言葉のお陰。

2004-11-14 15:10:21 | フランス France et plus
本はたいてい電車の中で読んでるんだけど
このサルトルの本、汚れた手を読み終わって
ちょっとショックで本を手にホーっとしてたら
隣のおじさんが、フランス語話すんですか?ってフランス語で聞いてきた。
ハイチ出身のおじさんだった。
友達のハイチ系の子達はアメリカ育ちなので
フランス語は流暢でなかったりするけど
このおじさんはけっこうな歳だったし
フランス語もクレオール語も話せるようだった。
目的の駅に着くまでちょろっと会話をしました。
おじさん、勉強好きで今大学に通ってるんだと学生証見せてくれた。

言葉ってこうやって
全然違う世界の人との出会いをもたらしてくれる。
だから語学の勉強、やめられないんだよねえと
いつも思うことなんだけどまた思わされました。

人の心って複雑なんだよなあ。

2004-11-14 15:09:03 | フランス France et plus
昨日Sartreサルトルの劇作本、Les mains sales「汚れた手」を読み終わった。
正確にはおととい読み終わったんだけど
最後の章を3度ほど読み直した。

いやー重かったー。

戦争中の政治思想をめぐってのお話。
主人公は信じていた人を自分の手で殺した。
でも彼の死は意味ある死だと思っている。
一方で同じ志を持っていると信じていた彼女や仲間たちは
生き延びるために、その殺された彼の死を
無意味なものとしようとする。
主人公はそんな彼らを信じられなくなる。
生前は思想の違いもあり素直に認められなかったけれど
殺した彼は心底信じられる、人間的に素晴らしい人だった。
主人公は自分自身の死をもって
殺した彼の死を意義あるものとしようとするところで終わり。

こんな感じのストーリー展開。

ハッピーエンディングかと思いきや
最後のシーンで仲間の信じられない心を知って
一気にマジかよ!な展開。
そういう落ちかと思いもせんかったので
ちょっと読み終わってショック。

読み応えあったなあ。

人の心って複雑だよなあ、って思わされながら読んでたけど、
読んだ後もつくづくそう思ったわ。
むちゃくちゃ入り組んでるよなあ、人間の心って。
まぁ単純明快なときだってあると思うけどよ。

パリいたとき演劇クラスとったけど
この「汚れた手」の劇、見てみたい。
あと自分でもやってみたいなんて思っちゃった。
授業でやった演技なんて緊張するばっかで苦手だったのに。
なんでだろ?