昨年までは、年に4~5回は温泉旅行を楽しんでいたが、今年は3月に近場(タクシーで3千円弱)の熱海伊豆山に行ったのが最後である。7月ごろコロナが下火になったので、秋になったら行くつもりで目的地も決めていたが、爺同様に旅行を我慢していた人がドッと繰り出すだろうから混雑するかもしれない、と懸念した。
そこにGO TO キャンペーンが発表された。“なにも政府が後押ししなくても、旅行に出かけたい人は出掛けるだろう。ムダに税金を使うことはない”と思ったが、爺ごときが反対を叫んでもどうなるものではない。
そしてキャンペーンの詳細が発表された時点で、旅行は諦めた。その理由は、乗り物や宿泊施設の混雑が予想されたこともあるが、高級施設に行ったら、“普段は高くて来れない貧乏人が、補助金を当てにして、やってきた”と思われるのが業腹だということもある。もちろん、コロナが下火にならないことが最大の理由だが。
特定地域をGO TOの対象から外すかどかの論議があったとき、TVニュースで“国がはっきり基準を決めてくれないと困る”と言っている人がいたが、“自分の行動を他人に決めてもらうのか”と呆れた。旅行に出掛けるかどうかを決める最大優先事項は、コロナ感染リスクをどう判断するかであり、政府がなんと言おうが、自分の行動は自分で判断して決めることではないのか。
そもそもGO TO キャンペーンの原資は赤字国債であり、今後税金で返済していく借金である。つまり、次の世代が負担することになるから、老い先短い高齢者は利用を遠慮すべきではないのか。
そんな意地を張っていても自分が損するだけだからと、GO TO Eatの食事券を7イレブンに買いにいったら、店員は“もうとっくに売り切れてます”とバカにしたような表情を浮かべた。
ということで、とうとうGO TOの恩恵を受けずに終わった。ウジウジ愚痴っても仕方がないし、早期収束を願うのみである。