障害者の歯科治療

2007-12-16 01:54:06 | 歯科
実は私障害者が苦手でした。子供も苦手でした。
苦手というより慣れていない、出来ればさけたいと思っていました。


私は3人兄弟の3男で自分より年下の子供に接して来たことがなかった、電車などで騒いでいる子供を見ると、子供にも親にも腹がたった、

自分の子供ができて、かなり不安だった、しかし自分の子供は可愛いものでとても安心した、その後も可愛い子供は好きになったが、悪ガキやしつけのできない親には腹が立っていた、年をとり子供が大きくなると、小さな子供が無条件に可愛くなった、悪ガキでも許せるし可愛くなった、可愛くてしかたがないという感じだ。
よくよく考えてみると子供に慣れていないだけだったのだ、子供が怖い、子供が嫌い、子供が苦手、、、

大学の医局の上司から「障害者の歯科治療にいってくれ」といわれた。私は障害者が、怖く、苦手だった、嫌々、週に一度、土曜の午後半日の治療に行くことになった。やっぱり怖かった、自分で自分を殴る自傷行為がある障害者もいた、とても怖かった、保護やともどう接して良いのかわからなかった。
でも慣れるのだ。障害者の人達や家族と接することが普通になった。

歯科医師会から障害者の治療を頼まれると、慣れていない先生はやはり恐怖を感じている。恐怖は相手に伝わるのだ。普通に接すれば普通に治療ができる。替わって上げる、するとどう接したら良いのかも若い先生もわかるのだ。自分も嫌々やっていたことだ、差別的な見方もしていたと思う。
それを話すと若い先生も安心するみたいだ。

結局差別って相手を知らないだけなんだ、イメージの世界、だから好き嫌いがでてしまう。勝手な思い込み、不慣れ、恐怖、、、、

障害者の歯科治療はやらされて嫌々やったものだ、でも今は率先してできるし、本人や保護者に安心を与えることができる。

目の前に与えられたこと、苦手なことでも慣れるのだ、そしてそれは意味を持つようになっていく。障害者特に知的障害者の歯科治療をすることは私の役割の一つだと思っている。