徴用工問題で紛糾している日韓基本協定(1965年)の骨子は、次のようである。
(1)日本は韓国に対し、有償・無償合わせて8億ドルを支払う
(2)韓国は対日請求権を放棄する(従軍慰安婦問題、樺太在住のコリアン問題、韓国在住の被爆者賠償の問題)
私はこの基本協定の条件は理不尽だと思う。すなわち、日本の韓国併合は対等の立場で合意されたものであるから、基本的には日本は韓国に負い目はないはずだ。しかし、樺太在住のコリアン問題、韓国在住の被爆者賠償の問題(これは米国が補償すべだ)などで多少迷惑料を支払うのはやむをえない。
その迷惑料は、韓国に残され没収された日本の資産で十分であろう。それにもかかわらず、日本は有償無償合わせて8憶ドルを提供した。この金額は、当時の韓国の年間国家予算に匹敵するほどの巨額であり、迷惑料としては多すぎる。
なぜこんな一方的に不利な条件での合意に応じたのか不思議に思っていたら、その答えは「ヤクザと妓生が作った大韓民国―日韓戦後裏面史」(菅沼光弘著 2019年3月刊行)にあった。その5ページに、要約すると次のような趣旨の記述がある。
朝鮮戦争(1950-1953年)によって、韓国は焼け野原になり経済が極度に疲弊していた。一方、日本は朝鮮戦争の特需もあって、目覚ましい経済発展と遂げていた。そのアンバランスを是正することを兼ねて、米国が関与して、日本が経済協力金を含めた金額を支払うという日韓基本協定が結ばれた。
「米国がこの問題の解決に介入した」ことが事実である証拠はない。しかし、それならば全体のつじつまが合うのも事実だ。敗戦国の日本は米国に対してなにも言えなかったのだろう。しかし、韓国はそれに飽き足らず、徴用工裁判で追加の補償金を要求している。それは上記の経緯を考えれば、理屈に合わないとんでもない話に思えるのだ。
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