Dark matter, Hawking radiation, black holes,

Approaching the Identity of Dark Matter

その6・素粒子物理学の展望:日本の3

2024-05-19 | 日記

『ニュートリノ振動・陽子崩壊実験の展望+α¶
現在運転中のスーパーカミオカンデはニュートリノ振動実験、陽子探索実験において世界を先導してきた。

それを更に大型化,高性能化したハイパーカミオカンデではより高感度での実験が可能となり、ニュートリノ振動におけるCP対称性の破れの確認陽子崩壊の初観測等の成果が期待される。

本講演ではスーパーカミオカンデにおけるニュートリノ、陽子崩壊研究の現状とハイパーカミオカンデで期待される展望等について述べる。

Speaker: 田代 拓也 (ICRR): https://conference-indico.kek.jp/event/236/contributions/4343/attachments/3261/4459/Tashiro_neutrino_v1.pdf :』

『ニュートリノ振動・陽子崩壊実験の展望+α

大統一理論の重要な予言の1つ: 陽子が有限の寿命で崩壊する(陽子崩壊)。陽子はSMでは崩壊しない。
陽子崩壊の発見は大統一理論の証拠となる

‣ 宇宙背景ニュートリノ(CνB): < 1eV 
‣ 太陽の熱ニュートリノ(1eV ~ 10keV) 
‣ 地上の高温(O(1000)K )の物体(溶鉱炉など) からの放射
-> ニュートリノの工学的利用
‣ 非相対論的ニュートリノの可能性
-> ニュートリノの粒子としての性質の理解

‣ ちなみに”super low energy neutrino”で検索するとSK関連ばっかりhitする(“Super”-Kamiolandeのため) 
‣ “Ultra low energy neutrino” で検索することをおすすめする

‣ 宇宙誕生初期はニュートリノの対生成/対消滅が繰り返す状態
‣ 宇宙の温度が1MeV程度まで下がると対消滅が起きなくなり(freeze-out), その時点のニュートリノは現在でも宇宙背景ニュートリノ(CνB)として残っている
‣ CνBのfreeze-outは宇宙誕生後約1秒で起きたと考えられている
CMBの宇宙の晴れ上がりが約40万年後なので、CνBで遥かに過去の宇宙を調べられる

‣ 現在の宇宙ではCνBはフレーバーあたり56/cm3程度のCνBが存在していると考えられている。』

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『一立方キロメートルニュートリノ望遠鏡の成果と次世代望遠鏡に向けた展望¶
高エネルギー宇宙ニュートリノは、宇宙のどこかで加速されている超高エネルギー宇宙線が天体内外の光や物質と相互作用することで生成される荷電パイオンの崩壊によって作られる。

同時につくられる中性パイオンの崩壊からはガンマ線が出るので、ニュートリノ天文学と言う時は常に光を使った観測と組み合わせ、マルチメッセンジャー天文学として統合的に宇宙を理解するということを目指す。

このような高エネルギー宇宙ニュートリノの観測目指し南極点に建設されたのが世界初となる一立方キロメートルの容量を持つIceCubeニュートリノ望遠鏡である。北半球の地中海やバイカル湖でも同規模の望遠鏡の建設が進められている。本講演ではIceCubeの完成から約10年で得られた成果を紹介し、その成果を踏まえた将来展望について議論する。

Speaker: 石原 安野 (千葉大): https://conference-indico.kek.jp/event/236/contributions/4350/attachments/3268/4465/KEK_FutureOfParticlePhysics_Ishihara.pdf :』

『• 素粒子実験的な観測手法から宇宙物理学(天文学)へアプローチ
• 高エネルギー(GeV-EeV)ニュートリノが持つ情報が有用な物理全て
• 宇宙と素粒子をまたがる多目的実験
• PeVまでは自然に存在する媒体を利用することで確立。EeVエネルギー領域は新しいテクニックを試す余地あり

まとめと展望
• 世界初の㌔立方ニュートリノ検出器としてIceCubeが稼働し、>12年。較正など苦労しつつも手法は確立。 宇宙ニュートリノ総量も100TeV領域では確立
• 宇宙ニュートリノは宇宙から今も届いている高エネルギー素粒子ビームであり、物理 の標準理論の確認や、標準理論を超える物理のヒントを探すのに有益なツールである
• IceCubeは2025年にアップグレード(系統誤差減少・低エネルギー領域拡張)を計画(建設用ドリルが整備された)
• 次世代ニュートリノ検出器計画 IceCube-Gen2(ジェンツー)は、2028年からの建設を 目指す
• EeV領域はニュートリノシャワーの撮像をいかにするかのデモンストレーター乱立
• GZK球より遠方の超高エネルギー宇宙をEeVニュートリノで観測
• デモンストレーターから本計画に移行するには、相当いい結果がデモンストレーターが出るか
• 乱立している計画が一つにまとまって、チームとして予算獲得を働きかけるか』

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現代物理学の展望 記事一覧

https://archive.md/3Sqzt

 


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