私たちが子供であったころ、
小正月も、楽しく待っていたものだ。
当時の農村の各家々は、
かやぶき屋根で、大きな大黒柱があった。
その大黒柱に、団子を刺し終えた大きなミズノキが結わえられていた。
つまり、粉餅を臼でついて団子刺しをする習慣があった。
真夜中になると親父や兄たちが「ヤ―ホイホイ・・・・」、
と、大きな声で何度も叫んだものである。
つまり「鳥追い」をしたものであった。
また、14日の夕方になると、中学生以下の子供たちは袋を下げ、
5~6人集まり「餅もらい」と称し各家々を回った。
中でも、家族の誰かが厄年の方が居れば、
紅白の餅とミカンを頂けた。
当時、ミカンなど中々食べられない時代、
厄年にあたる家を優先して回り、
ミカン等をゲットした記憶がある。
そんなこともあったので、子供たちにとっても、
楽しく待ち遠しいものであった。