ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

国立歌劇場の「薔薇の騎士」(後)

2006年12月13日 01時18分44秒 | 音楽(クラシック)
前回からの続きです。すっかり間が開いてしまいました。

Elina Garabcaについては別の情報が入りました。なんと彼女は次の風邪を弾き7日の公演は代役がたったそうです。彼女だけを前宛に来ている人がかなりいそうなので残念なことですが、私はとてもラッキーでした。

そして期待の彼女のオクタヴィアンはどうだったか?
間違いなく良かった。しかしはじめから私は「ちょっと調子悪いのかな?」と思っていたのでした。私は声の評価を出来るほどよく聞いていないのですが、なんというか彼女の声ののびが余裕がない感じで、その分音楽的な表現の幅が狭かったように思われました。私が聴いてきた一流の歌い手は先ず声の容量が違うと感じるのです。ギネス・ジョーンズのワルキューレ(メトロポリタンオペラのワルキューレ)、ジャネス・マルティンのオルトルート(ドイツ国立オペラのローエングリン)、それに及ぶインパクトはありませんでした。
しかしたとえば3幕はじめ'Nein, nein, Ich trinke kein wein'(いや、いや、私ワインはのめないの)と、かわいこぶるところはあからさまな猫なで声を出して見せたりなかなか芸達者で大胆なところは現代的だなあと思いました。
彼女の評価に着いては1月に沢山また聴くのでそれからにしたいと思います。

さて、久々に聴いた薔薇の騎士、心底楽しめました。そして、ああ、本当にウィーンの情緒に溢れているなあと思いました。多分前回はヨーロッパに対する憧れを抱きつつ聴いていたと思うのですが、今回はウィーン的な「人生、なるようにしかならないさ」という(オペラのストーリー的にはちょっと違うかもしれませんが)風情にぴったり来るのです。そしてオケの生き生きしていること!ワーグナーほど出ないにしてもこういうひっきりなしに引き続けるのは集中力もいるし大変なのではないかと思ってしまうのですが、これは彼らが完全に手中にしている音楽なんだと(当たり前ですが)感じさせられました。ウィーンフィルはやっぱりオペラで聴いていれば良いかなと最近は思っています。1月のモーツァルトオペラシリーズが今から楽しみです。