クリアファイルのその中は

何気ない毎日は、何気なく良い。

1週間は0番ホームから始まる

2013-04-30 10:42:46 | 日記
毎週湖西線・北陸線を往復するようになり、よく「大変ですね」と言われる。

まぁ・・確かに電車の移動はそれなりに疲れはする。

でも「大変」という感覚はあまりなく、移動時間はむしろ心に余裕を持つ時間になっている。


京都駅の0番ホームからサンダーバードは出発する。

鴨川を渡るとすぐに長い東山トンネルに入る。

このトンネルは心の切り替えスイッチになっていて、「さぁ~行くか!」と気合が入る。


山科の駅を通過するとほどなく琵琶湖が広がる滋賀県に。

お天気が良いと湖面がキラキラ光り、対岸に近江富士が見える日は見慣れた風景でも嬉しくなる。


薄暗い夕暮れ時に湖岸を走ると、琵琶湖は独特の寂しさに包まれる。

湖面に顔を出している定置網漁のシカケが妙にシンプルで、それ故に物悲しくなる。

あのシカケは、かかる魚がやってくる「その時」を無関心を装って長い夜の間を黙って待っているのだな。


やがて水田地帯が延々と続く風景が待っている。

季節の移り変わりを知るのんびりとした時間。

往復生活が始まってから、確実に時間は動いているのが分かる。

梅が咲き、桜が野をピンクに染め、一面の菜の花畑から桃紫のレンゲ畑・・・

そして今週は田んぼには水が張られ稲作の準備が終わっていた。

もうすぐ田植えの季節だ。


子供らの学校の行事や、歳時の催しに季節を知ることはある。

でもこうやって走り去る車窓から時を感じる事が出来るのは幸せだなぁと思える。

電車は同じ線路の上を走っているのに、窓の外では季節が変わり、人々の生活まで垣間見ることが出来るなんて、なんだか贅沢。


そんな優雅な時の中、心地よい電車のリズムが眠りを誘い、3時間弱の移動も案外短く感じられる。

しばらく続く行ったり来たり生活も悪いものじゃないなぁと思えてくる。



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