関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

「病院追い出し」にならぬよう~退院日延ばしてもらいました~

2012年01月26日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 荘内病院に入院している患者さんのご家族だというおばあさんから、「明日、退院させらいでしまう。家さはオレ一人でとっても看らいね。何とがしてもらわいねろが。協立病院さ入れでもらわいねろが」というご相談が舞い込んできました。
 大変切迫したお話です。

 おばあさんのお話では判然としないことが多かったため、病院の退院支援の担当課と管理部、担当ケアマネージャーに詳細を聞きました。
 すると、
 ○入院中のおじいさんは要介護で食事・排泄もままならず、身体の各所にできた褥瘡(床ずれです)の処置と体位交換も必要。数年前から入退院を繰り返しているが、昨年は退院から入院までの期間が次第に短くなっている。
 入院中は、病院給食で摂食をしっかり管理されて栄養を摂り、看護師の処置が施されるので褥瘡も改善するが、退院すると悪化する。その繰り返し。
 退院後は、デイケアと毎日の訪問介護、週一回の訪問看護が計画されている。
 ○二人暮らしのおばあさんは、自立はしているが、足腰に痛みもあるし、ヘルパーが来るとはいっても終日の介護をおこなうことはどう考えても難しそうです。
 ○必要なサービスを限度一杯利用できる所得もありません。
 ○病院では、「必要な治療は終わった。家族が自宅に帰ると求めるので退院が決まった」「ケアマネも在宅生活のためのプランを組んでくれた」と言っているようですが、おばあさんは、そのように言った覚えが無いと言います。
 ○担当課では、協立病院への転院については、ケアマネにまかせたようです。「協立病院は入院がいっぱい」という事情から、当事者が直接協立に行った方がいいと考えたようです。
  ○ケアマネは確かに、「自宅で暮らすためのプラン」を組んでいる訳で、その過程で「在宅は無理です」という発信は無かったようです。

 推測すると、病院からの退院の話は、医師から「退院できますよ、どうしますか」という話のようでしたから、おばあさんは、病院から言われれば絶対退院しなければならないものだと受け止めて、「家に帰る」と答えたのではないかと思われます。
 また、高齢のため、退院の是非や在宅の困難性などについて、十分理解できなかった可能性も感じられます。
 別世帯のお子さんと一緒に病院・ケアマネなどとよく話合うべきでした。
 ケアマネは本来は、在宅が困難なら困難と主張して関係者を招集して検討を図るべきだったのではないかと思いますが、市立病院にはそうは言えない関係なのかな、とも思いました。

 日中会った病院管理部との間では、「家族の希望で退院」となりましたが、夜までには上記のような状況が確認できたため、改めて病棟師長と話あったところ「明日の退院は延期」の判断をしてくれました。
 私が無理押ししたのではなく、師長が「(経過はともかく)現時点で家族は退院を求めていないこと」「明日からの自宅での生活に不安があること」を理解してくれたもので、ケアマネもいない中、夜7時半も過ぎる状況の中での英断です。
 おばあさんはホッとした顔になりました。
 私も一日中走り回った疲れがドッと出て、力が抜けた感じです。

 荘内病院は、入院予約の市民がたくさん待機しており、急性期病院として平均在院期間を2週間位にとどめないと経営も大変です。
 従って、必要な治療が終われば速やかに退院してもらうように図るのは当然ではありますが、そのためには、退院支援の取り組みをより強化していく必要がありそうです。

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