をめざす」という基本理念を具体化するための重要な課題であります。
 ゴミ総量の約30%を占めると推計され、可燃ゴミ処理費用の中でも大きな位置を占めるものと見られています。
 H27年度までのゴミ減量目標から見ると、生活系ゴミの減量では仮に生ゴミの7割を資源化すれば、生活系ゴミ全体の目標を達成できるという計算になります。
 事業系ゴミでも生ゴミは重要な問題であり、ハードルは低くはありませんが、生ゴミ資源化は大きなポイントになるものと考えられます。
 本市基本計画でも「生ゴミ減量及び資源化を図るため、効率的な生ゴミ処理システムについて検討していく」と取り上げられているところです。
 ところが、この「生ゴミ資源化の検討」、十年以上前から表明されながら、未だに具体化されないできています。
 そこで伺います。生ゴミ減量とその中心となる資源化についての具体的な方法をいつ提案するのか、いつ実施に踏み出すのか、その目標期日を示して頂きたいと思います。これが通告の1と2になります。
 次に、生ゴミ資源化の具体論です。生ゴミ資源化には、堆肥化、飼料化、燃料化などが考えられますが、農業を産業・文化の基盤とする本市としては、堆肥や飼料として活用していくという方法は重要と考えます。
 今議会の当局の説明や答弁の中でも、有機農業の重要性が繰り返し強調されていますが、それには適合した肥料・飼料の生産が不可欠であり、生ゴミは、そうした肥料・飼料の原材料に供することがある程度可能であるということであります。
 生ゴミ原材料では質的に物足りないという農家も当然考えられる訳ですが、農家全体を考えると、活用のニーズは大きいものと考えます。
 特に今、畜産の衰退によって堆肥の重要原料である畜糞の確保がすぐには困難となっていることや、飼料価格高騰という状況の中で、生ゴミ活用の必要性は拡大しているのではないでしょうか。
 ちなみに、市の堆肥は、年間総供給量が29263tですが、その内の9%2660tが管外から搬入されているということであります。
 堆肥センターまたは飼料製造施設が必要であることは当然ですが、必要な生ゴミの供給、肥料・飼料の利用、それによって栽培された農産物の販売まで、安定した循環をつくること、難しいところでもありますが、これが資源化の大前提となります。
 そこで、農業関係者、排出業者、処理業者などとの協議を進めるべきではないかと考えますがいかがでしょうか。
 また、資源循環として考える場合、旧町村を始めとした地域ごとに、農業の特徴や、循環型社会づくりの熟度が異なります。収集コストも地域が狭い方がかからない場合もあります。従って、地域に応じた対策を検討することが重要と考えますがいかがでしょうか。                
 最後に、市民負担の問題、ゴミ処理有料化の問題について質問します。
 本市一般廃棄物処理基本計画は、「ゴミの有料化について具体的に検討します」という方針を打ち出しました。そして早速、昨年8月10日に開かれた廃棄物減量等推進審議会に、有料化が検討課題として提起されています。
 そこでは、「有料化の目的と期待する効果」として、
 一つに廃棄物排出抑制のインセンティブが生まれること。
 二つ目に費用負担の公平性が確保できること
 三つ目に有料化導入の説明で、住民の意識改革ができること、などと説明され、導入への工程も示されています。
 この方針は、国がH17年に打ち出した基本方針に沿ったものですが、大変問題です。
 第一にゴミ問題は、何よりも市民の理解に基づく自発的な取り組みこそが土台に据えられなければならないということです。市基本計画でも「市民や事業者自ら積極的な排出抑制やリサイクルの推進を図っていくことが重要」であり、「そのためにはゴミ減量やリサイクルに関する知識の取得が重要」と述べています。
 現にこれまでも、H17年度からの5分別化や、資源回収など、市民の努力によって貴重な成果も上げられています。
 第二に、処理に関わる費用は、最初に述べたように、拡大生産者責任として製品製造企業に適正に負担させるべきものであり、市としては、国に対して正しい仕組みづくりを求めていかなければなりません。市自ら負担を背負わされていることは不問にするとともに、新たに市民に負担を押しつけるなどということでは、本来の負担の公平をすり替えることになると思うのであります。
 第三に、ゴミ発生抑制・再利用・再生利用を進めるためには、市がそのシステムをつくらなければなりませんが、生ゴミの問題を始めとして、きちんとしたシステムがまだ構築されていない、市がその責任を果たしていない中で、有料化を進めるということでは、市民の理解は得られないものと考えます。
 そこで伺います。ゴミ処理有料化はやめるべきと考えますが、市としては有料化をどのように進めようという考えですか。
 ゴミ減量・再利用・再資源化のシステムを構築し、あらゆる方策を尽くした後に、やむを得ない手段として考えているのでしょうか。それとも、優先施策として、最初から具体化する考えなのでしょうか、伺います。

環境部長 循環型社会づくりとゴミの問題についてということでございますが、議員ご案内の通り、H18年3月に廃棄物処理及び清掃に関する法律の定めるところによりまして、H27年度を終期とする今後10カ年の鶴岡市における一般廃棄物にかかる基本的な計画と致しまして、鶴岡市一般廃棄物処理基本計画を定めたところでございます。
 その中では、生活系ごみの減量化目標をH16年度を基準と致しまして、市民一人当たり、H22年度には50g、27年度までには100gの減量、一人1日500gとすることにいたしております。
この減量化の目標設定は、県の循環型社会形成推進計画に示されております、27年度における減量化目標780gと比べますと約35%さらに厳しい数値目標と致しているところでございます。
 基本計画で制定された目標を実施するために、各年度に実施計画を定めまして、ゴミの減量のための排出抑制や、リサイクル推進に努めておりますし、また廃棄物の資源化におきましては、17年度稼働いたしましたリサイクルプラザの処理方式やその処理能力、それから分別の方法の変更によりまして5種分別を開始しました。その成果として施設の資源化が16年度の30%に対しまして、18年度には約66%まで向上を致しているものでございます。
 質問の生ゴミの具体策でありますが、生ゴミは、議員ご案内の通り燃やすゴミのなかの重量比で3割前後、平成18年度で申しますと、可燃ゴミの収集量の分析、或いはゴミ質の分析結果により推計・計算致しますと、年間で約11000トンを占めております。
 生ゴミの減量化や資源化の対策につきましては、収集コストの削減や環境負荷の低減などの面から、重要な課題であるというふうに認識しております。
 現在、その減量化・資源化対策と致しまして、生ゴミを排出される市民が取り組みやすい方法を主体に実施して参ったところでございます。
 水分の多い生ゴミは、三角コーナーなどによる水切りをすることによりまして、その重量が約10%程度減量をするという報告もございます。
 水切りの徹底をお願いしております。特に、夏場におきましては果物による水分が多くなることから、いっそうの啓発に努めておるところです。
 また昭和59年の4月から開始いたしました生ゴミ処理機の普及による生ゴミリサイクルを推進する目的と致しました生ゴミ処理機購入補助制度によりまして、本年2月末現在、市全体で導入された機数は8800機となっております。
 これによる、ゴミの減量の具体的な数値化は致しておりませんが、今年度実施したアンケート調査をみますと、生ゴミ減量やリサイクル向上などの回答が多く、一定の成果があったものと認識をしています。
 なお本年度生ゴミ処理機の補助金交付を受けた方々に対しましては、使用の状況の調査を致しまして、その効果の検証をおこなっているところでございます。
  市と致しましては、循環型社会形成推進法の定めるところにより国が策定した基本計画にもとづきまして市の循環型社会の構築に向けて、一般廃棄物の内、資源化の可能な廃棄物の資源化の技術や、先進地事例の調査を実施しております。
 生ゴミにつきましても、堆肥化や資料化、またメタンガス生成に代表されますバイオマス化などの技術やシステムの調査研究を進めている段階でございまして、ご質問にございます取り組むべき具体的な事業や、数値目標及び数値の期日の設定はこれからの課題であると考えております。
 資源化を推進するにあたりまして、今後資源化の可能性の高い廃棄物の分別排出や収集の方法、鶴岡市における適用可能性の技術評価、資源化物のニーズや、利用環境の実態把握、流通形態の研究、事業実施にかかる費用対効果の分析、事業運営の形態など、多くの要因について検討を必要としておりまして、国県都の協議或いは市関係部局との横断的な調査検討も必要であることは認識している。
 また質問にございましたが、農業者、排出業者、処理業者、それから地元の研究機関や産業界との連携によります、意見交換などは産学官の共同による推進が必要であると考えております。
 議員ご案内のように、現在市内においても民間業者もしくは色んな団体の管理運営のもとに稼働している資源化プラントもございますので、連携の可能性につきましても検討課題の一つであると考えております。
 それから、地域ごとに対策をということでございますが、旧市町村の単位であるかどうかということは別に致しまして、地域ごとにそれぞれの対策を検討するということも一つの方策ではないかというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましてもゴミ資源化対策の推進は、長期に可能であること、資源化物の需要と供給のバランスなど、十分な検討のもとに検討すべきものと考えておりまして、ゴミの減量化、資源化率の向上により、循環型社会の構築に努力いたしますので、ご理解を賜りますようお願いを致します。
 次に市民負担についてでございますが、H17年度5月に廃棄物の処理及び清掃に関する法律第5条の2の規定に基づきまして、廃棄物の減量、その他適正な処理に関する総合的かつ計画的な処理に関する施策の基本方針が国から示されております。
 基本方針の中で、市町村の役割と致しまして、経済的インセンティブ、動機付けでございますが、活用した一般廃棄物の処理や活用の推進、排出量に応じた負担の公平化、、及び住民の意識の改革を進めるために、一般廃棄物処理の有料化の推進を図るべきであるとされております。
 ゴミの有料化の目的や期待する効果と致しましては、先ほど議員からもご案内がございましたが、排出抑制、再生利用の促進、公平性の確保、排出者の意識改革、環境負荷低減などがあげられております。
 廃棄物の排出抑制につきましては、収集経費や処理処分、施設整備それから維持管理などのコストの低減に大きな影響を与えるものでございまして、環境負荷の低減や資源の枯渇の防止の面などから、廃棄物行政を進める上で重要な課題であると認識しています。
 先に申し上げましたが、ゴミの排出抑制や資源化対策を進めながら、ゴミの有料化につきましても、検討をおこなう必要があると考えておるところでございます。
 H19年の9月の定例会で18番議員にもお答え申し上げましたが、今後の有料化の検討をおこなう必要性については、ゴミの減量化によるコスト低減を踏まえ、現状の把握や課題整理、住民意識の把握など基礎的な調査をおこない、有料化制度について検討していきたいと答弁をしているところでございます。
 市が策定いたしました一般廃棄物処理基本計画におきましても、ゴミ処理の課題と致しましてゴミの減量とリサイクル率の向上、不公平感の是正やゴミ処理経費の縮減のための検討は必要であるという位置づけはしているところでございます。
 市と致しましては、昨年度と今年度2年間でこれまでの直営でおこなっておりますゴミ収集を全面廃止するなど大きな改革を実施することや、効率的な施設の管理を図るなどコスト低減を進めておるところでございます。
 国から一般廃棄物処理有料化ガイドラインや一般廃棄物の会計基準を詳細に把握しながら、有料化実施都市における先進事例や課題の調査の検討を進めて参りたいと思いますし、今後市民や業者、事業者など廃棄物を排出される方々との意見交換の機会も考えております。
 具体的に有料化ありきで進めるのかということでございますが、そういうことも踏まえまして総合的に検討すべきものと考えておりますので、ご理解をお願いしたいと思います。 ~ブログの字数制限を超えてしまいましたので、再質問は、次ページへ~



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