地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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2002年イラク・メソポタミアの旅2

2009年03月14日 20時38分39秒 | イラク・メソポタミアの旅

こんにちは、川崎です。
前回のつづきです。

アンマンからバグダッドに飛ぶ前日、アンマンのホテルに
イラクの手配会社のイラク人が挨拶にやってきました。
家族でパリ旅行をしてきた帰りだといいます。
明日、私たちと同じフライトに乗るのだそうです。
日本での報道と違ってかなり暢気な感じです。

2002年11月12日午後、ロイヤル・ヨルダン航空でバグダッド・サダム国際空港到着。
機内は若干のアラブ人ビジネスマン以外は
ヨーロッパへ観光旅行に行った帰りのイラク人ばかりです。
どうなっているのだって感じがします。

到着後、まずは記入欄のやたら多い入国カードの記入(機内で配ってくれない!)。
パスポート検査は簡単だったのですが、次のエイズ検査がたいへんでした。
日本のイラク大使館は、50歳以上は不要と言っていたのに、
ここに来たら55歳未満は全員必要だと言い張ります。
該当者1名あり。
私たちしかいなくなった空港に、ゴロツキみたいのがたくさん集まってきて、
この場で採血すると言います。
こんな衛生状況もわからぬ場所で注射針なんて使われたら問題だということで
交渉開始。
日本では不要と確認してきたことを強く主張してもダメ。
「ここをどこだと思っているんだ!!」

揉めながら長く粘っていると、勲章をたくさんつけた偉そうなのがやってきて、
こっちへ来いと暗い部屋へ我々添乗員のみ連れていかれる。
部屋に入ると、ここで注射針を使われるのはいやだろう?といやらしく聞いてきた。
「こいつわかってんじゃん」と照沼が怒っている。
HIV検査の証明書1枚2000ドルでどうだと言ってきた。はぁ?
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も交渉したのち、
200ドルで手を打つことになった。
到着後、かれこれ2時間は経っていました。
ワイロだから領収書なんて貰らえないことをわかっていながら、
照沼は領収書を遣せと、くってかかっていました。

つづいて税関検査、国際ローミング機能はまだ一般的ではないのに、
携帯は空港で帰国日まで預るといいます。
一台一台、袋に入れて頑丈にテーピング。
(意外にも出国時にパスポート検査のところにちゃんと用意されていました。)

つづいて強制両替。
日本では一人100ドルと確認してきたのに、200ドルだと言います。
またまた揉めて150ドルで手打ち。
お客さんには100ドル出していただいて、50ドル×30人分は会社側で
使うことにしました。
ところが、今、イラク・ディナールの持ち合わせがないと言い出しました。
さらにツアー中はアメリカドルしか使わないから問題はないと言います。
なんのための強制両替か。
実際に受け取ったのは、もう使う時間も場所もない帰国二日前。
お客様にはドルで返金し、ダンボール箱いっぱいに残った、
サダム・フセインの肖像が描かれたイラク・ディナールの使い方に
照沼と頭を悩ませ、途方にくれることになります。

やっと入国手続きが終わり、深夜、旧シェラトンホテルへ。
湾岸戦争時にイラク政府が没収し、シラトンホテルと名前を変えています。


ホテルの前にはイラク戦争でバグダッド陥落のシンボルとなった
フセイン像が立つ広場があります。
この旅行のときのガイドの説明では、中世イラクの国民詩人の像だということでしたが、
のちに、アメリカ軍がバグダッドに侵攻した際には
フセイン像だということになってしまっていました。
もしそうでも、当時もフセインの肖像画はあちらこちらにあり、
彼の像なら、偽る必要は全くないのに、へんですね。
テレビで、像が倒れたときに周りで喜んでいたアラブ人たちは、
米軍が連れて来た人たちでバグダッド市民でなかったことがのちにわかりましたが、
やはりこの像をバグダッド陥落のシンボルに使っただけで、
フセインの像ではなかったのでしょうね。
照沼は、世界中、そんなことばかりだと言っていますが・・・。


(旧シェラトン)
ホテルのチェックインもややこしく、さらにシェラトングループから没収したあと、
まともにメンテナンスがされていないので、各部屋には、電気がつかない、
冷房が入らない、暖房が入らない、水が出ない、お湯が出ない、バスタブのお湯は
出るのにシャワーは水しか出ない、そしてその反対などなど、
様々なバリエーションのクレームがでました。
3分の2以上、お部屋の交換。
さらにその半分がもう一度、交換。
さらにさらに数部屋、もう一度交換。
それでも解決せず。幸いホテルはガラガラでしたが。

長い長~い半日が終わりました。
(川崎 大地)


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