ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

国立歌劇場の「薔薇の騎士」(前)

2006年12月03日 01時06分16秒 | 音楽(クラシック)
ウィーン国立歌劇場の薔薇は今回2回目。一回目は十年前に日本で、クライバー指揮!
クライバーを生で聴いたことがあるのは物凄くいいネタで、以前オーストリア出身のクラシックオタクの研究者と話したときは、「どうして僕にはチャンスが無かったのに日本住んでる君が聴いてるんだ!」と物凄く羨ましがられました。

更にネタとしていいのはものすごくチケットが高かったこと。ウィーンからの引越しオペラ公演だからコストは掛かって当然で、どれくらい不当に高いのかはよく分かりませんが、一番高いチケットは6万五千円。私のは4万で、東京文化会館の屋根裏のような5階のセンターでした。舞台は本当に見下ろすようで、奥のほうは見えないのですが、文化会館はとにかくセンターがいい、というのが私の持論で、音はとてもよかったです。あそこは不思議なホールで2階でもサイドの端のほうは良く見えないし、音も余り良くありません。一晩で4万は学生の私にはとんでもない出費でしたが、でも学生だから出来た素晴らしい出費でした。

このときの演奏はウィーンでのものがDVD化されてますし、多分この録音のせいで、このオペラはよりメジャーになったんじゃないかと思うくらいですが、キャストも恐ろしく揃っていて(恐らく完全にクライバーの好みで)、素晴らしく完成度の高く、クライバーの魅力たっぷりの演奏だったと思います。

Der Rosenkavalier
Dirigent Adam Fischer
Die Feldmarschallin Deborah Voigt
Baron Ochs Alfred Muff
Octavian, Elina Garanca
Sophie Jane Archibald

で、前置きが長くなりましたが、今回のは演出が完全に同じです。つまり舞台、服装は全く同じ、歌い手は全部違う、と言うことです。もちろん指揮者も違います。演奏はクライバーを意識しすぎなのか、あれがスタンダードになってしまったのか、冒頭からしてクライバー的なテンポで驚きました。が、序曲は快適に飛ばすものの管は完全の後手を引き、かなり怪しげな掛け合いで心配になりました。しかしこのオペラは彼らとしては自分達の為にあるようなものでしょうから、舞台が開いて落ち着けばさすがと言う感じ、私のところからは第二バイオリンがとても気持ちよさそうにのびのび弾いているのが見えました。

さて、私としては今回の注目は(多分聴衆の多くがそうだったと思うのですが)、OctavianのElina Garanca(つづりの最後は多分正確でありません。スペイン語だと思うのですが、読みはガランチャ、ガランシアの中間くらいでしょうか?)。今春ムーティーが振ったフィガロでケルビーノを歌い、別格だったそうで、その評判を聴いて、彼女を目当てにチケットをとっています。新年にはセビリア、フィガロ、コシファンと大忙しです。今度のモツレクにも入っていましたが、残念ながら取り逃しました。まあオペラのほうが絶対彼女の演技を含めて楽しめるに違いありません。

と、ここら辺で長くなったので続きは今度にします。ではまた!