こうして奇妙なことが続いたのですが、、科学的論理的に物を考えるのが私は好きな方ですので、、
沢山の事例を集め、それらに一生懸命分析を加えて行ったのです。
そして、、「これは自分が頭がおかしくなった訳では決してない。いわゆるオカルト現象でもない。何かが実際に自分の身の上に起こっているのだ・・」、、そう結論付けたのでした。
ある時、、決定的なことが起こりました。
首都圏ではローカル線とも呼び得るJR相模線の某駅のホームを歩いていた時のことです。
土方風の中年男性がこちらに向かって歩いて来ました。そして相当離れた場所にも拘らず例によって 「チーッ! チェッ!」 と大きく言ってきたのです。
ローカル線ですからこちらは私しかいず、明らかに私に向かって言っているのです。
よし実験をして見よう、と私は思いました。
そして近づいて来たそのオジサンを厳しい表情をして睨み付け続けたのです。
ところが、そのオジサンはこちらをチラリとも見ず、それでも睨み続ける私に「アーハッハッハッハー」とヤケクソの様に大声で笑い出しました。
オジサンが私に一瞥も与えず、表情も全く変えず、そのまま行き過ぎるのを見て、本当に申し訳なく思った私はオジサンを追いかけて事情を説明しようか、と真剣に考えました。
しかし、、こんな話を誰が信じるでしょうか・・?かえって怖い思いをさせるだけだ、と諦めました。
そのまま歩き出すと、自分が険しい顔になって行くのを抑えることができませんでした。
『一体、、どうやってやっているんだ・・?』
『周りには誰もいない。さっきのこと、誰がやっているんだ・・?』
『遠隔で行っているとしても、、都心からこんなに離れた場所でもそれが 可能だって言うのか?』
『あのオジサンの場所がどうして正確に解るのだ?』
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『誰が、一体何の為に俺を狙っているんだ・・?』
更に様々な事例が積み重ねられて行き、最早、何らかの勢力によってターゲットになっているのを確信した私はある時、母に素直にあれこれを話しました。
母は大粒の涙をポロポロとこぼすと、
『あんた悔しいでしょう、病気でこんなことになってしまって・・
友達は皆、エリートでいい人生を歩んでいて、辛くてアンタは頭が
おかしくなってしまったんだね・・』
友人達の活躍はむしろ嬉しく誇りに思っていたくらいだったので、キョトンとなって私は母の泣き顔を見詰めていました。
このやり方の攻撃の恐ろしい点はこれなのでした。
「頭がおかしい」──これで終わってしまうのです。
◇
細長い物入れの箱のフタを閉める様な音、、「バタァーン」
人間なのか機械なのか解らない不気味な声、、「ホーッホーッホーッ」
先端の小さな丸い刃が高速回転する様な音、、「キィイーン」
・・・などなど。
これらそれまで神奈川などで何回も聴かされた音声と「全く同じ」音が、東京から遠く離れた仙台でも聴かされたのです。
『そうか・・
奴ら、、ここ仙台までも俺を追いかけて来たんだな?』
『これは物凄い闘いにたぶんなるぞ、、はてどうしたものか・・?』
アメブロの記事は真っ赤な嘘。
いや、、あの時あの場ではああ書くしかなかった。
『階下の一族は事情が解っていないようだな・・?
恐らく所属する団体自体も知らないのだろう。
ここは知らぬふりをして、弱く弱く振る舞おう。
調子に乗った奴らはきっと自ら墓穴を掘るに違いない。』
── 勿論、、こんな格好いいことばかりではありません。嘆いたり、呻いたり、、散々な目に遭いました。
しかし、、色々な真相を悟られぬよう必死になって演技したこともまた事実ではあるのです。
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Siucaを常に五枚ほど用意し、一日の内にも数枚を使って、私の利用履歴の切断を計って来ました。
いよいよ東京を離れて仙台に向かう、という時、東京駅内の大きなごみ箱にそれらを折り曲げて、ポンポン捨てて行き、
『さぁ、これで妙な勢力との関わりもお終いだ。
流石、仙台までは追いかけて来ないだろう・・』
『第一、誰も俺が仙台に行くのを知らないものな。
引越し日・行き先共に家の中ですら必ず母とは筆談で行ったから
解る訳がないのだ』
あの時の爽快極まりない気分を寂しく思い出していたのでした。
神奈川で聞かされた特殊な音と「全く同じ」音を仙台へ引越し数日で聞かされながら・・