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23578 ふるさと

2025-04-01 15:17:37 | 23570

夏の蒸し暑い日に生まれた。でもあの街ではなく山村だった。

当時は貧しかった。日本全国が焼け野原から立ち上がっていた。

都会と違い、あまり悲惨さはなく、食料に不自由はなかった。

 

山には果物、畑には野菜。勝手に採りまくりだった。

栗、柿、ミカン、リンゴ、桃、キュウリ、カボシャでした。

 

子供はチャンバラごっこ、隠れ家、探検、川遊び、色々だ。

学校に出かけると、進駐軍のDDTを頭からぶっかけられる。

今の様に幼稚園などと言った気の利いたものはなかった。

 

他人の家の屋根の上を走周り、良く叱られた。

何よりもお気に入りは、屋根の上で寝転び大空を見る。

実に気持ちが良い。大人になることを勝手に想像した。

 

だが、両親が亡くなり今や故郷はない。帰ることもない。

どっぷりと都会の濁った世界に馴染んでしまった。

 

それが愚息共の故郷です。やりたいこと、やり残したこと、

この齢になると、妥協と諦め、そんな人生を振り返る。

 

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