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頑固爺の言いたい放題

森羅万象なんでもござれ、面白い話題を拾ってレポートします。

野党は検察庁法改正案を成立させよ

2020-05-16 15:13:18 | メモ帳

検察庁法改正案がまた先延ばしになった。頑固爺はこの案件がなかなか決着しないことを苦々しく思っていたが、よく考えてみると時間をかけることには一定の意義があることに気づいた。今回はそのことをテーマにする。

検察幹部の定年を延長すること自体は時流に適ったことであり、検察幹部としても歓迎すべきことであるはずだ。それがダメだというわけは、野党や朝日新聞によれば、安倍政権が黒川弘務氏を検事総長にしたい下心があるからだという。そして、検察幹部OBもこの法案にNOを突き付けた。

爺は、検察幹部は皆それぞれ適切な能力があり信念もある立派な方々だと認識している。だから、検察幹部が時の政権におもねるような判断を下すことはないはずで、誰が検事総長になっても同じだと考えている。ところが、検察OBは定年延長が政権に悪用されるから、この法案に反対だという。それはとりもなおさず、検事が信念を曲げることもあると告白しているようなものではないのか。どうも釈然としない。

さて、「検察庁法改正案」(当法案)がなかなか決着しない状況を野球に例えると次のようになる。ランナーが盗塁することを防ぐために、投手は牽制球を投げる。それが2回3回なら戦術として許されるが、5回6回となると、ゲーム進行を遅らせるし、観客はしびれを切らす。

当法案の審議の現状は、投手が牽制球をすでに5回投げ、ランナーを一塁に釘付けにしており、相手チームの監督はランナーの盗塁を断念し、次打者のヒットで進塁させることに戦術を変えたような状況だと思う。

すなわち、この案件はすでに世間の注目を十分すぎるほど浴びており、安倍政権は黒川氏の検事総長起用を強行すると、轟轟たる非難を浴びること必至と判断し、黒川氏以外の人物を起用することに腹づもりを変えたと爺は推測する(黒川氏が辞退することもありうる)。とはいっても、この予想が当たる確率は7割程度で、安倍政権が黒川氏起用を強行する可能性も3割ほどあると見ている。

野党の立場から考えると、さらに粘って当法案を廃案にする戦術と、安倍政権にあえて黒川氏起用をさせてから、「ホレ、見たことか、やっぱりそうじゃないか。安倍の専横ここに極まれり」と非難する戦術を比較すると、後者の方が安倍政権のダメージが大きいと思う。もしも、安倍政権が黒川氏以外の人物を起用したとしても、それは野党が目的を達成したことであり、野党の勝ちである。つまり、どちらになっても、野党有利の状況が生まれる。冒頭に「時間をかけることには一定の意義あり」と述べたのはこのことである。

本日の朝日新聞の社説は当法案を廃案にすることを主張しているが、爺は野党が適当なところで手を打って、当法案を成立させることを願う。爺は基本的には安倍首相支持の立場だが、専横ぶりが鼻についており、安倍政権が当法案を成立させてからどう出るかを見極めたいのである。野党の善処を期待する。