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沈丁花(ジンチョウゲ)

2022-03-26 16:03:04 | 樹木
沈丁花は香り高い花を早春3月下旬から4上旬に咲かせます。

春の沈丁花、夏の梔子(クチナシ)、そして秋の金木犀(キンモクセイ)を合わせて三大香木といいます。
沈丁花はジンチョウゲ科の常緑低木で、春先に外側が桃色で内側が白色の小さな花が枝先に多数咲きます。
花の外側が紫紅色で内側が白色の一般種のほか、白色の花のシロバナジンチョウゲ、
花の外側が淡紅色で内側が白色のウスイロジンチョウゲなどがあります。


花弁のように見えるものは、萼(がく)が花弁状に変化したもので、花弁ではありません。
樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形になります。

沈丁花という名前は、花の香りが沈香に似ていることと、十字型の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来しています。
原産は中国で、室町時代以前にはすでに栽培されていたと言われています。
沈丁花は雌雄異株で、雄株と雌株があります。
日本のものは、多くが雄株で、実を見る機会はめったにありません。
雌株は赤い可愛らしい実を付けます。
この実は、猛毒ですので口に入れないように注意してください。
耐寒性は-5℃程度で、東北地方南部の平地で育ちます。
移植が難しいので、場所をよく選んでから植えつけてください。