内分泌代謝内科 備忘録

血中ケトンの POCT は糖尿病ケトアシドーシスの診断と治療に有用か?

糖尿病ケトアシドーシスの診断と治療に血液ケトン測定は有用か?
Diabetes Care 2022; 45: 267-262
 
英国糖尿病学会の 2021年のガイドラインにおける糖尿病ケトアシドーシスの診断基準は、
 
血糖 >200 mg/dL
pH <7.3
重炭酸イオン <15 mmol/L
血液ケトン >3 mmol/L または尿ケトン 2+以上
 
である。この 3 mmol/L のカットオフ値は重炭酸イオン 18 mmol/L に相当する値として決めている (ただし、血液ケトン濃度と重炭酸イオン濃度の間の相関係数は 0.64-0.68 と高くない)。
 
システマティックレビューでは、血液ケトンの POCT を行うと糖尿病ケトアシドーシスの診断までの時間、回復までの時間、入院期間が短縮されることが示されている。
 
英国糖尿病学会の 2021のガイドラインでは、1時間毎に血液ケトンを測定し、血液ケトン低下が >0.5 mmol/L/時となることを目標とするとしている。これは、糖尿病ケトアシドーシスの治療時には血液ケトンが ~1 mmol/L/時で低下するという観察に基づく。
 
同ガイドラインでは、pH >7.3 かつ血液ケトン<0.6 mmol/L を寛解基準としている。
 
血液ケトンの POCT では、>5 mmol/L では値が不正確になることは注意が必要。
 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35050366/
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