パロディ『石泥集』(短歌・エッセイ・対談集)

百人一首や近現代の名歌を本歌どりしながら、パロディ短歌を披露するのが本来のブログ。最近はエッセイと対談が主になっている。

パロディ短歌2015年事件簿3 いつまでたっても「ならずもの国家」

2015-08-16 15:37:27 | パロディ短歌(2015年事件簿)
         いつまでたっても「ならずもの国家」

 アメリカの第43代大統領、ジョージ・H・ブッシュは、かつてリビア・イラン・北朝鮮を「悪の枢軸」と呼び、この3国を「ならずもの国家」ときめつけた。リビアの指導者・カダフィ大佐は「アラブの春」(今となっては「アラブの冬」といった方が似合うが)で暗殺され、イランは後継者のバラク・オバマが仲直りしてしまった。北朝鮮は相変わらずミサイルをぶっ放している。「ならずもの国家」は三者三様の展開をしたということだ。(「ならずもの」に加えられたイラクはブッシュの進攻の対象となり、後遺症として「イスラム国」というパンドラの箱を開けてしまった)

 ここで私が言いたいのは、日本のことである。日本はいまだに「ならずもの国家」の扱いを受けているとご存じだろうか? また、またア、たちの悪い冗談はよして下さいね…と平和ボケした新聞ならいいそうである。察しのいい人なら、中共政府と韓国政府のことね、と気がつくだろう。彼らにとって、日本は反省をしない「ならずもの国家」そのものである。恐ろしいことに、実はアメリカもそれに加担している。何故なら、日本を「ならずもの国家」と断罪したのは、他ならぬアメリカだから。

 第2次大戦後に開かれた「東京国際裁判」を知っているだろうか? 国際というからには、権威のある国際裁判所があって、そこで開かれたと思うでしょ? 違うんだなあ。正式には「極東国際軍事裁判」という。軍事裁判、それもアメリカがおぜん立てした、まあ言ってみればヤラセのたぐいだ。その証拠に裁判を開くことが分かってから、新しい罪を作った。つまり法律を作ったわけだ。法律を施行するのは、立法された時より後でなければならないのは常識だよね。アメリカは新しく作った法律で、過去の行為も裁くことができるとした。もう、無茶苦茶である。

 「プールでおならをしたら懲役1年」という法律ができたとする。この法律が発効するのはできたその日以降である。それなのに「君は5年前にこのプールでおならをしたという証言がある。よって逮捕する」…こう言われたら、おかしいでしょ? 無罪でしょ? しかし、これを有罪にしてしまったのが極東国際軍事裁判である。A級戦犯問題とはこのことである。(ただし、「おなら」という比喩は軽すぎるかもしれない)

 A級戦犯の罪はもっともらしい体裁をもっている。新たに設けられたのは「平和に対する罪」という。大東亜戦争を始めた1946年の国際法では、こんな規定はない。それどころか、国の交戦権は平等に認められた神聖な権利だった。

 「平和に対する罪」とは、植民地支配を行う帝国主義を裁くものである、と理解することができる。事実、日本の指導者はこの罪で裁かれている。しかし、日本より以前に植民地支配を始めていたイギリス、アメリカ、フランス、オランダ、ポルトガルは罪に問われていない。しかも、連中は日本が負けると、すぐに元の植民地を回復したのだ。つじつまが合わないと感じるのは君だけではない。

 詳しい話は別の本を読んでいただければいいが、だから、この極東国際軍事裁判に11人いた裁判官の内、インドのパール判事は「全員無罪」の判決書を書いた。でも、いまだに日本が「ならず者国家」といわれるのは、中国共産党が「侵略され植民地化された」と叫ぶからで、その根拠は極東国際軍事裁判にある。アメリカやイギリスは、この裁判の根拠があやふやである(例えば、連合軍最高司令官・マッカーサーは朝鮮戦争のあとで、「日本の戦争は自衛のため」と議会で証言した)と感づいているが、公には絶対に認めない。「大戦後の世界秩序が崩壊する」のである。中国及び韓国は、これに悪乗りしていると見たらいいだろう。
 
 敗戦という事実は重い。まだ、何十年も日本は「ならず者国家」といわれ続けるだろう。安倍首相は抗弁し、押し返したいのだが、うまく運ばないと「歴史修正主義者」といわれてしまう。70年談話は、現段階では出色の出来栄えだと思うが、阿呆なマスコミには分からないらしい。談話の評価は、また別の日に。

「東京裁判」は「偽装裁判」ですよ。A級戦犯問題も全部ここから。
●終戦のしのぶ鎮魂たれ故に乱れそめにし法ならなくに
(本歌 みちのくのしのぶもぢずり たれ故に乱れそめにしわれならなくに  河原左大臣)
(蛇足)前書きで書いたとおりである。極東国際軍事裁判は正しい、何故ならそれは戦勝国の文明が敗戦国の文明を裁いたものであるから…という史観がいまだにまかり通っている。つまり「歴史は戦争に勝った国が作る」ということである。中共政府が大々的に戦勝記念式典を催すのは「われわれが歴史を決める」とアピールしたいのであろう。アメリカが大ぴらには遮れないことを見越している。

朝鮮は先祖返りをした。子分気質(親分気質の反対)丸出しの国である。
●ちはやぶる神代に戻る朴(パク)の槿恵(ウネ)からくれなゐに身を染めるとは
(本歌 ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれなゐに水くくるとは  在原業平朝臣)
(蛇足)韓国のおばさん大統領はいつも無表情である。このごろは習おじさんとのデートに忙しい。「からくれなゐ」は漢字で書くと「唐紅」である。すなわち「中国共産党」のことになる。朝鮮は昔からシナ大陸の家来だったから、本来の姿に戻ったということ。

毛沢東は自らを「無法者」と言ってはばからなかった。習近平のお手本である。
●シナ海に習のかけたるしがらみは流れもあへぬ埋立てなりけり
(本歌 山川に風のかけたるしがらみは流れもあへぬ紅葉なりけり  春道列樹)
(蛇足)南シナ海の岩礁を埋め立てて、どうやら海軍と空軍の基地を作るつもりの習主席。共産党は手段を択ばないのでご注意。「(革命という)目的のためには手段を選ばない」。レーニンも毛沢東もそう言った。

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