地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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ノートルダム・デ・フォンテーヌ礼拝堂

2008年07月04日 11時53分19秒 | 西洋美術

ニースの少し北、アルプス南部の美しい谷間に佇む人口500人の小村ラ・ブリーグ。
ロマネスクの橋が残り、広場からはモン・ベゴ(ベゴ山)の眺望が楽しめる
美しい寒村ですが、なによりもこの村を有名にしているのが
郊外のモン・ノワール(黒い山)の人里離れた山の中腹に建つ
ノートルダム・デ・フォンテーヌ礼拝堂です。

「ニース・ヒンターラントの彩色礼拝堂群」と呼ばれる、
この地域独特のフレスコ礼拝堂の代表格で、
後期ゴシックのフレスコ画の傑作が素晴らしい状態で残されています。

もともと水の神々に捧げられた神殿があった場所に12世紀に建てられた礼拝堂で、
外観は大変質素にできています。
一方内陣は15世紀のフレスコ画で覆われ、聖史の一大絵巻になっています。
祭壇には福音書家、キリストの降臨、受胎告知が、
ファサード(西正面)の裏面には巨大な「最後の審判」が、
そして左右(南北)の壁にはエルサレムへの入場、最後の晩餐から復活まで、
キリストの受難が壁いっぱいに描かれています。
その登場人物は総勢500人にも登ります。

特に必見なのが、内陣に設けられた凱旋門に優美な手法で描かれた
聖母の生涯と幼な子キリスト、
そして北面中央に描かれた「ユダの首吊り」(写真)です。
ここに描かれたユダは心臓や肝臓など臓器を2つずつ持っており
彼の二面性を暗示しています。


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