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法律・司法試験研究室

法律・司法試験について考察します。

「立憲主義と日本国憲法」

2010年05月18日 | 推薦図書
来年の司法試験まではまだ時間があるので,ここいらで自分に影響を与えた本を紹介することにしよう。
もちろん,司法試験に関係のある本に限る。

初回は,「立憲主義と日本国憲法」高橋和之(有斐閣・平成17年)。

私は憲法に苦手意識を持っていた。
旧試験で「A」評価をもらっても,ちっとも憲法が分からない。

なぜ,人権の制約理由となる「公共の福祉」は,内在的制約に限られるのか。
なぜ,公益や国益を理由にして,人権を制約してはいけないのか。
なぜ,表現の自由は財産権よりも重要なのか。その序列を自分で決めるのも「自由」ではないのか。
なぜ,国対個人を規律するはずの憲法が,私人間に効力を及ぼし得るのか。
なぜ,小選挙区制がダメで比例代表制がいいのか。

全く分からなかった。

そんな折,法科大学院の友人から,この本を薦められた。

読んでみると,上記の疑問が氷解して行くのが分かった。
そのころ,高橋先生のゼミも始まったので,直接お話を伺うこともできた。

なんだ,オレみたいに考えている人もちゃんといるんだ。
しかも,憲法学の第一人者といっていい立場に。

高橋先生に洗脳された,というよりは,あいまいだった考えが高橋先生によって整理された。
まぁその結果,憲法のいろいろな面で高橋説に染まっているわけだが。

この本は,基本書らしくない長い名前だが,大学1年生が最初に手に取る憲法の教科書として最適だと思う。
初めて出会った,憲法の使い方が分かる本である。

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