Dark matter, Hawking radiation, black holes,

Approaching the Identity of Dark Matter

超対称性(SUSY)、力の統一(GUT)、超弦理論とダークマターの歴史(1915~2003年)

2024-06-21 | 日記

1915~1916年 一般相対論の発表 アインシュタイン
・・・そうしてすべてはここから始まったのであります。

1914年(?):ノルドシュトルム:五次元 (Five-dimensional space) 目の時空をアインシュタイン方程式に四次元をマクスウェル方程式に分割する方法は、1914年にグンナー・ノルドシュトルムによって初めて発見された。(グンナーの重力理論(英語版)参照)しかし、この理論は忘れ去られた。

1916年:カール・シュヴァルツシルトが、アインシュタイン方程式を球対称・真空の条件のもとに解き、今日ブラックホールと呼ばれる時空を表すシュヴァルツシルト解を発見した。

1917年: アインシュタイン論文『一般相対性理論についての宇宙論的考察』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 142-152)・・・膨張も収縮もしない、静的な宇宙を表現するための宇宙項についての考察

1918年: アインシュタイン論文『重力波について』(S.B. Preuss. Akad. Wiss., 154-167)

1919年4月:カルツア:アインシュタインに手紙を送る:カルツアの5次元理論:マックスウエルの方程式とアインシュタインの方程式がそこから出てくるもの。

1920~1950年:アインシュタイン:「統一場の理論」検討:但しこの理論はアインシュタインの努力にもかかわらず完成しなかった。

1922年:宇宙膨張を示唆するフリードマン・ロバートソンモデルが提案される。
・・・フリードマン方程式、さらにはシュヴァルツシルト解は本当に一般相対論発表後、すぐに提案されている事が良く分かります。
・・・ウィレム・ド・ジッターとアルベルト・アインシュタイン (Albert Einstein) は、1920年代にライデンで、宇宙の時空の構造について研究を共にした。
(ド・ジッター宇宙・・・密度と圧力がともにゼロで、宇宙項が正の値をとる宇宙である。)
(フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量・・・1920年代に アレクサンドル・フリードマン、ジョルジュ・ルメートル、ハワード・ロバートソン、アーサー・ウォーカーらによって独立に議論されていたものである。)

1921年~1926年:カルツァ=クライン理論:重力と電磁気力を統一するために五次元以上の時空を仮定する理論である。理論物理学者のテオドール・カルツァが1921年に提唱し、1926年にオスカル・クラインが修正した。

クラインは、五次元時空の理論に余剰次元を非常に小さなスケールに折りこむというコンパクト化の理論を組み込んだ。

1927~33年:膨張宇宙説、ジョルジュ・ルメートル、彼が1927年から1933年にかけて発表した理論は特にアルベルト・アインシュタインの一般相対性理論に基づいたものであった。

1928年:ディラック:1928年 - ポール・ディラックが相対論的量子力学により、電子の反粒子の存在を予言(ディラック自身はこの粒子を陽子と解釈しようとした)

1948年:- 朝永振一郎、リチャード・P・ファインマン、ジュリアン・シュウィンガーによる量子電磁力学の繰り込みの発表:QED

1948年にジョージ・ガモフは高温高密度の宇宙がかつて存在していたことの痕跡として宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) が存在することを主張、その温度を5Kと推定した。<--後にビッグバン宇宙論と呼ばれる事になる。

1954年: - 楊振寧、ロバート・ミルズによりヤン・ミルズ理論が発表された[4]。

1964年:マレー・ゲルマンによりクォーク模型が提唱された[9]。
ピーター・ヒッグスによりヒッグス機構が提唱された[10]。

1964年、CMB が1964年になって発見されたことにより、ビッグバン宇宙論の対立仮説(対立理論)であった定常宇宙論の説得力が急速に衰えた。
(1964年にアメリカ合衆国のベル電話研究所(現ベル研究所)のアーノ・ペンジアスとロバート・W・ウィルソンによってアンテナの雑音を減らす研究中に偶然に発見された。)

1967年:- スティーブン・ワインバーグにより後のワインバーグ=サラム理論が発表された[11]。(1968年にアブドゥッサラームも独立に発表[12]。)

1968年:超弦理論: ベネツイアーノ、鈴木:オイラーのベータ関数に行き当たる。

1969年:KSV予想:吉川、崎田、ヴィラソロ

1970年:超弦理論:南部

1970年代、暗黒物質(ダークマター)の存在の「間接的な発見」は、1970年代にヴェラ・ルービンによる銀河の回転速度の観測から指摘された。

1973年:小林誠と益川敏英により小林・益川理論が提唱された[15]。

ガーガメル実験により、中性カレント反応(Zボゾンを介した相互作用)が発見された。

1974年:GUT(Grand Unified Theory):歴史的には、単純なリー群 SU(5)に基づく最初の真の GUT は、1974 年にHoward GeorgiとSheldon Glashowによって提案されました。[3] Georgi-Glashow モデルには、半単純なリー代数Pati-Salam モデルが先行しました。

同じく 1974 年にAbdus SalamとJogesh Patiによって作成されました [4] 。ゲージ相互作用を統一するというアイデアの先駆者です。

1975年:ホーキングの原論文は「Particle Creation by Black Holes」Received April 12, 1975:Commun. math. Phys. 43, 199--220 (1975):BHは最終的にホーキング放射で蒸発する、とした。

1977年:ピエール・ファイエ:SUSY:素粒子物理学では、標準モデルの最初の現実的な超対称バージョンが 1977 年にピエール・ファイエによって提案され、最小超対称標準モデル(略して MSSM)として知られています。とりわけ、階​​層問題を解決することが提案されました。

1980年頃:標準模型(Standard Model)は、1960年代から1970年代にかけて発展し、1970年代後半から1980年代初頭にかけてその基本的な構造が確立されました。

1981年、インフレーション宇宙論、この理論は、1981年に佐藤勝彦、次いでアラン・グースによって提唱された。
この膨張宇宙の時間発展は正の宇宙定数を持つド・ジッター宇宙と同様のものである。
そしてインフレーションによって、1970年代に指摘されていたビッグバン宇宙論のいくつかの問題点が解決される。

1984年:超弦理論:グリーン、シュワーツ:超弦理論が量子重力を記述するただ一つの矛盾のない理論である事の証明

超弦理論のブーム到来

1985年:超弦理論:エドワード・ウィッテン登場:コホモロジー理論による弦の場の理論発表

1989年頃:「局所場から超ひも理論へ - (現代物理思想の一潮流)」

http://repository.tokaigakuen-u.ac.jp/dspace/bitstream/11334/1237/1/KJ00000119040.pdf

6ページにアインシュタインに始まった「統一場の理論」構築の流れが「超弦理論」に至るまでの流れとしてその当時の認識として図示されている。

そうして2024年時点でもこの認識に変わりは無いように見える。


1991年 COBE報告 (COBE:1989年打ち上げ)<--リンク
CMBは、100,000分の1のレベルで、固有の「異方性」を初めて持つことがわかりました。
宇宙マイクロ波背景(CMB)スペクトルは、2.725 +/- 0.002 Kの温度を持つほぼ完全な黒体のスペクトルです。
この観測結果は、ビッグバン理論の予測と非常によく一致。<--ビッグバン理論の最終検証。

1998年:DAMA: DAMAは 1998年に季節変動を捉えることでダークマターを検出したという報告をして以降,検出器の改良を経て観測を継続,これまでに通算20 年分の季節変動を観測している.但しそれ以外の直接観測での追試では観測されていない。

1998年、宇宙の加速膨張の発見。<--リンク
2つのチーム(パールムッター、シュミット+リース)がほぼ同時にそれらの研究結果を発表。
2001年、SN1997ffというもっと遠方のIa型超新星爆発がハッブル宇宙望遠鏡により偶然観測されており、2001年にそのデータの再解析が行われました。
両者の傾向を同時に説明するためにはΩM=0.35、ΩΛ=0.65の理論曲線が良く合うことが示されている。(ΩM=物質+ダークマター、ΩΛ=ダークエネルギー)
A.G.Riess et al, Astrophys.J. 560 (2001) 49-71.<--理論曲線は宇宙の曲率はゼロとして計算したものと推定される。

2000年 BOOMERamG<--リンク (http://archive.fo/G6ykd)
CMBのはじめてシャープな分布図が得られた。(COBEの観測により得られた分布図は、まだピンぼけ画像のようなものに過ぎなかった。)
そして、今回ブーメラン・プロジェクトにより得られたマイクロ波宇宙背景放射のゆらぎの分布は、宇宙が「平坦な宇宙」であると仮定した場合予想される分布と非常によく一致していた。

2003年:標準宇宙論: WMAP報告・・・CMBの詳細解析<--リンク (WMAP打ち上げは2001年)
宇宙の組成は4%が通常の物質、23%が正体不明のダークマター、73%がダークエネルギーである。
このことからいわゆるΛ-CDMモデル(Λ-CDM:宇宙定数+冷たい暗黒物質)と呼ばれる宇宙モデルとの一致が確認された。

宇宙の組成やインフレーションを含めた標準宇宙論が確立したのは最近で、WMAP衛星の観測結果のでた 2003 年である。
『第4講 宇宙の幾何学』より引用<--リンク


ちなみにダークエネルギーというコトバはマイケル・ターナーが1998年に初めて使ったとされる。

宇宙の再加速膨張が観測されるまでは宇宙定数Λ(ラムダ)は主に宇宙年齢と球状星団の年齢との不整合を調整する目的で検討されていた。(注1
それが加速膨張の発見でダークエネルギー、宇宙の膨張を加速させる反重力源として扱われる様になった。
・・・・・
こうやってまとめてみますと、本当に直近の100年で爆発的に宇宙論が発展してきた事が良く分かります。

2003年と言うのが「標準宇宙論の完成の年」であり、それ以降「宇宙論」と「素粒子物理学」が本格的にお互いに関連性をもって発展していく事になりました。

さてそうであればこれ以降、本格的にダークマターの正体探しが始まったと見る事ができます。

 

追記:『"LSPがダークマターだ"という考えが一般的になり始めたのは、1990年代後半から2000年代初頭のころです。これは、超対称性理論がダークマターの候補として注目されるようになった時期と一致しています。』

『この考え方は、超対称性理論を研究する多くのグループや個々の研究者によって提案されました。具体的な個人やグループを挙げることは難しいですが、1980年代から1990年代にかけて、超対称性理論の研究が盛んになり、ダークマターの候補として注目されるようになりました。その後、実験データや理論的な議論が進展するにつれて、この考え方がより具体化され、検証されるようになりました。』

『LSPは「最も軽い超対称性粒子(Lightest Supersymmetric Particle)」の略称です。超対称性理論では、通常、電弱相互作用を媒介するヒッグスボソンやゲージ粒子のスーパーパートナー、または色相互作用を媒介するクォークやグルーオンのスーパーパートナーなど、標準模型の粒子のスーパーコンパニオンが存在すると考えられています。これらのスーパーコンパニオンの中で、最も軽いものがLSPと呼ばれ、一般的にはダークマターの候補として注目されています。』以上、GPT3.5

注1
『1990年以前に考えられていた宇宙定数の存在理由は基本的には年齢問題である。
球状星団の年齢から推定された宇宙の年齢の下限値は、150 億年~180 億年とされ、単純な Einstein -de Sitterモデルの予言である67h^-1 億年とは、当時のハッブル定数hの不定性(0.5 <h< 1.0)を考慮しても相容れない。
宇宙定数の導入によってこれを救おうとするわけである。
・・・・・
衛星による宇宙マイクロ波背景輻射および超新星モニターにより、本当に宇宙定数が存在するのか、またその値がいくつであるのかについては、遅くとも 10 年以内にはほぼ結論が確立するであろう。』
「宇宙定数」須藤 靖 2002年 P53 <--リンク

という予想通りに2003年に標準宇宙論が確立したのであります。

つまりは「我々の宇宙におけるバリオン、ダークマター、ダークエネルギーについての存在比率が確定した」のです。

『宇宙におけるバリオン、ダークマター、ダークエネルギーの存在比率は、現代宇宙論の観測結果に基づいて次のように示されます。

バリオン、ダークマター、ダークエネルギーの存在比率
・バリオン(通常の物質): 約 5%
・ダークマター: 約 27%
・ダークエネルギー: 約 68%
これらの値は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測結果や、銀河の運動、遠方の超新星の観測データなどに基づいて決定されています。

詳細な説明
・バリオン(通常の物質)
バリオン: 宇宙を構成する通常の物質で、原子や分子、星、惑星、そして生命体などを構成する物質です。
存在比率: 全宇宙のエネルギー密度の約5%を占めます。

・ダークマター
ダークマター: 直接観測することはできませんが、その重力効果を通じて存在が確認されています。銀河の回転曲線や銀河団の運動、重力レンズ効果などを通じてその存在が示されています。
存在比率: 全宇宙のエネルギー密度の約27%を占めます。

・ダークエネルギー
ダークエネルギー: 宇宙の加速膨張を引き起こしているとされるエネルギーです。その本質はまだよくわかっていませんが、宇宙の膨張速度の測定からその存在が示唆されています。
存在比率: 全宇宙のエネルギー密度の約68%を占めます。

観測方法
これらの比率は、以下の観測データに基づいて決定されています:

宇宙マイクロ波背景放射(CMB): ビッグバンからの残光で、宇宙の初期条件とエネルギー密度の情報を含んでいます。特に、WMAPやPlanck衛星による観測が重要です。・・・』by チャットGPTo

追記:ヒッグス粒子(ヒッグスボソン)の発見は、2012年7月4日。

「2012年7月のヒッグス粒子(ヒッグスボソン)の発見」をもって現在までの物理学上の主なイベントの終了と見なすことができます。

それ以降、今日に至るまでに言及すべき重要な進展は見当たりません。

『ヒッグス粒子(ヒッグスボソン)の発見は、2012年7月4日に発表されました。この発見は、CERN(欧州原子核研究機構)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使用したATLAS実験とCMS実験の両方で確認されました。

詳細
・発表日: 2012年7月4日
・場所: CERN(欧州原子核研究機構)
・実験: ATLAS実験およびCMS実験
・加速器: 大型ハドロン衝突型加速器(LHC)

この発見は、素粒子物理学における標準模型の重要な要素であるヒッグス機構を実証するものであり、物理学の大きな進展とされています。この発見により、2013年にはピーター・ヒッグスとフランソワ・アングレールがノーベル物理学賞を受賞しました。』by チャットGPTo

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現代物理学の展望 記事一覧

https://archive.md/gwYBk