草莽の記     杉田謙一

教育・防衛・慰霊・エネルギー・歴史についての意見

ジェノサイドを止めよう。チベットを守れ。

2008-03-19 23:50:16 | Weblog
万里の長城は北方他民族の侵入を防ぐために築いた漢民族の北限である。その地を乗り越え、日本敗戦時に漁夫の利を得て、中華人民共和国の版図を北に伸ばした。国共内戦に勝利して、西にはチベットトルキスタンを従えた。南にヒマラヤネパールの地を伺い,さらに東に台湾尖閣を脅し取ろうとする超軍事大国中国の野望はとどまる所を知らない。陸の超大国から、その海軍力の整備を楯に、南沙諸島どころか、いまや太平洋をアメリカと二分しようと提案さえしだしている。

 いつか必ず崩壊するであろうといっても、それまでにどれほどの尊い血を奪いつくすつもりであろう。それを許すのか。

 スペインの滅亡までに善良な民族国家がどれほど悲惨な運命をたどったか。
 ピサロはイエスの名の下、スペイン王の庇護を受けインカ帝国地域(ペルー)八百二十万人の犠牲者を出し金銀を奪った。アステカ地方は二千四百万人、カリブ海周辺では三十八万人計三千三百万人の死をもたらした。コロンブスアメリカ発見以来の百年で、白人がもたらした伝染病の死者も入れてではあるが。人口は十分の一にされた。
 征服された帝国滅亡の道は悲惨である。金銀を山の如くつまされ、命と地位保全の約束をした王と民族は、結果だまされ、冨を奪われ無残にも切り殺された。列強の合意でアメリカ大陸支配の境界線は築かれ、一方、ネイテイブの命と生存は無視されつづけたのではなかったか。。

 何たるエゴ。何たる悲哀。しかし世界はこれを放置した。いやアジアアフリカは人として一顧だにされぬ高等動物にすぎないとされていたのである。奴隷である。

 銀採掘の奴隷が酷使の果てに絶えてしまうと次に、用立てられたのがアフリカ大陸からだった。奴隷狩りである。ギニア湾には今も金を奪った土地名の黄金海岸、象牙の象牙海岸、奴隷の奴隷海岸と名前が残っている。概算、数千万から一億人が連れ出されたとされる。十六世紀から十九世紀までに。商品奴隷を解放しようとして戦争したのがリンカーンの南北戦争。それ以降も続いたのである。明治になってもまだ実際は続くのだ。これが白人文明国の実態だったわけだ。

 そのハンティングはゲームそのもの。獲物を従で狙い撃ちして遊ぶのだ。

 しかし中国はそれ以上の狂気である。

 白人が黄色人種を虫けらの如く殺し続けたのは遠き昔。二百年以上前のこと。しかし中国は今もって。ここ六十年来、共産中国が同じ漢民族同士を殺しあった人数は、国家形成前後で欧米人がアフリカ・南北アメリカで殺した数をうわまって、数千万人。
 漢民族でないチベット民族なんぞ物の数ではないかのごとく感じているのであろう。

 チベットからのインドダライラマ師へ向かう巡礼の一行がヒマラヤの峯の上で一人一人狙い撃ちされてばたばた倒されていく風景がネットで流れていた。銃声と共に一人ずつ倒されていく。他の一行は重い足を引きずるように歩き辻ける。嘘だろ。ヒマラヤにキャンプしていた欧州人が取ったビデオであった。

 その暴挙は平然と実施されている。まさに狂気である。

 国際的人権擁護の叫びは、国連拒否権を持つ中国の反対で、非難決議すらあげられぬ壁にぶち当たっている。(分担金はほとんど出さずにいるロシア中国の妨害で)打つ手はほとんどない。そして後数日で、インカ帝国、間やアステカ文明の滅亡と同じ時を迎えようとしているのだ。

 心あるともよ。人類平等法案を世界に叫び続けた栄光の歴史を持つ国の子孫たちよ。たとえ微々たる力であろうと、智恵と力を結集して非道なる弾圧国家に抗議の声を上げよう。できることはすべてやろう。アジア同胞を見殺しにはできない。

チベット支援はかつての恩義に報いる道

2008-03-19 11:39:40 | Weblog
 チベットは高貴な国である。決して暴発せず、歴史の荒波に耐え続けていまもいる。
 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ十四世の特使団は、中国政府と断続的に交渉、同氏の帰国やチベット情勢などを粘り強く協議してきたのであった。
 ダライ・ラマ氏は侵略追放の悲哀を一身に抱えながらも隊中国批判を隠忍自重し、独立をうたわず、中国政府に「高度な自治」を求めてきた。武力を背景に植民主義を展開する中国に対して、大譲歩した小国亡命政権の悲哀を思う。

 しかし、中国政府のダライ・ラマ批判は止まず、チベット自治区のトップ、張慶黎・党委書記らは全人代で、北京五輪に向け「最大の不安定要素はダライ・ラマ集団。一日たりとも分裂活動を中止しない(分裂主義者)」と非難していた。

 そもそも中国、胡主席は、チベット自治区党委書記時代の八十九年、ラサ暴動を鎮圧し、その功績が故小平に評価され昇進につながったという。チベット弾圧の総司令官であったのだ。今回も全世界的中国批判を一顧だにせず、軍と経済力、さらに国連拒否権国の立場、さらにオリンピック開催国メリットを最大限利用し、チベット制圧を公然とはかろうとしている。

 いま、侵略へのチベット国民の平和的な抗議行動は、中国政府の強行突破方針のなかで、チベット各地のみか近隣自治州さらにアメリカ、フランスなど全国で激しく燃え盛ってきている。
 現行の中国統治下で、チベットの人々の心に深く根ざしてきた憤りの爆発を誘発した。五輪の前に国内矛盾を一挙に一掃しようとした強圧的政府の挑戦に、もはや我慢の限界点をこえてしまったのだ。そして現実を知った世界が動いた。スピルバーグ監督の父はチベット仏教の研究者という。その思いが巨匠の良心を動かし、オリンピックの選手の良心に伝わり、英国皇太子の平和への行動を導いた。
侵略と虐殺を許さぬ全世界的良心のあらわれが全世界的広がりを持ち始めてきた。

 この事態を受けて、ダライ・ラマ十四世は、遂に「自制なければ退かねばならない」事を表明された.

 これは重大事態である。
 
 穏健派でしかも精神的支柱の十四世を失えば、独立急進派がリーダーシップをとり、事態は泥沼化しそうな気配である。イスラムの怨念の再来とならぬとどうしていえようか

「これまで絶えず申し上げてきたように、武力行使による統一と安定は一時的な解決にしかなりません。武力支配下にあっては統一と安定を期待するのは非現実的であり、平和的、永続的な解決策を見いだす助けとなることもありません。したがって、私は、中国指導部に対して、武力の行使を中止し、チベットの人々との対話を通して、長年鬱積してきたチベットの人々の憤りに本気で取り組んでくださるよう訴えます。また、同胞のチベット人に対して、暴力に訴えないよう強く求めます。」
 
 かく声明を述べる十四世の悲痛な訴えをわが日本が積極的に答えなくてはならない。
 かつて大東亜戦争開戦時、連合軍の強力な要請を断固跳ね除け、対日批判に走らず、連合軍に参加せずに中立を守ってくれた、チベットの恩義に答える道である。


                               

                               

アジアの命を救え

2008-03-19 00:43:55 | Weblog
五輪ボイコットをなぜいま否定するのか
どれだけ媚びれば済むのか政府。

人権を語る政治家よ、なぜに隣国中国にはこぶしを振り上げないのか。抗議する気概を持たないのか。なぜに現在進行中のアジアの悲劇を阻止しようとしないのか。

 信教の自由を叫ぶ宗教者よ。踏みにじられた信仰を取り戻したいと願う仏教徒の願いを、聞き届けようとする宗教者ひとり、なぜに出ないのか。

国連第一主義を言う政党から、国連安保理開催を訴える声明ひとつ出ないのはなぜだ。
 虐殺容認につながる五輪擁護を今発言するのか。いつから日本はアジア軽視の道を歩みだしたのか。

 自由と繁栄の輪を目指したはずの与党政府はどこへ行ったのか。言葉を奪われ呻吟するアジアの声を聞け。いのちをかけて生存を訴えるチベットの叫びを聞け。

 オリンピックの出場決定者よ。アジアのいのちと名誉を守り五輪ボイコットを主張せよ。失われゆくいのちは二度と帰りはしないのだ。
 
 現在進行中の虐殺に断固抗議せずして侵略の連鎖は断ち切れないのだ。