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性別変更した夫との父子関係を認定・・最高裁

2013-12-18 | 世の中の出来事いろいろ
先週のニュースです。

12月10日の最高裁決定。
性同一性障害特例法に基づいて、戸籍上の性別を女性から男性に変更した夫が、第三者の精子提供により妻が出産した長男(4)の「父」であることを認定するよう求めた裁判。
一審、二審とも、夫側が敗訴。
しかし、最高裁第3小法廷は、
「特例法で性別変更した男性は、夫として結婚できるだけでなく、
婚姻中に妻が妊娠した子と法律上の父子関係があると推定される」
という初めての判断を示し、
長男の戸籍の父親欄に、この男性の名前を記載するよう命じました。

5人の裁判官のうち、3対2の多数意見によるものです。

性別変更の兵庫の男性父と認められる 人工授精で妻出産 血縁なくても「父子」 最高裁(産経新聞)

上記リンク中にもありますが、こちらの図が、わかりやすいです。



妥当な決定ですね。

「戸籍上の性別を女性から男性に変更」と、さらりと書きましたが、
このプロセスは、当事者にしてみれば、たいへんなプロセスです。

性同一性障害の、この男性(に限りませんが)、
さまざまな手順を踏んで、戸籍上の性別を「女」から「男」に変え、
そして、今の奥様と法律上の結婚をしたわけです。
(性別変更した人の)結婚は認められるが、親子関係は認められない、というのはおかしいのですね。

最高裁決定では、
「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」(民法772条(嫡出の推定))
を適用した、ということです。


事の発端は、長男の出生届を提出した際、この男性の戸籍に性別変更したことが記載されていたため、
役所(新宿区)側が、「この男性が父親となることは、ありえない」として、長男の父親欄を空欄にしていたものです。

しかし、例えば、夫に生殖能力がない場合(無精子症など)に、今回のように、第三者の精子で妻が妊娠・出産すれば、夫婦の「嫡出子」と認められ、
夫は、戸籍上でも最初から、子どもの「父」です。
出生届の提出時に、精子提供がどうであるとか、人工授精をした・しないなどの書類を添付する必要もないですから、
役所はただ、記載事項を確認して受理するだけです。
それと、生物学的には、何も違いはありません。

今は、さまざまな形で命を授かるケースがあるわけで、
他人の卵子を提供してもらうケースもあれば、代理出産もある・・。
法律が追いついていないのです。国の怠慢。


今回の裁判と同様の形で生まれた子どもは、確認されているだけでも、
全国で39人いるそうです。

性同一性障害特例法ができた2004年以降、性別変更した方も、全国で、3,500人以上いるそうです。
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