森友問題でも加計問題でも、メディアは“安倍首相が怪しいぞ。なにかあるんじゃないのか”という論調で批判的に報道した。野党はそれに乗って、国会で理不尽な発言を繰り返した。
その極めつけは、5月17日付の朝日新聞の第一面(写真)。これでは、まるで安倍総理大臣の意向に沿って加計学園獣医学部が認可されるように受け取れる。明らかな印象操作である。
私もこのブログで度々メディアの安倍政権批判に疑問を投げかけてきた。例えば、“安倍政権支持率低下を演出するメディア”(7月11日)、“加計問題追及で何がわかったか”(7月26日)など。
しかし、ご存知のように、首相からはなにも出てこなかった。安倍内閣の支持率はV字回復し、自民党は衆議院選挙で圧勝した。野党はまだ追及するだろうが、事実上モリ・カケ問題は収束したはずだった。
ところが、書店で「森友・加計事件」(副題 朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪)というタイトルの新刊書を見つけた。私は朝日新聞の購読者ではないが、朝日新聞が一連の偏向報道のリーダー格だったことは承知していたから、復習のつもりで読んでみた。
内容は朝日新聞を始めとする各メディアの歪曲・偏向報道を詳細にレポートしており、私は「なるほど、そうだったのか」と、この事件の全体像が理解できた。しかし、著者の小沢栄太郎氏はかなり激烈な論調で朝日新聞を批判していることから、朝日新聞は黙ってはいないだろうと予想した。
案の定、朝日新聞は小沢氏と出版元の飛鳥新社に抗議した。
http://www.asahi.com/corporate/info/11207014
しかし、私に言わせれば、「朝日の抗議はたったそれだけ?」である。抗議していない部分はそのまま朝日が認めたと理解すると、野球のスコアなら10対1ぐらいの小沢氏による一方的勝利である。そして、その1点とは朝日の抗議に対する努力賞またはオマケである。
モリ・カケ問題は収束していなかった。プレーヤーが代わって、小沢・飛鳥新社対朝日新聞の場外乱闘が始まったのである。だが、騒ぎが大きくなればなるほど、朝日の偏向・歪曲ぶりが国民の知るところとなり、朝日が困るのではなかろうか。そして、騒ぎが大きくなるほど「森友・加計事件」が売れて、小沢氏と飛鳥新社が喜ぶということになりそうだ。