「開平チョウ(石ヘンに周)楼とその村落」は中国で35番目、
広東省では初めての世界遺産です。
広東省の中南部に位置し、珠江デルタに属す開平市は、
華僑の故郷とも呼ばれ、そこには「チョウ(石周)楼」と呼ばれる
古い西洋風建築が林立しています。
最盛期には3000以上あったといわれるチョウ楼ですが、
現在は開平市内15の村に1833棟が残っています。
1920年代から30年代に建てられたチョウ楼は、
主に当時のヨーロッパの雰囲気を色濃く映し出すと同時に、
中国の伝統的建築様式もふんだんに取り入れられ、
「華僑文化の最高傑作」「中国と西洋が見事に融合した建築芸術群」などの
高い評価を受けています。
開平市の人口は68万人ですが、在外華僑は67カ国、75万人にも及んでいて、
華僑輩出の土地として有名です。
華僑はその豊富な資金力と海外からの絵葉書や写真を基に、
西洋建築のテイストを加味した頑強な開平チョウ楼を続々と建築していきました。
窓や門は小さく、防衛機能を備えているのが共通点です。
スタイルは百花繚乱で、中国伝統に則った洋館もあれば、
ゴシック様式やローマ様式などいろいろな時代の西洋様式のものもあります。
大部分は中国の建築様式と西洋の芸術的特徴を持った中間的建築で、
ひとつひとつが独自の雰囲気を醸し出しています。
新たに発表した『広東省の旅』でご案内いたします。
(佐藤友里香)
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