地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

(株)世界紀行・スタッフのブログです。ブログ・タイトル『地球浪漫紀行』は弊社ダイレクトメール名です。

2002年イラク・メソポタミアの旅5 サッマーラー

2009年03月11日 10時45分49秒 | イラク・メソポタミアの旅

つづきです。

若い職員の方はかなり緊張しながら、持参された書面を読み始めました。
内容は、いつアメリカの攻撃が開始されるかわからない、もう日本大使館の日本人職員は
全員引き上げてしまっていて保護できない(イラク人はいる)、
特にこれから行こうとしている北部は危ない、南部も危ない、
戦争はテレビゲームではありません、ただちにお帰りください、
ということでした。全くもって、もっともですね。

母親が照沼に簡単に電話で説得され、やってはきましたが、もっともだと思いました。
照沼は、出発直前、バグダッドのヨルダン大使館職員に家族は年内は退避させないと
確認していたことや、フランス大使館もドイツ大使館も退避していないこと、念のために
ラマダン中にしたこと、やや不安のあるアンマン・バグダッド間の陸路移動を
やめ、飛行機にしたこと、NHKもまだいること、何よりも生涯最後の海外旅行だ
というお客さんがいることなどを職員の方に話していましたが、
お客さんはというと、
あんまり話を聞いていません。

「ビデオゲームは知らないけど、本当の戦争なら知っているわよ」
「あなた、アメリカと戦ったことないんじゃないの?」
「今の戦争は我々の知っている戦争よりもビデオゲームに近いんじゃないか?」
そんな具合です。
そのうちに女学校時代の竹やり訓練の話になってしまいました。

聞くと入省2年目で初めての海外赴任地がバグダッド(実際はアンマンにいる)で、
今日はこれを読むために12時間の陸路を走ってきたそうです。
ご苦労様です。1泊したらまた走って帰るのだそうです。
私たちが乗ってきた飛行機は国連による援助物資のためのチャーターという建前に
なっていて、本省との申し合わせで、大使館職員は使えないのだそうです。
普通の搭乗手続きの航空券で、乗っていたのもイラク人観光客ばかりでしたが。

出発前に「週刊新潮」で記事になっていたので、上からの命令でわざわざやって
来られたのですね。照沼も現場の職員の人には申し訳ないって言ってました。
(どうせ来るなら上の連中が来い、って余分なことも言ってました)
しかもバグダッドのホテルを何件か回って手配会社にたどり着き、
このレストランに連れてきてもらったというので、みつからなかったら
仕事を終えられずにたいへんでした。
彼がこれからNHKの人に会うと言って帰ってしまうと、
食事は何事もなかったかのように進んでいったのでした。


(現地旅行社の自慢のお嬢さん)

他にも前後して日本人グループが来ているそうでしたが(しかもシリアから陸路で!)、
記事になると違うのですね。
余談ですが、この年の年末(人質事件の半年前)に2本目を予定していましたが、
こちらは、少しきな臭くなりはじめましたので中止しました。


翌日は北部へ向けて出発。
午前は、アッバース朝の古都・サッマーラーを観光。
ここにはイラク人家族の観光客が一組いました。
初めて見た観光客です。




螺旋状のミナレット(光塔)。
ブリューゲルのバベルの塔のモデルです。



螺旋部分の階段はこんな感じです。
手すりがなくて多少不安な感じです。



アル・マルウィヤ・モスク(右)という大モスクのためのミナレットです。


ミナレットの上から見ると大モスクのスケールがわかります。



日に焼けたヨレヨレの絵はがきが売られていました。
(川崎 大地)


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2002年イラク・メソポタミア... | トップ | 2002年イラク・メソポタミア... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すっごい! (ankosuta)
2009-03-03 11:12:26
そんなにすっごい体験をされてるとは・・・!
緊張して読みましたよ。
先日イラク博物館の展示品が1/3戻ってきて展示してます。ってなニュースが流れてましたが安心して行ける様になると良いですね。
返信する
Unknown (照沼)
2009-03-08 22:58:08
ankosutaさん、こんにちは。
米軍侵攻後のイラク国立考古学博物館の盗難被害は
すごかったですからねぇ~。
遺跡からもきっと相当にやられていることと
思います。
カンボジアの遺跡もそうですが、
外国のコレクターや博物館が買わないように
していただくのが一番ですね!
返信する

コメントを投稿

イラク・メソポタミアの旅」カテゴリの最新記事