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新型コロナ、なぜこんなに「無症状」が多いのか?

2020-11-27 18:45:34 | 日記

下記の記事は日経電子版からの借用(コピー)です
型コロナウイルス感染症で厄介なのは、誰が感染を拡大させているのかが見えづらいことだ。
土曜日の晩には「元気」だったので大勢の人と接したが、月曜日になって咳、熱、疲労感に襲われ、感染していたことに気がついた。米疾病対策センター(CDC)の推計によれば、そんなふうに症状が出る前の人がウイルスをうつすケースは、感染例のおよそ半数を占める。
だが、さらに実態をつかみにくいのは、ウイルスに感染していても全く症状が出ない人のケースだ。CDCによれば、全米の感染例のうち、そうした無症状の感染者は4割に上るという。
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発症前(pre-symptomatic)に他人に感染させる人や、無症状(asymptomatic)の人がなぜこんなにも多いのか。知らない間に感染が広がるのは、インフルエンザやかぜなどのウイルスも同じだ。しかし、新型コロナウイルス感染症では極端に把握が難しく、したがってコントロールも難しい。
問題の一つは、病状の現れ方がよくわかっていない点にある。高齢者のほか、肥満、喘息(ぜんそく)、糖尿病などの既往症を抱えている人の方が、重症になるケースが多いことは明らかになっている。しかし、感染しても重症化を免れる人についてはよくわかっていない。
現在、無症状あるいは軽症になるメカニズムや、そうした人からどのように感染が拡大するかを予測するモデルについて、競うように研究が進められている。今のところ、遺伝的要因や年齢、免疫系における個人差が複合して、症状の重さを左右しているのではないかとの結果が出てきている。
無症状者を把握する難しさ
無症状での感染拡大を調査しようにも、そうしたケースがどれくらいの頻度で起こっているのかを把握することが最大の難関となる。どこも調子が悪くない人は、そもそも検査に行くこともないだろう。
中国やアイスランドのように広範な検査を行った場所でさえ、信頼性の高いデータは少ない。理由の一つは、検査を受けた人が後になって発症したかどうかを、十分な期間を設けて追跡する調査が行われていないためだ。2020年7月22日に学術誌『ネイチャー』に掲載された論文では、パンデミック(世界的な大流行)発生当初の中国、武漢においては、発症前のウイルス保有者による感染を保健当局が知らなかったため、感染例の87%が見逃されていたと推測されている。
状が全く出ない人による感染を調査することは困難なため、そのような人にどのくらいの感染力があるのかは不明瞭だ。CDCは、無症状者の感染力は症状があるケースの75%ほどではないかと推定している。これは、症状の有無や程度によって、体外に排出されるウイルスの量や感染力にどのような違いあるかについて調べた研究に基づいている。だが同時に、この数字について注意を促してもいる。いわゆる「ウイルス排出」の仕組み自体があまり解明されていないからだ。
無症状の人はそもそもウイルスの量が少ないのかもしれない。あるいは、コウモリのような免疫系を持っているのかもしれない。「コウモリはウイルスを保有していますが、全く症状が表れません。特殊な免疫反応によってウイルスを抑え込んでいるようなのです」。米アイオワ大学教授で微生物学と免疫学が専門のスタンリー・パールマン氏はそう説明する。
こうした説は、中国で最近行われた研究の解明に役立つかもしれない。6月18日付で学術誌『ネイチャーメディシン』に掲載された論文によれば、無症状の人は全般的に免疫反応が弱く、ウイルスと闘う武器である抗体をあまり作らないことが示唆されたという。
若さの背景にあるもの
研究者たちはまた、どんな人が無症状や軽症になりやすいのかを調べている。英国の1730万件近い医療記録の分析によれば、新型コロナウイルス感染症は高齢者では死亡に至るリスクが高い一方で、若者の大半は重症化しない。
重症化するかどうかについて「関連性が圧倒的に強い要素は年齢です」と、米ハーバード大学ブリガム・アンド・ウィメンズ病院感染症科の診療部長と医学部教授を兼務するポール・サックス氏は言う。
しかしそれは、一般的に若者の方が健康であるという単純な理由からではない。新型コロナウイルスが細胞に感染する際の入り口となる「ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)」というタンパク質を多く持っている人は、より高リスクなのではないかとの説がある。高齢者は全身や、ウイルスにさらされやすい鼻にACE2を若者より多く持っているのだ。また、肥満の人もACE2が多い。
注目が集まっている説は他にもある。若者の方が一般的に呼吸器系のウイルスに感染することが多く、それが新型コロナウイルスに感染したときの危険度を下げているのではないかというものだ。「すでに複数種類のコロナウイルスに暴露されているため、新型コロナウイルスに対する部分的な防御態勢が出来ているわけです」とサックス氏は説明する。
7月15日付で学術誌『ネイチャー』に掲載された、査読済みだが編集前の論文では、特定の種類のコロナウイルスに感染して回復した人は、新型コロナウイルスを撃退したり軽症に抑えたりできるような「メモリーT細胞」を保有しているのではないかと主張されている。
あるいは、無症状の人は単に遺伝的に運が良いだけではないかと示唆する研究もある。特定のタイプのACE2遺伝子を持つ人は、新型コロナウイルスに感染しやすかったり、炎症を起こしやすいせいで肺にダメージを受けやすかったり、血管が収縮して症状が重くなりやすかったりする。イタリアとスペインで実施された調査の結果、特定の血液型の人は入院に至るリスクが高いとする報告も出された。しかし、それを否定する、より大規模な調査結果が、7月に入って複数発表されている。
「無症状」にもいろいろある?
他の一般的な感染症でも、無症状のまま感染を拡大させることはありうる。だが、研究は重症患者に注目して行われることが普通であるため、無症状者が関わるケースは見落とされがちだ。
こうした見えない感染の実態を把握するための調査が、16年秋から18年春にかけて米ニューヨーク市で行われていた。市内の複数箇所の214人を対象に毎週、かぜの原因となる従来型のコロナウイルスやインフルエンザウイルス等、18種類の呼吸器系ウイルスの検査を実施した。1年半の調査の結果、陽性のケースのうち、なんと55%が無症状であり、ほとんどのウイルスにおいて無症状感染の割合は70%を超えた。
とはいえ、こうした無症状者の感染力について、特にインフルエンザ研究者の間では見解が分かれている。
「長年、議論されていることです」と話すのは、香港大学公衆衛生学院の教授で疫学・生物統計学分野を率いるベンジャミン・カウリング氏だ。「インフルエンザウイルスの潜伏期間は1、2日です。感染はすばやく起こり、多くの場合、症状は軽く済みます。患者の行動歴をたどって感染した経緯を調べようと思っても、大変難しいものです」
新型コロナウイルスの感染経路を突き止めることは容易ではないが、カウリング氏が言うには、最長で約2週間という長い潜伏期間のおかげで、接触者を追跡したり無症状感染者を特定したりするチャンスは増える。ただし、ここで注目すべきことがある。感染していることを告げられると、そう言えば全く症状がなかったわけではない、と考え直す人がいることだ。
「症状について聞かれて初めて、体調が良くなかったことを思い出すのです」とカウリング氏は述べる。「喉がイガイガする、頭痛があるなどの軽い症状や、調子が悪いものの、感染による症状なのか寝不足のせいなのかよくわからない、というグレーゾーンがあるのです」
新型コロナウイルス感染症の症状とされるものは日々増えつつあるので、何がそれに当たるのかについて混乱があるのも無理はない。現在では、味覚や嗅覚の喪失、足の指が紫色になるほか、吐き気や下痢など消化器系の症状なども、典型的な症状の中に含まれている。6月18日付で学術誌『ネイチャーメディシン』に発表された論文によれば、明確な症状がない人でも肺にダメージを受けていることがあるという。
つまり、これまで完全に無症状と思われてきたケースは、あまりに症状が軽いために、本人も感染を疑わなかっただけかもしれない。「なんとなく調子が悪いけれど、まさか新型コロナのせいだとは思わないような症状です」。米テキサス大学オースティン校で感染症のモデルを研究する統合生物学の教授、ローレン・アンセル・マイヤーズ氏はそう話す。
こうしたグレーゾーンについての知見を深めることが、ウイルスの感染拡大を抑える鍵になるかもしれない。
「軽い症状にどんなものが多いのかがわかれば、感染者を迅速に特定し、隔離することができるようになるでしょう」とマイヤーズ氏は言う。「完全に無症状というケースが思ったよりも少ないのであれば、今後の道筋や活動制限の緩和方針に大きな影響を及ぼすかもしれません」


アストラゼネカ、新たなコロナワクチン治験か データに疑問の声&トヨタ、10月の世界販売8.3%増・生産9%増 

2020-11-27 14:47:45 | 日記

[26日 ロイター] - 英製薬大手アストラゼネカのソリオ最高経営責任者(CEO)は26日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの有効性を評価するために、追加で世界的な臨床試験(治験)を実施する可能性が高いと述べた。ブルームバーグが報じた。英製薬大手アストラゼネカのソリオ最高経営責任者(CEO)は26日、英オックスフォード大学と共同開発している新型コロナウイルスワクチンの有効性を評価するために、追加で世界的な臨床試験(治験)を実施する可能性が高いと述べた。ブルームバーグが報じた。ロンドンで2014年4月撮影(2020年 ロイター/Stefan Wermuth)
アストラゼネカが23日に発表した新型コロナワクチンの臨床試験(治験)の中間結果によると、まず半分の量を投与し、少なくとも1カ月の間隔を置いて全量投与した場合の有効率が90%と、計画通り全量を2回投与した場合の有効率62%を上回った。ワクチン開発関係者によると、1回目に半分の量を投与したのは「セレンディピティー(偶然の幸運)」だったという。
これに対し、一部の科学者からは治験結果の信頼性を疑問視する声が上がっていた
報道によると、ソリオCEOは半分の量を投与した場合の有効性をさらに評価するために新たな治験を実施すると表明。「より有効性が高い可能性のあるケースが見つかったために検証しなければならず、追加試験が必要だ」とし、おそらく「国際的な試験になるが、有効性が高いことは分かっているので、今回の試験は少ない参加者で迅速に実施できる」と語った。
また、今回の追加試験で英国と欧州の規制当局による承認が遅れるとは想定していない一方、米食品医薬品局(FDA)は米国外で実施された治験結果に基づきワクチンを承認する可能性が低いため、米国での承認には時間がかかるかもしれないと指摘。一部の国では年内の認可が予想されるとした。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの実験医学教授、ピーター・オープンショー氏は「限られたデータ発表しかない」とし、完全なデータと規制当局の見解を待つ必要があると指摘。米国と欧州の規制当局では「異なる見解を取る可能性がある」と述べた。

専門家が懸念するのは、治験で最も有望な90%の有効性を示したのがサブグループ(特定の層)解析だった点。英イースト・アングリア大学のポール・ハンター医学教授は「無作為化比較試験におけるサブグループ解析は常に困難を伴う」と述べた。
また、アストラゼネカがこれまで公開したデータについて重大な空白を指摘する声もある。インペリアル・カレッジ・ロンドンのダニー・アルトマン免疫学教授は「われわれはわずかなプレスリリースに基づき、非常に複雑な治験デザインを評価しようとしている」と懸念する。
アストラゼネカが発表したデータは、目玉となる有効率以外に科学者たちが評価できる部分はほとんどなく、例えばサブグループで何人の感染が発生したのか、2回の全量投与群やプラセボ(偽薬)群で何人の感染があったかという点は明らかにされていない。
フランス国立科学研究センターのモルガンヌ・ボンセル氏は「アストラゼネカがデータを選んでいる印象を受ける」と語った。
一方、アストラゼネカは、半量投与については効果安全性評価委員会(独立データモニタリング委員会)と英規制当局によって審査され、承認されたとし、規制当局が公に「懸念はない」と確認したと説明した。

また同社広報は、報道についての質問に「データを評価中で、さらなる評価のための最善のアプローチを規制当局と検討していく」とした上で、追加のデータは「当局への提出に向け準備している既存の治験データに加えられることになる」と述べた。
オックスフォード大からコメントは得られていない。
米FDAは、アストラゼネカのワクチン治験についてコメントしていない。欧州医薬品庁(EMA)は26日、「ワクチンの有効性と安全性に関するデータが同社から届けば、数週間以内に評価する」と表明した。

トヨタ、10月の世界販売8.3%増・生産9%増 中国が好調

[東京 27日 ロイター] - トヨタ自動車が27日発表した2020年10月の世界販売(トヨタ車とレクサス車)は、前年同月比8.3%増、世界生産が同9%増となり、いずれも10月単月として過去最高だったと発表した。世界販売は主に中国や米国、世界生産は中国と日本などがけん引した。 11月27日、トヨタ自動車が発表した2020年10月の世界販売(トヨタ車とレクサス車)は、前年同月比8.3%増、世界生産が同9%増となり、いずれも10月単月として過去最高だったと発表した。写真はチェコのプラハで昨年4月撮影(2020年 ロイター/David W Cerny)
<世界販売は10月の過去最高に、米中好調続く>
10月の世界販売は84万7713台となり、2カ月連続で増加。トヨタは新型コロナウイルスの影響からの回復ペースを10─12月は前年同期並み、来年1─3月は前年同期比5%増と見込んでいるが、4─9月に続いて10月も想定以上の好調ぶりだった。
中国販売は約33%増と7カ月連続で前年を上回った。主力セダンの「カローラ」や「レビン」、高級車ブランドのレクサス車などの堅調が続いた。

米国販売も8.8%増と2カ月連続でプラスとなり、10月として過去最高を更新。レクサス車のほか、セダン「カムリ」やスポーツ多目的車(SUV)の「RAV4」などが伸びた。
日本販売は約37%増だった。SUV「ハリアー」や小型車「ヤリス」などの好調が寄与した。前年同月は消費税率が8%から10%へ引き上げられた影響で需要が落ちたことも前年超えの背景の1つとなっている。
<世界生産2カ月連続増、12月の国内生産は休日出勤も>

10月の世界生産は84万5107台で、世界販売と同じく2カ月連続で増加し、10月としても過去最高となった。中国での生産は前年同月比で約10%増だった。主力セダンの「レビン」や「カローラ」の販売拡大が持続した。
日本での生産は約12%増だった。世界市場の回復により輸出が前年同月から9%伸びたほか、国内ではハリアーや小型車「ヤリス」などの販売好調が寄与した。
欧州市場の一部の国々、日本でも新型コロナ感染者が再び拡大しているが、足元では特に影響は出ておらず、「状況を注視していく」(広報担当者)考えだ。
世界販売はこれまで想定以上のペースで回復してきており、国内生産は10月に続いて11月も当初計画を上回る見込み。12月についても引き続き一部の国内工場では「休日出勤を予定している」(同)という。


ハーバード大が突き止めた「年をとるほど脳が活性化する条件」

2020-11-27 08:41:03 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です  記事はテキストスタイルに変換していますから画像は出ません
言語力、空間推論力など、4種で高齢者が優る
「年をとれば物覚えが悪くなり、頭の働きが鈍くなるのは仕方ない」という既成概念を覆し、人の脳には加齢に抗する底力があることが近年の脳研究で明らかになってきた。脳は高齢になっても可塑性(自分とその周辺の状況に応じて変化する能力)を維持し、誰もが加齢に従って認知力の低下を体験するとは限らない。逆に中年以降に高まる能力もあるということなのだ。
研究者に加齢と脳の関係を再考させるきっかけとなったのは、約5000人を対象に加齢による脳の様々な変化を半世紀以上も追跡調査してきたワシントン大学の「シアトル縦断研究」。認知力を測る6種のテスト中4種で、高齢者の成績は20代よりも良かった。記憶力と認知のスピードには加齢に伴う低下が見られたが、言語力、空間推論力、単純計算力と抽象的推論力は向上していた。この研究は加齢による記憶力の低下には個人差が大きいことも明らかにした。被験者の15%は高齢になってからのほうが若いときより記憶力が優れていたのだ。
40歳から69歳のパイロットの認知力を比較
カルレ・イリノイ医大の研究でも意外な結果が出た。40歳から69歳のパイロットの認知力を比較したところ、新たなフライト・シミュレーターの操作法を習得する時間は高齢者のほうが長かったが、衝突回避の成功率は高齢者のほうが高かったのだ。
fMRI(機能的磁気共鳴画像法)やSPECT(シンチグラフィー)といった造影診断法を利用しての研究も進み、脳には加齢に対抗するメカニズムがあることも証明された。トロント大学のシェリル・グレディー博士によれば、高齢者はひとつの作業の達成に向けて若年層が使わない脳の部位も活性化させている。
例えば記憶処理を主に担う側頭葉内側部が加齢により不活性化するに伴い、高齢者は前頭前皮質腹内側部、前頭前皮質背外側部も記憶処理に動員し、注意力といった認知機能の補強に前頭葉と頭頂葉の両方を活用している。若年層は単純作業には左右の片側の脳しか使わないが、高齢者では左右の脳を活用する傾向が見られ、活用する部位が多いほど成果は良い。
高齢者は若年層より物の見方が前向きになることも南カリフォルニア大学の研究が証明している。高齢になると情動反応を司る扁桃体がネガティブな刺激に反応しにくくなるのだ。また40歳を過ぎた頃からネガティブな記憶よりポジティブな記憶のほうが増え、その傾向は80代まで続く。つまり感情に左右されにくく、ストレスに強くなるということだ。
グレディー博士によれば高齢者の「頭の使い方」が変化する理由のひとつは脳の一部の機能低下を補うということだが、それだけではないようで、同じ結論に達するのに様々な脳の部位を使うのでより深い洞察が伴い「知恵脳」になるとも考えられる。
「ですから国や企業のリーダーには高齢者のほうがふさわしいともいえるのです。若い頃と変わらない『脳力』を持つ高齢者は少なくありません。脳には優れた可塑性があり脳の備蓄、維持、補償がうまくできていれば70代、80代になっても人は優れた脳力を保てます」と、グレディー博士。脳の備蓄とは知識や技能の蓄積を意味し、維持とは脳細胞の自己修復力を意味する。補償とは前述のように一部の機能低下を他の脳の機能で補うシステムのことだ。
瞑想により活性化する、高齢者の脳の力
脳の「備蓄」「維持」「補償」を助ける外的要因として研究者が奨励するのは健康な食生活、適度の運動、様々な活動による脳への刺激、積極的な社会参加だが、近年特に注目されてきたのは瞑想の効果だ。
「加齢による脳の機能低下の多くは瞑想で防げる」とするのは24歳から77歳の100人を対象に加齢による灰白質(神経細胞の細胞体が密集する部分)の変化を調べたカリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究報告。全般的に加齢による灰白質の体積減少は見られたが、瞑想をした人は減少が抑えられ、体積が減少した部位も狭かった。
さらにハーバード大学のサラ・ラザール博士によれば、瞑想には脳の劣化防止だけではなく実際に灰白質を増加させる効果もあるという。25歳から50歳の被験者を対象に8週間のマインドフルネス・トレーニングの前後の脳を調べたラザール博士の研究では、トレーニング後には海馬、後部帯状皮質、側頭頭頂接合部と小脳の灰白質の濃度増加が確認された。これらは学習および記憶処理、感情調節、自己言及性、および物の見方に関与する脳領域だ。
マインドフルネス・トレーニングはストレス低減を主目的として考案されたプログラムで自分の体の感覚に意識を集中する「ボディスキャン」、ヨガと瞑想などを日課とする。「脳も筋肉と同じで鍛えればそれだけ育ちますが、脳を鍛えるには激しい運動をする必要はなく、頭を雑念から解放し休ませる瞑想やヨガ、気功などが効果的なのです」とラザール博士は語る。
瞑想や祈りの最中の脳の変化を長年にわたって調べてきたトーマス・ジェファーソン大学のアンドリュー・ニューバーグ博士によれば、記憶力や認知力に関わる前頭葉を活性化させるには呼吸に意識を向けたり、一点を見つめたり、マントラや暗示の言葉を繰り返すなど、意識を集中させる瞑想を1回15分から1時間、一日に1、2回実践するとよいそうだ。