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絶滅が危惧されるナミゲンゴロウ

2018-10-03 10:40:18 | 昆虫
ナミゲンゴロウは、池沼や放棄水田、湿地に生息する水生昆虫で、
日本に約130種類程生息するゲンゴロウの代表種です。

成虫は、全長34から42mmの比較的平たい卵形で、体色は、暗めのグリーン。
飛翔能力もあります。
オス・メス比較では、オスの方が光沢が強く、オスの前足には吸盤があり、
それが雌雄の判別となります。

ゲンゴロウの減少
1950年代までは池や水田に普通に生息し、「田んぼの昆虫」といえば
ナミゲンゴロウとタガメが代表でした。
水田の農薬使用、池沼の埋め立て、水質汚染、水田の乾田化、
ブラックバスやアメリカザリガニによる食害、業者やマニアによる
無秩序な採集により、激減が起き、絶滅危惧II類 (VU)に指定されています。
現在は、山里の池沼に行かないとその姿を見ることができません。
生態
幼虫は動くものなら何でも襲って食べます。

成虫は、流線型の体型、効率よく水を掻くことができる
ブラシ状の毛がある長く太い後脚、水中での呼吸用の空気を
溜めることのできる構造など、遊泳に適した体の構造を持ち、
獲物を求めて活発に泳ぎ回ります。

成虫は幼虫と同様肉食性であり、弱った小魚、甲殻類、
水生小動物などの獲物を捕獲します。

里山で運よくナミゲンゴロウを見ることができれば、捕獲せず見守ってあげてください。